企画が通りやすいのか、名曲にインスパイアされた、という邦画が最近多いのは周知の通り。曲に位負けし、期待を下回ってしまう作品も多い。
その中では本作は決して悪くないと思った。若者たち、特に山田杏奈が存>>続きを読む
「危険な状況で偶然出会った男女の悪い奴らからの逃亡劇」。となると、観客視点ではどうしても「グロリア」「レオン」「ドライヴ」といった過去の有名作品と比べてしまうことになるので、新しい「発明」がいかにある>>続きを読む
人生の大先輩に対して失礼な言葉かもしれないが、倍賞千恵子さん、藤竜也さんがとにかくキュート。
映画というよりは、昔のNHKやTBSの長編ドラマ風で、派手さも奇抜さも無く、きちんとお芝居で勝負している>>続きを読む
ラザロは、実はすごく恐ろしい存在だと思った。自分は彼が傍にいたら、きっと息苦しくて耐えられないだろう。そして、彼から離れたくなる。
しかし、ラザロは現れる。追い立てても、追い立てても、いつの間にかつ>>続きを読む
結構前に観て、邦画ってやっぱり、社会全体というよりも自分の半径数メートル以内の人間関係を描くのが得意なんだな、とは思っていた。
一人一人のキャラクター造形が丁寧。アンバーを基調とした絵面も柔らかく品>>続きを読む
これがヨーロッパあたりの移民社会を舞台にした外国映画だったら、日本国内でも「名作」という評価はさらに高まったのではないか。ふと、そんな気がした。
かなり「攻めている」内容で、だからこそ、あなたの身近>>続きを読む
本作がFilmarksでレビューされることにしっくりこない方も多いかもしれない。
ただ、映画とは何か、という定義は人それぞれで良いと思うし、劇場でお金を払って観た、というのは事実だし、色々考えた上で>>続きを読む
元になったドラマがあることも知らなかったし、予告編から「笑ゥせぇるすまん」みたいな話かと思って観に行ったら、全然違った。きわめて宗教的、哲学的な映画だった(と思う)。神とは何か。願えば叶えてくれるアク>>続きを読む
クリスティー作品は原作に近い形で映像化して欲しいな、となぜか強く思う。子供の頃に観た「〇〇殺人事件」シリーズなどが面白かったという印象が強いからかも。
そもそも英国発の昔の推理小説の映像化にはある空>>続きを読む
これまでに見たことが無い世界観だった。だから映画は楽しい。
アイスランドの環境テロリストの女性が主人公で、その頑な信念には必ずしも共感しがたいところもあるし、これが、仮にイスラム系の主張の持ち主の物>>続きを読む
零落した大女優と若い売れない役者の恋。
という題材とあらば、何か厳しい現実を見せられるのかと覚悟していたが、二人の周囲の人々が(一部を除けば)とても優しい。実話ベースということだが、すべてが美しく儚>>続きを読む
おしゃれ映画と思いきや、かなり思想的な作品だった。「華氏451度」を出発点にして、わりと正面から文学や表現の自由の危機を描いている。
主人公のことをある有力者があそこまで目の敵にするのは、自身のコン>>続きを読む
新宿で何度か見かけて確かに気になっていたあの人。このドキュメンタリーは観たい!と思った。それもせっかく観るならやはり新宿で。
マスクで顔を隠してあの派手な衣装で…となると、目を合わせてはいけない人、>>続きを読む
「グリーンブック」のオスカー作品賞受賞についてのスパイク・リー監督の発言も聞いていたので、「グリーンブック」を観たあとからは、自分の中では本作も観ることが「義務化」してしまって、そうなるとなんだか「重>>続きを読む
それは、ミステリー界では、古今東西、「禁じ手」では? というトリックを堂々と使っていることがむしろ清々しく新鮮だった(笑)
きっと、そういったことも含めて「スタイリッシュなB級」を狙った作品だったん>>続きを読む
年老いた男の家族への愛情がテーマで実の娘さんも出演、となると、イーストウッドの「遺言」的な作品かな、とちょっと身構えて観に行ったが、全然、そんな感じではなく、「まだまだ花を育てる=現役を続ける宣言」だ>>続きを読む
アメリカでの公開が11月末、ということは完全にクリスマス映画なんですね。だから、ラスト近く、警察官が、「良いクリスマスを!」とごく自然に二人に声をかけるシーンが実はクライマックスなのかな、と思いました>>続きを読む
なんだか凄いものを観た気もするし、雰囲気に呑まれただけかもしれない、とも思う。
ビニールハウス=低所得の整形美女。ある男はビニールハウスを燃やす=臓器・人身売買で儲けていて、主人公の幼馴染の女はその>>続きを読む
この妻は単純に「ゴーストライター」とは言えない存在。
夫はアイディアだけは秀逸だった、それを形にできたのが妻。発想力と表現力の出会いから始まった共依存は、悲劇でもあり喜劇でもある。
この夫が無能と>>続きを読む
第34回サンダンス映画祭では、『search/サーチ』と並び観客賞。監督は長編映画監督デビュー作となるグスタフ・モーラー。デンマーク映画。
サンダンス映画祭って、我々観客にいつも新しい才能を見せてく>>続きを読む
オリヴィア・コールマンはこれでアカデミー賞主演女優賞を獲れなかったらあまりに気の毒すぎる。圧巻の名演だと思った。
最近の歴史ものや実話もの作品でよく出てくる特殊メイクで表情だけを真似た「そっくりさん>>続きを読む
日本では、映画の劇場ファーストランでは、大人は一回、1,800円。もちろん、ムビチケ、各種サービスデー、シアターの年間会員、マイレージなどあれこれ利用する方が多いと思うし、逆にIMAXや4DX、特別な>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
序章的な短編があること、
原題が「親権」であることなどは、
事前にはまったく知らずに観たので、
親どうしが手段を尽くして子供を奪いあうような
騙し騙されのサスペンスかと思ってた・・
ということもあり>>続きを読む
大泉洋主演の北海道シリーズ三部作の第三作。
毎回ひとつの「食」がテーマで本作はチーズ。
監督が代わったんですね。
明らかにその影響で、
これを三部作と言っていいのかどうかわからないほど、前二作とは>>続きを読む
大泉洋主演の北海道シリーズ三部作の第二作。
毎回ひとつの「食」がテーマで本作はワイン。
第一作の「しあわせのパン」は、リアルとファンタジーの融合が適度で、監督がすべてのルールを決める「箱庭」の中の話>>続きを読む
大泉洋主演の北海道シリーズ三部作の第一作。
毎回ひとつの「食」がテーマで本作はパン。
この映画は典型的な「箱庭映画」(あ、勝手に自分が作ったカテゴリーです。すみません。「グランド・ブタペスト・ホテル>>続きを読む
大手邦画ではよくあることだが、演出は説明的で、劇伴も大仰で過多。テレビではなく劇場という閉鎖空間で観る作品に関しては、音楽で無理に誘導するようなことはせず、もう少し我々お客さんの理解力や集中力を信頼し>>続きを読む
好きな映画でした。
テレビドラマだけでなく映画でも、爽快感や正義、勧善懲悪を第一とした「社会派風」のライトなサクセスストーリーばかりが増えている今の日本で、この物語を企画、制作したスタッフの志に(勝>>続きを読む
邦画では見つくした感もある若い人の病気モノ。映画としても正攻法で無難といえば無難。
ただ、特に、嫌な思いはしなかったです。
捻くれた自分でもちゃんと泣けました。
それぞれの親の心情がきちんと描かれて>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
地上波テレビ局制作、しかも厚生労働省とタイアップ(観たがる中高生の親を安心させて動員を増やしたかったのでしょうか)、という時点で、もちろん「バトル・ロワイアル」みたいなことにはならず、きっと誰も殺され>>続きを読む
前半は、ニューヨークに住む不法移民の生活の厳しさ、社会保障などの後ろ盾がないことの不安がドキュメンタリー風に綴られる。後半は一転、「このあと一体何が起こるの??」という焦らしのミステリーに。
セレブ>>続きを読む
R15じゃなくて、R18だったら監督はもっと攻められただろうか。いやそれどころか数十年前の邦画のように暴力や、薬物などの表現がより自由だったら? (自分にとっても、かなり古い例えでなんですが)本作は「>>続きを読む
原題が「THE MERCY」(慈悲)。自分は不勉強だったが、英国本国やヨーロッパでは、かなり有名な実話らしいので、基本的には、事件から約50年、「そろそろ(主役の)ドナルドの行動の再評価を行い、赦しを>>続きを読む
ロッキーシリーズの中で、「4」は、一番、苦手だった。社会の片隅に置き去りにされたような男こそがロッキー・バルボアだと(勝手に)思っていて、自由主義社会を代表する「キャプテン・アメリカ」のようになってし>>続きを読む
地方在住の自称YouTuberが、テレビからの取材依頼に舞い上がる。そして、製作サイドも、YouTube向けであったはずの作品(連続17話)を、既存メディアでブレイクしようとしている女優さんを主役に据>>続きを読む
同時期公開中の「世界一と言われた映画館」にも登場する、スタンダードカクテル「雪国」の創始者で92歳にしてなお現役のバーテンダー・井山計一氏。山形県酒田市在住。「世界一と言われた映画館」の監督が撮影を担>>続きを読む