傘籤さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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エゴイスト(2023年製作の映画)

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ファッション誌の編集者として働く浩輔は、パーソナルトレーナーの龍太と出会い、幸せな時間を重ねていく…。
愛とは身勝手なもので、エゴではあるけれど、相手が「愛」だと受け取れば、それは確かに愛なのだ。繋い
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死刑にいたる病(2022年製作の映画)

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個人的に"あっち側"に行っちゃう作品は好きなのだけど、いい意味で裏切られた。結構エグいシーンが多いので苦手な人にはおすすめできないが、阿部サダヲの表情の演技はなかなか見ものだった。

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

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原作の"音"のイメージを、本物のジャズプレイヤーが奏でる音楽と、アニメーションの力によって熱く激しく伝えてくる。荒削りな部分もある映画だが、原作を越えようとする想いは炎のように躍動し、やがて深く青い輝>>続きを読む

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

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ある男女の、ある1日を、1年ごとに遡っていく恋愛映画。タイトル通り"ちょっと思い出しただけ"。しかしこの演出により、過ぎ去った時間の眩しさがより際立ち、なんてことの無いはずの場面場面が美しく映る。"恋>>続きを読む

ジョン・ウィック:チャプター2(2016年製作の映画)

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キアヌ演じるわんこ大好きなスーパー殺人マシーンが大暴れする殺し屋アクション映画第2弾。まあとにかく派手で迫力がありかっこいいです。今回も復讐の物語でちょっとずつ前作から"スカシ"てくるので、「ここでこ>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

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『ハケンアニメ!』 #映画
Netflixで鑑賞。アニメ業界に焦点を当てた作品であり、新人監督と天才監督の"覇権"をかけた戦いを熱を持って描いている。思い通りにいかない新人監督と、天才と言われる監督の
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スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)

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あははは、何なんでしょうねこの映画。おならに始まり、おならで終わるシュールなコメディ…だと思うのですが、その中に心が温まる哲学がこもってる。ダニエル・ラドクリフとポール・ダノ2人の演技と、不思議な世界>>続きを読む

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

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話としては至ってシンプルで、おじさん2人が仲違いするだけ。ただそれだけの映画なのだが釘付けにされた。観る人によっては退屈に映るだろうけど、これはそういう鏡のような作品でもある。美しい光景とは裏腹の曇り>>続きを読む

モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

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映画音楽の巨匠、エンニオ・モリコーネ。本作は本人の言と、彼の音楽を愛する人々の言葉からその軌跡を辿ったドキュメンタリーです。その実験的かつポップな曲によって、映画音楽の歴史が花開いてゆく様は、流れる曲>>続きを読む

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

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とにかく現時点における最高スペックの技術で作り込まれた映像美が凄まじい。これを体感するには、やはり映画館で観ることをおすすめします。また、キャメロン監督の桁違いに高いアクションの演出力も加味して、3時>>続きを読む

ノースマン 導かれし復讐者(2022年製作の映画)

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ヴァイキングがいた頃の北欧を舞台とした復讐劇。ではあるが、ファンタジックな部分とリアルな部分が混在しており、ある意味怪作。苛烈なほど血生臭く、それでいてディテールが細かい映像は美しく、神話のよう。「な>>続きを読む

ほの蒼き瞳(2022年製作の映画)

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1980年ニューヨーク。陸軍士官学校で起きた事件を追うミステリー。クリスチャン・ベール演じる探偵、ランドーの横には助手役としてエドガー・A・ポーが配置されている。じっくりとした展開と、背景に説得力を持>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

つまらなかった。全体的にカットに面白みを感じなかったし、演出も必要な場面をはぶいてる割に無駄なシーンに尺を取ってたり(こころが階段を登るとことか)どこかちぐはぐ。観てて気持ちよくない。どうした原恵一。>>続きを読む

ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(2022年製作の映画)

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ストップモーションアニメによる新訳"ピノキオ"。
父と息子の物語であり、「ありのままの相手を愛する」というテーマが根底に流れている。ほのかな狂気と、異形の者への愛を感じられる点が監督らしく、私好み。い
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バルド、偽りの記録と一握りの真実(2022年製作の映画)

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アレハンドロ・G・イニャリトゥ監督の半自伝映画。幻想的かつダイナックな映像から語られる主人公の心象風景は美しくも難解。メキシコとアメリカ。現実と虚構。生と死。不確実な狭間の世界を描いた映画だが、不確実>>続きを読む

ダンサー・イン・ザ・ダーク(2000年製作の映画)

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何も救いがない悲劇のように見えるが、これは虚構が現実を凌駕するあの最後のあの瞬間のためにある映画。なのだと思う。

ニーチェの馬(2011年製作の映画)

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台詞は極端に少なく、重苦しい音楽とモノクロの映像によって構成された世界観は間違いなく人を選ぶ。しかしその終末世界は圧倒的な雰囲気を放っており、単調でしかないはずの物語から目を離すことが出来なかった。も>>続きを読む

THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

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なんというか強気な映画だった。観客が原作を履修済みである事を前提とした造りになっており、その上で新機軸が用意されている。ある意味で不親切な映画なのだが、それでも「思いを受け継ぎ、立ち向かう事で道が切り>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

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主演である妻夫木聡の表情が良い。「ある男」を追って行くことで自身のアイデンティティに向き合い、苦悩してゆくその顔が。
社会に薄っすらと存在する「排斥」の感情は彼の中にもやはり有り、観ている私たちも例外
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漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)

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漁港で暮らす母と娘のハートフルコメディ。全体的にビジュアルが良く、色彩豊かな自然の景色や、登場人物たちの生き生きとしたアニメーションが見所。
飯を旨そうに食べるアニメは大体良いアニメなのだが、この作品
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

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新海誠の最新作。これまで日常にある美しさをある種、過剰なほどセンチメンタルに描いてきた監督だったが、今回の映画ではその先にある領域を、痛みを伴いながら描いていた。その誠実さに胸を打たれると同時に、生き>>続きを読む

カモン カモン(2021年製作の映画)

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ニューヨークを舞台とした主人公とその甥とのヒューマンドラマ。
主役のホアキン・フェニックスと9歳の甥役ウッディ・ノーマンの演技が良く、2人が徐々に心を通わせていく過程に癒された。モノクロの映像は2人の
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西部戦線異状なし(2022年製作の映画)

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いったい何処に異状なしの場所があるのだろう…?

第一次世界大戦の凄惨な現実をドイツ側から描いた作品で、死と隣り合わせの戦場風景はまさに地獄そのもの。異状しかない。主人公の顔つきがどんどん絶望に染まっ
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ベルファスト(2021年製作の映画)

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俳優であり、監督も務めるケネス・ブラナーの半自伝映画。9歳の少年を通して激動の時代にありながら、日常を健やかに生きる人々を映している。
モノクロの映像が効果的で、リアルで何気ない風景を魅力的に見せてい
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RRR(2022年製作の映画)

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最高の肩車映画。今後、肩車映画のおすすめを聞かれたら迷わずこれを挙げたい。

舞台は独立運動時代のインド。男の友情物語であり、多少の傷や体の衰えは関係ねえ!ってなもんで、ハッタリとケレン味たっぷり。で
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麦秋(1951年製作の映画)

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久々に観たくなり鑑賞。
婚期が遅れた娘の結婚の話であり、現代にも通ずるテーマがある。精妙な脚本、役者の演技、一つ一つの画角がそれぞれ見事にハマっており、観てて心地が良い。移ろう時間の中で家族の形は変わ
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

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静謐でエモい雰囲気を漂わせてますが、要素を詰め込み過ぎてごちゃごちゃした印象の映画。近未来SF版小津安二郎をやりたいのは分かるんですが、それならばカットをもっとじっくり見せてほしい。登場人物も少ない割>>続きを読む

スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム THE MORE FUN STUFF VERSION(2022年製作の映画)

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いくつかのシーンが追加されたことで全体的なコミカル度と、キャラクターの深みが増したように感じました。そしてMJ助けるシーンでまた泣いた。多分次見ても泣く。それ位好きなシーン。他にもMCUやスパイダーマ>>続きを読む

LAMB/ラム(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

その夫婦はアイスランドの田舎で羊飼いをして暮らしていた。ある日、羊から異形の「何か」が生まれる。二人は「何か」を「アダ」と名付け、彼らなりの幸せを営むのだが…。

終始不気味で不穏な空気が充満しており
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LOVE LIFE(2022年製作の映画)

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人間の複雑さ、不可解さ、悲しさを、ある夫婦を通して描いた作品。
視線やカットが秀逸で、それぞれが持つ孤独を端的に見せつける。交わらない視線は「愛」と「人生」の偽りなき現実を映し出していた。
見終わって
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

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謎の飛行物体との接近遭遇が本筋だが、スペクタクル要素満載で純粋なエンタメ映画として最高だった!
とはいえそこはジョーダン・ピール作品、「撮る」「観る」という行為の無自覚な加害性を炙り出し、観られる側か
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