最初に一本の映画としての評価。
素晴らしい
まずはキリアンマーフィーの演技力
あの表情があったからこそさまざまな場面が強く焼き付く
そしてほぼ会話劇なのに飽きさせない、カットや画も絶妙。
3時間という長い時間ながらも難しいシーンはあれど不必要と思うシーンが見当たらない。
演出、展開何をとっても文句のつけようがない。
さらに音楽
その場面にあった音楽、音量映画としての完成度は本当に素晴らしかった。
ここからはオッペンハイマーという作品について。
賛否両論本当にわかる。
観終わった後のなんとも言えない感じ。
これは映画の完成度とは別のところにある。
ただ分かった人風に取られてもいいので言いたいこととしては、あくまでもこの映画は原爆を作った1人の科学者の人生を追った伝記ということ。
原爆の悲惨さが伝わり切らないという意見もあるけどそこの視点ではないのではと思った。
全く反対側の視点を見てみることも理解につながるのではないか
直接的な描写こそなくとも、だからこそ動揺、異常、最悪といった状態が伝わってきた。
オッペンハイマーの演説の様子や至る所にある見えない異常性と恐怖。それらをを描いたことを考えれば決して原爆を容認しているとはとても思えない。
映画の感想は人それぞれだけどこの映画は本当に特殊な作品だと思う。
特に日本人に見てほしいという人の気持ちは強くわかる。
自分もそう思った。
きっと日本人だからこそ感じることのできる思いや感想が出ると思う。
同時に、今まで以上に核兵器や戦争について強く深く考えるようになる人も増えるのでは？
自分はその1人です
