人間関係のピタゴラスイッチのような数奇の運命により、不義の関係にはまり込んでいく男女
めちゃくちゃ長いが(3時間50分)、異様に起伏の激しい展開のおかげで、まったくだれない。
南北戦争版ロミジュリかと思ったら、まったくそんなことなくて、ちょっと笑ってしまう。
こう来るかと思ったところや、シリアスになりそうなところを絶妙にギャグで外し、展開に心地よい意外性がある。
それでも、"ある曲"を使って、きっちりカタルシスをつくってみせる話運びは見事というほかない。
原作は10年まえくらいに既読(内容はほぼ覚えてない)
とにもかくにも井口清兵衛(真田広之)の幼馴染みである朋江を演じた宮沢りえが美しすぎて驚愕する。公開当時(2002年)はアラサーくらいだと思うが、>>続きを読む
小津映画としては『東京物語』『麦秋』『晩春』につづいて、4作目。原節子も出ていないし、笠智衆も爺さん役ではない(主人公の会社の先輩として登場する)し、おまけに「家族」をテーマにしたホームドラマではない>>続きを読む
穏やかなトーンで描いてはいるが、「親と子」のコミュニケーション不全や真っ暗な断絶を容赦なく暴き立てており、怖い映画だなと思う。そのあたりは老夫婦の妻・とみ(東山千栄子)が亡くなったときの子どもたちの言>>続きを読む
映画史に残る名言「感情をベタつかせて、人に無意識に迷惑をかける人間は大嫌いだなあ」だけでも、本作には観るべき価値がある(もちろん映画全体も素晴らしいが)。
大恋愛の末にそれぞれの故郷を飛び出し、大阪>>続きを読む
「国税局の査察官」という一見なかなか興味の持ちづらい題材を、見事なエンターテイメント作品に仕上げている。
感心したのは、当初主人公の板倉亮子(宮本信子)はやり手ではあるが港町税務署の一介の調査官に過>>続きを読む
よくもわるくも「型」の集積という感じで、どっかで観たことある展開やシチュエーションがてんこ盛り。ただ、公開年代(1978年)的にもしかしたら、本作がその元ネタである可能性もあるが、その辺りは判断がつか>>続きを読む
序盤から中盤にかけての話運びの圧倒的な巧みさにため息がでる。
酒屋・森田屋の女主人である礼子(高峰秀子)は、子どももおらず結婚半年で夫に先立たれるが、夫の家である酒屋を義母に代わって切り盛りし、スー>>続きを読む
前半は「ちょっと厳しいかなあ」と思っていたら、後半からぐっとおもしろくなり戸惑う。おそらく、若きアリアーヌ(オードリー・ヘプバーン)がどれだけ魅力的かつお金持ちであろうとふた回り以上も年上の男性を片思>>続きを読む
娘に早く結婚してほしい父親と、自分が嫁ぐと独りになってしまう父を心配して結婚したくない娘。極めてシンプルな人間関係を中心にしたホームドラマだというのに、スクリーンから片時も目を離せないほどの強烈な引力>>続きを読む
アメリカン・ニューシネマらしい退廃的な雰囲気が全編を横溢している。ヒモを生業にしているジョー(ジョン・ヴォイト)と足の悪い小男・ラッツォ(ダスティン・ホフマン)がニューヨークで人旗を揚げることを夢見る>>続きを読む
正直に申し上げて、少々舐めた状態で劇場に赴いた&そもそもミュージカル映画には評価が辛めになってしまうのだが、まさかのキャラ良し・ストーリー良し・世界観良し・歌良しの堂々たるエンタメ作品が出てきて、「舐>>続きを読む
2024年一発目は名画座で言わずと知れた邦画のクラシックを。
恥ずかしながら、本作は初鑑賞となったわけであるが、まず昨年12月に劇場公開された『窓ぎわのトットちゃん』を強く想起させる内容であることに>>続きを読む
序盤は群像劇のわるいところが出ており、ややタルいが、ファロン(リチャード・ハリス)が実際に豪華客船に仕掛けられた爆弾の解体作業をはじめてからは一気におもしろくなる。
ダラダラしないすぱっと終わるラス>>続きを読む
「時速80キロ以下になると仕掛けられた爆弾が爆発する新幹線」というウルトラC的な"設定”と、超一流の俳優たちの”熱演”と、もう少しなんとかならんかったのか言いたくなる大らかすぎる”脚本”が混ざり合い、>>続きを読む
古典的名作&200分超えの巨編ということで、鑑賞前は身構えていたがはじまってみると王道の貴種流離譚で大変に観やすい。
ローマ帝国に征服されたユダヤ人の青年、ベン・ハー(チャールトン・ヘストン)は親友>>続きを読む
とにもかくにも「強烈な映像体験だった」という感想になる。
画面全体を統御する意志が凄まじく、「こういうビジュアルを見せたい!」というつくり手の執念が画角レベルで伝わってくる。
無気力理科教師・城戸誠>>続きを読む
とにかく志の高い作品。
映画というのは「映像」と「台詞」と「音楽」の組み合わせでもってストーリーを語るものであるということを思い出した。徹底的な説明台詞の排除と精緻すぎる映像演出の波状攻撃。トットち>>続きを読む
中盤までは原作同様、刑事が事件の足取りをひとつずつ辿っていく抑制の効いた展開がつづくが、クライマックスにおいて激烈なエモーションが爆発する。
殺人事件を追い続けた捜査一課の刑事・今西(丹波哲郎)が捜>>続きを読む
DVDのパッケージ(フィルマークスのサムネイルに登録されてるやつ)はちゃめちゃにネタバレなんだけど、いいのだろうか。
ムショ帰りの男・島勇作(高倉健)の初登場シーン、立ち寄った中華料理屋でグラスに注>>続きを読む
タイトルバックの出方がカッコよすぎてちびりそうになる。
原作を読んだのがはるか前なので印象でしかないのだが、映画はポツダム宣言受諾をめぐる御前会議そのものより、無条件降伏を阻止しようとする陸軍青年将>>続きを読む
寅さんのトリックスターぶりがえげつない。
90分の尺のなかに、
寅さん柴又に帰郷→泥酔して妹のさくらの見合いを台無しに→家出し奈良で柴又の住職とその娘・冬子とバッタリ再会→柴又に戻り、さくらに恋す>>続きを読む
不朽の名作らしいが残念ながら乗れず……!
やや寝不足&1日2本目の鑑賞ということで、集中力が落ちて睡魔に襲われた。
ただ、意外な"あるキャラクター"が登場してからはややおもしろさが加速した気がした>>続きを読む