Rioさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

Rio

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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.4

アイナの繊細な表情から、その描写にない映像のイメージがどんどんと拡がっていく感じが良かったし苦しかった。柔らかい色彩に包まれる広瀬すずはひたすらに神々しい。

ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア(1997年製作の映画)

4.7

余命わずかと悟ったふたりが、ブレーキを踏まず猛スピードで人生の坂をくだっていくような爽快ロードムービー。
マーチン&ルディコンビ、警官、ギャング、全員敵同士のはずが、映画全体がヘルシンキシンドロームに
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

日本最速試写にて
206分という限られた時間の中で、オセージ族の決して風化してはならぬ、静かに迸る激情の史実を目撃することになった。
終始画面を漂うおどろおどろしい重厚感、そしてデニーロが醸し出す、濁
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街のあかり(2006年製作の映画)

4.4

なんにもない男が、その脆弱さに漬け込まれ、ただひたすらに社会の隅っこへ叩かれていく。でも強かった。なんにもなくなかった。
敗者三部作 第三作

過去のない男(2002年製作の映画)

4.6

ホームレスが勝手に靴取り替えていくとこ良かった。
なんとなくの優しさで組み立てていく情味ある空間。
敗者三部作 第二作

浮き雲(1996年製作の映画)

4.5

どんな不運に見舞われても仏頂面をかますカティ・オウティネンの表情が癖になる。
淡々と幸運が巻き返していく感じも良かった。
敗者三部作 第一作

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.4

現実における心の傷を癒すための、装置としてのフィクション。劇中劇の入れ子構造の中で、俳優たちの「あくまで演技」という状態を飛び出して、いつの間にか現実の心情がフィクションの世界へ溶け込んでいく感じ?が>>続きを読む

天才マックスの世界(1998年製作の映画)

4.2

破天荒でもっちゃりした青春!
マックスの見た目15歳に見えないけどその基準でいくとおれの顔12歳くらいだな

バービー(2023年製作の映画)

4.3

死生観、フェミニズム、分断社会、商業性と作家性の折衝、ポリコレ等、可愛い真っピンクな映像世界で継ぎ目なく問題提起がまぶされて頭の中がずっとチカチカしてた。
でも結局、着地点はシンプルに素敵で良かった!
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オオカミの家(2018年製作の映画)

4.4

ケバケバしい塗料をもってニュルニュルと壁を動きつづけるのかと思いきや、ぬるりと壁から飛び出して作り物の実体が様々な素材で出現してみたりと、閉塞的で変態的な空間が変容を繰り返し続ける有様が異形すぎていさ>>続きを読む

(2021年製作の映画)

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アリ・アスター製作総指揮
この映像は、美術館建設に伴う調査で発掘された、1901年制作の奇妙なフィルムを修復して完成させたものである、、、というような作品自体の世界観設定が、テーマパークのホラーアトラ
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永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

4.2

鋼の無邪気さを天から授かり、降りかかる責任を全てバリアして跳ね返す感じ。そのせいで日常の幸福にうまく溶け込めなくて、孤独感を体外に吐き出せないでいる感じがヒリヒリと伝わってきて、同情してはならないとは>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.4

眼差しが示す存在の肯定とその永遠回帰。視線の交差がなければ、その場の温度感は共有できない。エロイーズにはどうか新境地へ視線を凝らして人生してほしい。

美女と野獣(2017年製作の映画)

4.1

アニメの欲しかったとこ描いてて痒いとこに手が届いた

私、君、彼、彼女(1974年製作の映画)

4.7

映画の文法をかなぐり捨てたアングラな構成が新鮮で良かった。貪り食う砂糖に代弁される「私」の不安定さに始まり、「彼」の受け皿に溶け込んでいくのかと思いきや、「彼女」との野性的な戯れが全ての文脈を洗いざら>>続きを読む

リアリティのダンス(2013年製作の映画)

4.0

透明度の高い映像で放尿とその近辺を見せられて嘆いた

ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

4.8

静穏な生活動線に沿った芸術性と、そこにじわじわと染み込んでいくひび割れた空気感。「ひとりが気楽なのよ」と冒頭に言い放つが、その言葉の答え合わせが宙を浮遊し、行き詰まるかのように大袈裟にはみ出していく。>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

4.4

未来の世界観でも決闘の申し込みとか原始的な人間の性が描かれるの良いね。そしてドゥニヴィルヌーヴさんの作品は映画館で見たいすね

8 1/2(1963年製作の映画)

4.7

虚構に酔う活劇。グダグダな気持ちで華やかなセットを水に流してしまう迷惑力。憧れました

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

4.3

細かい動作が置き去りにされてるアニメーションがより不気味さ増してて良かった。美術が不在してた日本アニメを助けてくれてあいがと

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

愛を言語化しない赤色が印象的で美しかった。エゴを蓄積する孤独とその贖罪を果たすための孤独。
トラヴィスとハンターが一緒に並走して帰るとこ、ぎこちなく空白に色を足していく感じでめちゃくちゃ良かったな

真夜中の虹(1988年製作の映画)

4.9

とりあえずコンバーチブルを南に走らせてみる能天気さや、とりあえずラジカセを持ち運ぶアンニュイさが滑稽で良かった。そのせいかここぞという時に思うように行かず、コメディに昇華されてしまう格好の悪さが際立つ>>続きを読む

パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.8

マヌケな恋、マヌケな悲哀、マヌケな怒り、マヌケな優しさ、愛。ちょっとした心情の変化を繰り返して、ちょっとずつ生きていく。こういうのでいいんだよな
労働者三部作 第1作