おりひめ

オッペンハイマーのおりひめのネタバレレビュー・内容・結末

オッペンハイマー(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

物語 6点
配役 8点
演出 6点
映像 9点
音楽 8点
---合計37点---

情報量が多過ぎる。180分の長尺のうち、95%は台詞だったような。しかも早口で専門的な内容。物理学の知識とかアメリカの1930〜1950年代辺りの社会情勢とかオッペンハイマー自身の伝記とかがある程度頭に入っていないと追いつけない部分があった。そして冒頭から結末まで戦前、戦時中、戦後を頻繁に行ったり来たりするので忙しい。少なくとも女性関連のエピソードは要らなかったのではないか?アメリカ人(英語話者)であれば感じ方が違うのだろうか。
私は映画に物語性、娯楽性、芸術性の全てを求めるので、本作を好みの作品とは言い難い。
ただ当然、アメリカが描く原爆開発というテーマは日本人として重く、考えさせられる内容であり、印象深い台詞も多かった。パンフレットを読んだらもう一度観たい気持ちもある。

原爆が人体に齎した影響の描き方は、個人的に賛否両論。アメリカ人女性の肌が剥がれていくような描写や強い閃光の演出により、オッペンハイマーの心が苛まれたのは伝わる。だが、彼が原爆の被害状況を聞く場面で日本人を映さなかったのは不自然で、敢えて映さない意味を感じられなかった。結局はこれが、悪魔的大量破壊兵器を保持し唯一使用したアメリカにおける、その兵器はあくまでも「正当に」使われたのだという国民の総意、主張なのだろう。
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