ダイアンさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ダイアン

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イカロス(2017年製作の映画)

4.0

制作の裏側が気になる。そもそもNetflixの出資で撮り始めていたのか、いつから物語がロシアドーピング問題にシフトしていったのか。仮に偶然の産物だとしても、それなりにしっかりと予算を使ってロケを組んで>>続きを読む

愛、アムール(2012年製作の映画)

4.0

あのハネケが作った、ということを脇に置いてしまっていい。というくらいに素晴らしい。一切の楽曲を差し込まず、家の中だけを舞台として、多くの長回しでシーンを作っていく。純然としていながら、そこに広がる孤独>>続きを読む

デヴィッド・ボウイ 世界を変えた男(2016年製作の映画)

2.5

ボウイを愛して止まないからこそ楽しめるけど(生きた彼の映像だけでこみ上げてくるものがある)、作品としてはまぁ、ね。インタビュー以外にどれほど新撮があるのだろう。制作者が「これまで切り取られてこなかった>>続きを読む

ピープルvsジョージ・ルーカス(2010年製作の映画)

4.3

やられた。こんなにトンチの効いた視点があったのか。ブラックジョークに満ちててゲラゲラ笑った。ドキュメンタリーはこれくらいエキサイティングでないと。日本のオタクカルチャーを持ってしても、ここまでのスケー>>続きを読む

ファッションが教えてくれること(2009年製作の映画)

1.6

アナ・ウィンターのPV感が強すぎて途中棄権。netflixのレディーガガドキュメントもそうだったが、普段撮れない相手にカメラを向けているプライオリティに頼って構成やロケの切迫さを怠っているような感覚に>>続きを読む

ヴィヴィアン・マイヤーを探して(2013年製作の映画)

2.5

“Finding” Vivian Maiyerとタイトルをしつつ、実際はスタティックな証言のインタ集。目星がついている要素を撮ってカタチにしてて、ディテクティブな「探す」とは質が異なって物足りない(フ>>続きを読む

サイド・バイ・サイド フィルムからデジタルシネマへ(2012年製作の映画)

4.0

監督のクリスケニーリーは何者?検索してもあまり出てこないながら、錚々たるキャストのインタを集約するのはさすが。
観客実感としてはフィルムからデジタルへの超移行期にあっても現場の大転換があまり伝わってこ
>>続きを読む

曖昧な未来、黒沢清(2002年製作の映画)

3.0

本当にどっちでもいいと思ってる。曖昧でわからないままでいい。そうあることに理由などない。などあまりに隙だらけのように現場にいる黒沢清監督だが、アカルイミライの時点でキャリアは20年。ホラーやB級のジャ>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

3.5

ケイトブランシェットとルーニマーラが抜群すぎて言うことなし。あまりに純粋なルーニと自分らしさにありのままでありたいケイトの、突き詰めるとシンプルな役なだけに何重にも感情を積み重ねて作り込んだのでは。>>続きを読む

最後まで行く(2014年製作の映画)

2.0

殺人、暴力、欲望、復讐。こうしたキーワードを元に韓国映画のブランディングは大成功していると思うが、何本か観続けていると段々良作と不作の差も見えてくる。本作は少し物足らず、思ったのはこうした「必要要素」>>続きを読む

デヴィッド・リンチ:アートライフ(2016年製作の映画)

2.5

リンチの制作風景、資料映像、自分語りのみで構成されている(しかも幼少期からイレイザーヘッドまでのみ)。もっと見たことないリンチの焦りとか葛藤とか狂気とか衝動とかを撮ってくれ!撮影者が疲弊して汗かいて作>>続きを読む

マン・オン・ワイヤー(2008年製作の映画)

3.5

英国アカデミー作品賞を獲った稀有なドキュメンタリー。ドラマ映像が豊富なのにそれが嫌にならず、資料との混ぜ方が巧みで演出勝ち。"再現ドラマ"は見習うべし。当時の雰囲気、9.11などは敢えて立てずとも十二>>続きを読む

葛城事件(2016年製作の映画)

2.5

全編を通してケラケラと笑ってしまう。不謹慎だが絶望的な滑稽さ(=笑えるまでの徹底した演出)は赤堀監督素晴らしい。しかし下世話な小生はほんとの家に帰ったら山口百恵じゃん。おまけに渡辺謙、宮沢りえとの影す>>続きを読む

嘆きのピエタ(2012年製作の映画)

3.0

恨の思想は近代韓国映画の基礎とはよく聞くけど、ファンタジックな設定はバイオレンス版岩井俊二っていう例えはいまいちか。キム・ギドク独特のディテールに関心なさげな、むしろドストエフスキー的な審判物語は観る>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

3.5

ポドロフスキーがあまりに純粋すぎて。感情の爆発やエネルギーの解放に身を傾けなければ生きられない表現者。「あいだ」がない。ないというか、あいだすらオモテの事象として向き合う。面影やうつろいと一線を画して>>続きを読む

キングコング:髑髏島の巨神(2017年製作の映画)

2.0

脚本の文脈以上に映像や展開を最優先するゴリゴリの商業映画は久々。もはや新鮮。パルプフィクションや地獄の黙示録のオマージュ感。前後で戦中戦後史と無理やり関連づけるのはどうかと。ゴジラ以降の社会性が鼻につ>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

3.5

ジョンの新作。入り口からは思いもよらない異種格闘感。笑える。閉じられたコミューン的描写はショートバス由来か。ニコールキッドマン快演。エルファニングぶっちぎりかわいい。クレーンカットなど、ちょっとお金か>>続きを読む

わたしを離さないで(2010年製作の映画)

5.0

今の俺にとって完璧すぎる一作。主演3人の素晴らしすぎる演技。キーラナイトレイの持つ屈折した影、アンドリューガーフィールドは「マミー」の スティーブにも通じる癇癪持ちの繊細さ、そしてキャリーマリガンの繊>>続きを読む

スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年製作の映画)

2.5

ファン的には物足りなさあるんだけど、もうそういうの超えて観たいし観に行くし観たら勝手に楽しんでます。

ショートバス(2006年製作の映画)

3.5

きっとジョンという人の生きてきた軌跡や見てきたものがそのまま投影されてるんだと思う。乱交してたのかは知らないけど、思想としてね。最後のパレードで涙が出る。

ファニーゲーム U.S.A.(2007年製作の映画)

4.0

観たのは少し前なのに頭にこびりついてる巻き戻し。ハネケってなんて残酷な人なんだ、と思ったけどそれは見当違いのよう。こんな映画撮れる人ほかにいない。

ドライヴ(2011年製作の映画)

2.0

予想以上の泥沼感、エロスとバイオレンスの表現が良い。語らずとも存在し、意外なほどエグい。光の演出も丁寧だなと思いつつ、脚本ざっくりしてるなぁと。ライアン・ゴズリングとキャリーマリガンのPV感は否めない>>続きを読む

グザヴィエ・ドラン バウンド・トゥ・インポッシブル(2016年製作の映画)

2.5

スクリーンで1時間の作品を観るって悪くない。テレビドキュメントより集中できるし。ただ物足りず、本論に入る前に終わった感覚。「普通」に対する疑心。タイタニック好き。よく喋る。このあるごとに「直感に従う」>>続きを読む

ヴァイブレータ(2003年製作の映画)

2.0

OPのコンビニシーンが良かっただけにその後が尻すぼんで見えてしまうの惜しい。廣木隆一の多作力。商業監督でありながら「軽蔑」「さよなら歌舞伎町」へ、赤坂真理は「東京プリズン」へ、大森南朋と寺島しのぶは文>>続きを読む

グレン・グールド 天才ピアニストの愛と孤独(2009年製作の映画)

2.5

驚きなのはグールドの映像がこれでもかというほど残っていること。しかも狙いすましたように映画的なカットも多く、当時のドキュメントか密着があったかと思われる。天才性の部分にフォーカスを強めてほしかったが、>>続きを読む

神なるオオカミ(2015年製作の映画)

3.0

文革と近代化の中国。神なるものが駆逐されていく現実。オオカミをあそこまで操ってロケできるのか。しかし原作の衝撃には遠く、なんとなく作り手の思い込みで進んでいるような気も。主人公の男舐めてんのかコラと思>>続きを読む

怒り(2016年製作の映画)

2.5

有名役者は有名役者にしか見えない問題をどうにか解決してほしかった。そういう意味でも沖縄の少年がベストアクトかも。だから李相日の演出凄い。

ボーダーライン(2015年製作の映画)

4.0

久々に手を震わせながら映画を観る。導入とメキシコIN、派手に打ち合わないのに恐怖を植えつけるのが上手い。ドゥニ重低音(不協和音?)も効いてて、でもエミリーブラントが無垢すぎるような。空撮や引いた画が妙>>続きを読む

Ryuichi Sakamoto: CODA(2017年製作の映画)

4.0

単純にドキュメンタリーと思えば見たいもの、見せれないもの、見れたけど使わなかったもの、などがきっといっぱいあるんだ。思索と思考に修練しつつ、森の中で音を集めるシーンが圧巻。日常から音が立ち上がってくる>>続きを読む

ブレードランナー 2049(2017年製作の映画)

4.0

ドゥニSFの独特な重低音が効きまくり。エロスを執拗に描こうとしてたのが気になる。ハリソンフォードの登場がベストシーンか。俺が子供じゃなかったんか…とか表現として難しいよね。脚本が跳ねない中でも忠実に名>>続きを読む

息もできない(2008年製作の映画)

4.0

ヤンイクチュンが凄まじい。演じているのではなく生きている。演出ではなく実存。劇場を越える制作を繰り広げられた。邦画のバイオレンスエンタとやらが茶番に見えてくる。製作から脚本から編集まですべてこなした初>>続きを読む

幼な子われらに生まれ(2017年製作の映画)

2.0

本当に些細な、とある家族の話。ミニマムな方に向かって2時間を作ろうとする監督の気概を感じる。田中麗奈みたいな奥さん、いそうで絶妙なライン。馴れ初めとかもっとあったら良かったのに。ひとりカラオケも早めか>>続きを読む

彼女がその名を知らない鳥たち(2017年製作の映画)

2.0

蒼井優、阿部サダヲ、竹野内豊の役のハマり方。特にイモくてダメ女にも関わらず憎めないしエロスを醸す蒼井優の代わりを務められる女優はいないんじゃないか。カメラも強気のアップだが観客の心理とハマる。竹野内豊>>続きを読む

散歩する侵略者(2017年製作の映画)

4.5

松田龍平の居心地の良さ。抜群のカメラワーク。OSMOですら諦観的に使ってると見えてしまう。ここまで完璧にニヒルな映画を2時間観せられるとどうしていいのか。黒沢清が何を撮らんとしたのかを考えることすら無>>続きを読む