ブロオーさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.5

2回目の鑑賞。
2022年の7月1日に映画館で観て以来だった。
話の内容としてここまでいろいろ展開を詰め込み過ぎなくてもいいかなと感じたが、ラストシーンがとてもいいし、ダラダラした長さも愛しいと思える
>>続きを読む

ソナチネ(1993年製作の映画)

5.0

これは素晴らしい。
登場人物たちが、本来は知り得ないはずの出来事を直感的に理解していて、観客からは見えているものもあるが、それでもほとんど感覚的なところになってしまう。ヤクザものの映画にはそういうもの
>>続きを読む

さびしんぼう(1985年製作の映画)

3.7

写真とともに思い出が蘇る。
街のなかに記憶が息づいていて、時間の流れが一方通行ではなく多くの過去の時間も同時に共在している感覚はわかる。写真が人の形をとって目の前に現れるというのは綺麗な話だ。
ショパ
>>続きを読む

マジック・ランタン・サイクル(1980年製作の映画)

3.5

お祭りを描いた作品が多いと感じた。
サーカスなど巡業をして生きていくしかない、道を外れた人たちが出てきて、映画というものもそうした人たちのよりどころだったのだろうと感じた。
映画の世界に没入していくと
>>続きを読む

姉妹坂(1985年製作の映画)

5.0

素晴らしかったです。
大林監督は、何か1つのクラシックのピアノ曲をベースに作品作りをしている印象があったけど、この作品に使われているリストの「ため息」はオープニングからかかっていて、ずっと流れていた。
>>続きを読む

オペレッタ狸御殿(2004年製作の映画)

3.3

情報量が多くなくて、疲れずに観ることができた。体調がよくないときはこのくらいがちょうどいいかもしれない。
浜辺と桜の花は鈴木清順の作家性なのか本当にきれい。狸姫の葬儀のシーンは美しい。
安っぽい作り物
>>続きを読む

鏡の中の女(1975年製作の映画)

4.0

前半はすごくよくて、とくに色合いが美しいし、音もいい。スローな時間の流れで観ていて心地よかった。
体調が悪いときは時計の音がいやなくらい聞こえてくるのはよく分かる。ただ、死ぬことと老いていくことに対す
>>続きを読む

牧野物語 養蚕篇-映画のための映画-(1977年製作の映画)

4.0

絹が貴重なものだとあらためて知った。
生活と暦が密接に結びついていて、蚕が卵からかえって繭をつくるまでの夏の時間とお祭りなどの行事がしっかり残っている。気候や土地柄といった特徴は暮らしそのものだし、蚕
>>続きを読む

映画に愛をこめて アメリカの夜(1973年製作の映画)

4.5

傑作でした。
映画撮影におけるトラブルとそれに対処する監督などの人らを描いた作品で、人が集まると揉め事は起こるし面倒だが、それを俯瞰してみると登場人物のほとんどが人間らしくて愛おしい。ただ、アルフォン
>>続きを読む

雲のように風のように(1990年製作の映画)

4.1

面白いし、完成度が高い。
説明目的のセリフが多いがそこまで気にならない。最後のナレーションで国のその後について語られるが、映像では鳥の画だけを移しているのがいいし、銀河とコリューンが一度だけ交わって成
>>続きを読む

あの、夏の日 〜とんでろ じいちゃん〜(1999年製作の映画)

3.8

尾道への愛が伝わってくるいい作品でした。
景色が綺麗で、夏休みを思い出しました。おじいさんとタイムスリップして、かつての尾道の夏の日を巡ってくるが、自然があっていいですね。おじいさんのガラス玉の眼鏡を
>>続きを読む

木乃伊の恋(1970年製作の映画)

4.0

■2回目の鑑賞(2024/03/16)
3回目は観なくてもいいかな。観るか微妙なところ。
話の筋が面白いし、短くてよくできている。
ミイラのテーマソングが最高に心地よいのと、ミイラの扱いが雑なのがよく
>>続きを読む

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.3

そこまで面白くなかった。
要素を詰め込み過ぎていて、それを処理していっている印象が拭えない。
ピングーみたいなペンギンは最後まで雑な扱いを受けていてとてもいい。牢獄にいる頭をやられたスターは、思想が歪
>>続きを読む

チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

3.8

いいシーンが随所にあって、面白い。セリフも気が利いていていい。
1つのベッドに4人の祖父母を詰め込んでいるのとか、酷すぎる 笑
ふざけている感じがとてもいいが、異様な印象も受けるので、そこまで乗っかる
>>続きを読む

グロリア(1980年製作の映画)

3.5

あまり頭を使わないで観ました。
音楽がかなり劇的だったのと、映している画が綺麗だったので、整っている印象を受けました。
あと、ガキはめちゃくちゃ厄介者で、面倒だなと思いましたが、なんだかんだラストはよ
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.2

タイトルそのまま。
足し算の美学というか、あれもこれも要素を詰め込んで誰かにどこか引っ掛かればいいのだろうという感じ。この尺でこれだけ詰め込んだんだからスゴいだろうというような感じが出ている気がして苦
>>続きを読む

ラストエンペラー(1987年製作の映画)

4.5

2回目の鑑賞。
初めて観たときよりも分からなくなった。話の筋はあんまり面白くないかもしれないと感じたが、それもなんだかあやしい。美術はとくに素晴らしいので、話の流れと話している言語が気になってしまった
>>続きを読む

赤い天使(1966年製作の映画)

4.5

傑作です。
若尾文子は本当に好きな女優で、西さくらという人物が美しすぎる。
人の呼び方がやっぱりグッとくる。階級社会ならではで、役職で人を呼ぶのだが、軍医殿という呼びかけがいい。
「西が勝ちました」と
>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡(1997年製作の映画)

4.5

傑作でした。
アニメの動きがいいのと、音が素晴らしい。セリフもよく、場面場面でテンポよく会話にボケを入れている。話の大筋はあまり重要ではない。
青森のイメージがかなりいい。埴輪とか七人衆とか時間の流れ
>>続きを読む

ツイン・ピークス/ローラ・パーマー最期の7日間(1992年製作の映画)

3.5

ドナの顔が知らないあいだに変わっていた。
悪い夢だ。
序盤の一年前のくだりがかなりいいと思う。

ラ・ラ・ランド(2016年製作の映画)

4.5

2回目の鑑賞。
素晴らしい作品。この作品の良さに気がつくまで4年かかった。
はじめて観たときは話の筋を追うことで精一杯だったが、あらためて観て場面場面がとても美しい。
ずっと泣きそうだった。

星空(2011年製作の映画)

3.0

中国映画を観たくて鑑賞。
話の内容に魅力はない。少女の身長が少年より高いのはよかった。
離婚は特に問題が大きすぎる。
最後がハッピーエンドだったのは救いだ。

ボディ・ダブル(1984年製作の映画)

3.6

不思議な映画。
主人公のストーカーぶりは、かなり気持ち悪い。恋をしている人間の主観といった印象で、異様な自信に満ち、かなり強気な行動が目立つ。
しかし執拗に追いかけていたグロリアのことは、最後は忘れ去
>>続きを読む

四畳半襖の裏張り(1973年製作の映画)

4.2

素晴らしい作品。
時間がないんだよ、という兵隊さんが最高。忙しすぎる。
田舎から出てきたばかりの娘が姐さんの相手をさせられて、汗を流して震えているシーンもいい。修行と思えというには、酷かと思う。
首を
>>続きを読む

スローターハウス5(1972年製作の映画)

3.6

よく分からなかった。
グールドの音楽が美しい。美しかったドレスデンの街並みが爆撃で一瞬に焼け跡になる。そうした唐突な景色の変容の延長として、時間旅行を捉えて観ていた。
好きなのは、結合を執拗に要求する
>>続きを読む

赤線玉の井 ぬけられます(1974年製作の映画)

3.5

途中まで誰が誰か分かっておらず、二人の旦那さんを混同していた、手堅い感じの旦那さんと賭け事をする旦那さん。
正月から観るには、ちょっと不幸せな描写が多い。
漫画パートがとにかく良くて、人間を戯画化して
>>続きを読む

濡れた欲情 ひらけ!チューリップ(1975年製作の映画)

3.4

天国と地獄のどちらでもないのが人間味があっていい。女の子がいくらか出てくる。ハーレムといえるのか。
飯炊き女が個人的にはグッときて、自分から川に飛び込んだあと、すぐ河川敷で男に跨がるとは。

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション(2018年製作の映画)

4.1

最高でした!
小さなギャグがテンポよく効いていて、見ていて楽しい。薬の力で人を操るというのはやっぱりいいよね。フランス語の響きもかなり映画の魅力を引き立てていると思います。
ダンスシーンはいい。それと
>>続きを読む

マーベル・スタジオ スペシャル・プレゼンテーション:ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ホリデー・スペシャル(2022年製作の映画)

3.2

記憶が途切れ途切れで、このタイトルシリーズの話の筋を思い出せず。音楽を盛り込んでノリノリに進める全体のトーンは好き。間に挟まるアニメシーンもかなりいい。
出てくる警察とパトカーがボコボコにされるのは、
>>続きを読む

魔性の香り(1985年製作の映画)

3.3

静かなトーンの作品でした。冒頭のシーンはとにかくいい。
印象深かったのは主人公がみた夢で、部屋が水浸しになるところ。池田敏春は水のイメージが強くて、水と死については思うところがある。
春夏秋の秋子、名
>>続きを読む

タイム・アバンチュール 絶頂5秒前(1986年製作の映画)

4.0

面白い。タイムトラベルするなら過去よりも未来の方が楽しいかもしれない。
軽いギャグが最高。タイムトラベルの仕掛けが分かっていなかったので、女の子たちがイキそうになるたびに時間を飛ぶんじゃないかとヒヤヒ
>>続きを読む

狂った果実(1981年製作の映画)

3.7

春恵さんが可愛い。笑顔がいい。
チカが車で哲夫のことを追い回すシーンは良いなと見ていたが、ラストでも同じような描写になって笑えた。
警察に追われた哲夫とチカが宿に逃げ込んだ晩に、ライトの色がほわほわと
>>続きを読む

ある街角の物語(1962年製作の映画)

3.5

石造りの街だなという印象。少女がぬいぐるみの子熊を気にかけて日ごとに食べ物をあげる。それがネズミの食事になる。
ポスターは抵抗なく新しいものに張り替えられてしまう。
雨のシーンも印象的だが、バイオリン
>>続きを読む

展覧会の絵(1966年製作の映画)

4.1

素晴らしい作品。全体を通していい。動かないもの、絵や彫刻が動くというのは偉大なことだと実感する。
色合いがよくて、色が本当によかった。