むぅさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(2019年製作の映画)

3.8

「彼氏の思考回路がミステリーなんですよ」

職場の子の発言でザワついた。
どうやら後一口分の牛乳パックを冷蔵庫に戻す、帰宅時間が知りたいのに「もうすぐ帰る」というぼんやりしたLINEがくるという不満か
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黙秘(1995年製作の映画)

4.1

軽くはない
堅くもない
重くない
悪めである
先に生まれてはいない

私の"口"の話だ。

誰にも言わないと心に誓ったことを、例え自分が追い込まれたとしても黙り続けることって、どこまで出来るだろうかと
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スウィート・ノベンバー(2001年製作の映画)

3.2

わかっている。
毎年この季節、一体何着たら?問題に直面するのは、去年も一昨年も同じことを思いつつ誤魔化しながら過ごしているからだと。

映画はオシャレに季節を先取りしようかな、と思い選んだ。

「私の
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街の上で(2019年製作の映画)

3.8

「りんたろう!」

下北の駅前の回転寿司にわりと大人数で行き、先輩がそう呼んだら目の前に[ビントロ]が置かれたというのが、私の下北エピソードの中でかなりハイライト。

学生時代、下北沢、渋谷、吉祥寺あ
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マイ・ベスト・フレンド(2015年製作の映画)

3.6

会いたいよ!

その言葉が1番素直に言えるのは大切な友人達な気がする。
コロナでなかなか集まれなかった友人達と久しぶりに会った時、
「嬉しい、楽しい、大好き」と泣いた。いつもなら「ドリカムか!」と突っ
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フランケンシュタイン(1931年製作の映画)

3.7

親の願いと想いが込められた自分の名前が好きだ。
その名に恥じないように生きているかは、ちょっとあれだが。

超のつく天然な母が数年に一度の割合で、誕生日の2日前の予定日だった日に"おめでとう"と言って
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北北西に進路を取れ(1959年製作の映画)

3.8

また『雨に唄えば』だ!

主人公がシャワーを浴びながら歌う鼻歌の選曲が『雨に唄えば』だった。
この素敵な曲、毎度不穏なシーンで歌われるのが不憫でならない。
いやでも、名曲だからこそそんなシーンにも負け
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カクテル(1988年製作の映画)

3.3

"バーテンダー"って言って!
気になる....!

数え切れないほど字幕に登場する"バーテン"に、赤ペンで"ダー"を足したい102分。
"バーテン"は、bar(酒場)とtender(世話する人、相談役
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グランド・ホテル(1932年製作の映画)

3.7

隠し事は何ですか?

誰にだって、どこにだって、物語はある。
その昔、まぁまぁセンチメンタルな気分で汽車道を歩いていた。
人の感情に色や形があるならば、それがポロポロとこぼれ落ちることがあるならば、こ
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アンタッチャブル(1987年製作の映画)

4.2

この時代を生きていたら、私は確実に犯罪者。

禁酒法。
美しい日本語を使いたいと思ってはいるものの。
なんだよ、禁酒法って。
飲んべえをナメてもらっては困る。何とかして飲むために確実に治安は悪化するに
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羅生門(1950年製作の映画)

4.1

何回か行ったことのある焼肉屋。

『羅生門』と言えば?
と聞かれたら、芥川龍之介より黒澤明より先に焼肉屋が浮かぶあたりが我ながら情けない。

教科書で出会った『羅生門』より、『蜘蛛の糸』『杜子春』より
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スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望(1977年製作の映画)

3.8

土下座案件かもしれない。

"光る棒で戦う @ 宇宙"
という認識だった。

遠い昔、遥か彼方の銀河系...
そのオープニングにワクワクしつつも「!?未来の話かと思ってた...!」となり、ハラハラしな
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JAWS/ジョーズ(1975年製作の映画)

3.7

思いのほか心臓に優しい。

"突然"に弱い。
高校の文化祭、お化け屋敷で"突然"出てくる友人扮するおばけに、まぁまぁの悲鳴を上げ、その悲鳴におばけの方が驚いた。
大学時代のアルバイト、お皿が落ちて割れ
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.3

3枚の看板と3人の人物

娘を惨殺された母が遅々として進まない捜査に憤り、町はずれにある巨大な3枚の広告板にメッセージを載せるところから物語は始まる。

街中でたくさん目にする広告、キャッチコピー。そ
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ミスト(2007年製作の映画)

3.9

「その人『ミスト』観た後みたいな顔になっちゃってさ」

最近観ているドラマで、そんな台詞が出てきた。
困る、観たくなるではないか。
胸糞・イヤミス・サイコパス、平気どころか何なら好きなのだが、"謎の生
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まともじゃないのは君も一緒(2020年製作の映画)

4.0

「皮膚呼吸で全てをまかなっているのか....?って思う事ある」

学生時代のバイトの店長が、一体いつ息継ぎをしているのかという疑問が湧くほどに喋り続ける方だった。

「皮膚呼吸なのはミミズとかヒルで、
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由宇子の天秤(2020年製作の映画)

4.3

何回観たら自分なりの結論にたどり着けるのだろうか。

"答え"を探す映画が好きだ。
考えたいし、逃げたくない。
その映画に一つでも自分なりの"答え"を探しながら観たいと思っている。

ドキュメンタリー
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メリー・ポピンズ(1964年製作の映画)

3.9

「iPhone13、メリーポピンズ」

友人から意味不明なLINEが送られてきた。私が映画好きだと知ってこそのLINEだったのだが、申し訳ない。観たことがなかった。

「iPhone13の画面の説明、
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カランコエの花(2016年製作の映画)

3.8

「え!やったぁ!」

数年前に新しいプロジェクトに関わる際、私のサポートにつくのが彼だと上司から聞かされた時の最初の感想だった。
彼はゲイらしい、とみんなが知っていた。今思うと、なんて酷いアウティング
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裏アカ(2020年製作の映画)

2.1

裏アカと言えば、裏アカなのだ。

繋がっている実際の友人はごく僅か。FilmarksにはFilmarksの、私なりの世界がある。
嘘偽りはないけれど、言うつもりのない事はたくさんある。

Twitte
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ショコラ 君がいて、僕がいる(2015年製作の映画)

4.1

「ボジョレーか!」

恋多き友人の
「今まで会った中で...」
「ここ最近の...」
「きっとこれ以上は...」
ご本人にとっては毎度大きな違いでも、こちらとしては何が変わったのかいまいちピンとこない
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シンデレラ(2021年製作の映画)

3.8

履いたら割る自信がある。

足が幅広・甲高なのでガラスの靴なんて、とんでもないのだ。
可愛くて細めのビーサンタイプのサンダルなんて履いた日には、小指は完全に蚊帳の外になる。

そんな悲しい小指のいない
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キンキーブーツ(2005年製作の映画)

4.2

「茶色は美人の色なのよ?」

友人達とちょっとドキドキしながら原宿に行った中2の春休み。
お小遣いで買った茶色のシャツが似合わなくて、鏡の前で悩んでいたところ、通りかかった母がそう言い放ってどこかに消
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

4.1

それはそれは台風のような勢力を持って"こじらせ"を発生させるのが10代なだけであって、大人になっても"こじらせ"は、そこにいると思っている。

幼馴染のイーニドとレベッカ。
高校を卒業したものの、何と
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グッバイ・クリストファー・ロビン(2017年製作の映画)

4.1

『水曜どうでしょう』が好きだ。

ヨーロッパを旅する中で、軍団がプーさんの故郷ハートフィールドを訪れた時、羨ましかった。
私もあの小川に小枝を投げたい。

『クマのプーさん』の著者A・A・ミルンが、息
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ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

3.7

綾野剛版『マディソン郡の橋』が観たい。

先日『シャイニング』を観て日本版でリメイクするなら、ジャック・ニコルソンは香川照之で是非と思ったという話から、それぞれの好きな俳優版『名作と言われる映画』キャ
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.1

「後片付けよろしくね」

夫の髪を切った後、妻はそう言って旅行に出かける。
妻は夫の不倫を知っていたのではないか。床に落ちた彼の髪ではなく、「うん、完璧」と自分が切ってあげてさっぱりした髪の彼がこれか
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ロード・オブ・ドッグタウン(2005年製作の映画)

4.0

友人に"横乗り一族"が多い。

音楽の横ノリは大歓迎だが、運動神経がいつ切れてもおかしくない点線なので、「楽しいよ!」という夏のサーフィン、冬のスノボ、春秋のスケボーのお誘いに毎度「うん!楽しそう!い
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時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

3.8

思い立ったが吉日 とは言え、
真夜中に観る映画ではない事だけは間違いない。

今止めたら次観ようと思うのはいつになるか分からない、夜中に観ようが昼間に観ようが、この衝撃はきっと変わらないと思いながら
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あと1センチの恋(2014年製作の映画)

3.6

「どっちか気付いて!」
永遠に手紙を食べ続ける予感しかしない白黒のヤギ2人の歌を思い出してしまった。

初めて知った時、へぇと思った【恋愛の3つの"ing"】

タイミング
フィーリング
ハプニング
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ヒキタさん! ご懐妊ですよ(2018年製作の映画)

3.9

「お父さんに言ってくださーい」

小学校1年の時、洗濯物をたたんでいる母に妹か弟が欲しいと言ったところ、こう返ってきた。
今思うと、小1への返答としてはなかなかな気がする。

ヒキタさんご夫婦。
「ヒ
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普通の人々(1980年製作の映画)

3.9

「美味しい?」
「普通」
「なんかすみませんね」

"恋人が一人暮らし"という人生初のシチュエーションに出会った若かりし頃、作ったこともないのに作ってみた鮭のムニエルへそんな感想を頂いた。肉じゃがとか
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セブン(1995年製作の映画)

3.8

私の七つの大罪達が"インサイド・ヘッド"であった。
'怠惰'と'傲慢'が特に力を持っている気がするので恐ろしい。

人を七つの大罪のいずれかに該当させ、それになぞらえたおぞましい殺人を繰り返す連続殺人
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.5

"確か"だったものが、"不確か"なものへなっていく恐怖。

毎日、何気なくしている事が自分を支える一つになっているのだと改めて気付く。
朝、歯を磨きながら好きな音楽を聞く。電車の中でFilmarksの
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シャイニング(1980年製作の映画)

4.1

「お客さんですよぉー!!」

扉から少しだけ顔を出して、アルバイトの子が私を呼んだ。
「シャイニング!!」
惜しい。マスクがなければ、もう大爆笑だったはず。

冬の間は閉鎖されるホテルに、作家志望のジ
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エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

3.8

ガラケーだ!

友人から「10年前」というコメントと共に楽しそうな飲み会の写真が送られてきた。
みんな若い!早くこんな風にワイワイ飲みたい!と思いながら、写真を見ていたらテーブルの上に置いてあるガラケ
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