※ 追記
皆様のレビューや解説を参考にして再鑑賞🎵
聴聞会、公聴会、カラー、モノクロ、回想…
知ってから観るともう構成が凄すぎる！
ノーラン恐るべし！
傑作認定で評価加点！
クリストファー・ノーランらしい、時系列をシャッフルしたスタイリッシュで迫力ある映像で展開される原爆の父オッペンハイマーを描いた作品。
開発における背景にあったナチスドイツの脅威、そのドイツの原爆投下以前の陥落と降伏しない日本、連続する大戦と大量死、科学者の実証したい欲求とトロッコ問題の解の如し原爆の威力による大量死時代の戦争への抑止力としての原爆投下と誤算、冷戦、赤狩り…
内容としては史実や認識に忠実でありそこにノーランの思想的背景や作家性は感じられないが、オッペンハイマーの苦悩や関わる人間の描写、原爆の脅威やイメージなどの映像表現が繊細且つ大胆で素晴らしく、そこにノーランの作家性がふんだんに盛り込まれている。
実験や投下における歓喜のシークエンスは日本人として感情が揺さぶれるだろう。これを象徴としてこの作品を嫌悪する方の気持ちも解る。しかし前述したように今作の内容はアメリカから見たという前提はあるが史実や認識に対し忠実であり、そこに監督であるノーランの感情は大きく作用せず、その視点は観察する科学者のような客観性が担保されている。
故に今作は被爆国としてのユニークな感情と共に、原爆が作成された様々な意図やそれが齎した影響における不可逆的な現在の核兵器における世界情勢を多くの日本人に分析的に観て欲しい作品。
