夕さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

処女の泉(1960年製作の映画)

3.8

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異教の神を密かに信仰してたイングリが最後にカリーンの亡骸の下から湧き出た泉に顔を曝した理由がいまいち難しい
父親は神の不在を嘆いた直後やったけど、あの湧き水はそれへのある種の返事として受け取られたのか
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誰も知らない(2004年製作の映画)

4.8

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物語の中で四季が一周していく様子がくらくらするくらい没入感たっぷりに表現されてる(多分撮影もかなり凝られてるんじゃないかと思う)、逆にいうと時間の経過がそれだけ身に沁みてわかる故に、子供たちから失われ>>続きを読む

罪と罰(1983年製作の映画)

3.9

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酔って知らん人に罪を告白したり、周りにいてくれる人から素直に良心を受け取れなかったり、そのくせ警察には挑発的な態度ばかり取ってしまうような主人公が人間味があっていい
そういう弱さがちゃんとスクリーンに
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アンビリーバブル・トゥルース(1989年製作の映画)

4.4

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ラスト10分くらいで畳み掛けるようにキャストがアングルに入っては出ていく演出がめちゃめちゃ唐突でおもろかった
女性陣がみんなオシャレで雰囲気とても好きやったな…
オードリーが終末論者になったきっかけと
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ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)

3.8

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なんといってもローラのランニングスタイルが気持ちいい、思いきり腕を振って、大股で(おまけにちょっと不安そうな顔で)駆け抜けていく姿にグッとくる
我々はどこからきてどこへゆくのか、そしてT.S.エリオッ
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あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

4.1

最後の大会で彼女が茂の演技見てるとき、どことなく寂しげな表情やったのが印象的
いわば物語の隅っこでゴソゴソやってるギャグ枠の人たちもいい味出てる、彼らには彼らのドラマがあるって感じ
拾ったサーフボード
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

3.8

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ハリソンフォード、というかインディージョーンズ、終始老いというものを意識せざるを得なかった、流石に80ともなると映画全体がどういう雰囲気とか演出になるかも大体身構えてたつもりやったけど、それでもなんと>>続きを読む

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国(2008年製作の映画)

4.6

最新作に向けて再見した
小学生の頃に映画館で初めて見たインディージョーンズがこれやったんよな
その思い出ももちろん込みでまあ楽しい楽しい…出だしからラストまでぶっ飛んでるけどなぜか疲れない、全部面白い
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Avalon アヴァロン(2000年製作の映画)

3.8

色の使い方とかCGの逆転発想みたいなやり方とか現実世界の咀嚼シーンなどなど奥行きを持った演出も織り交ぜつつ、おそらくミリオタ歓喜なのではというようなこだわりを感じる戦闘シーン、当時普及し出したインター>>続きを読む

ピンク・フラミンゴ(1972年製作の映画)

3.5

ピーナス・イズ・ゴーーン!!!
カント・アイズめっちゃわろた
ノーカット版でコットンのヌード見れたのうれしかった

ショート・カッツ(1993年製作の映画)

3.9

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カーヴァー作品思ってた以上に出てきた
それぞれの作品が横並びで接着されることで、主に初期に見られるカーヴァー印の寒々しさがより普遍的なものとして感じられる
どの家庭も基本的に外面は波風立たぬ平凡さを見
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サクリファイス(1986年製作の映画)

4.2

あの郵便配達夫が語った種類の物事、ひいては彼自身が担った役回りについて特に考えさせられる
あの不思議な夜の出来事において、物語が徐々にギアを上げる感じがかなりグッときた
決定的な終末を潜り抜けるための
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レイダース/失われたアーク《聖櫃》(1981年製作の映画)

4.3

2023.07.01
7年ぶりに見たらしい
面白いなあ、インディのキャラクターが絶妙に良い
酒とか女とかそういうハードボイルドさやタフさは対象年齢的な理由で抑えられてるのかも知れんけど、結果的にハリソ
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偶然(1982年製作の映画)

4.5

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展開3つともちゃんと色が違って面白かった、、
もしあの時こうしていたら…みたいな人生の分岐を比較する面白み自体ももちろんあるけど、そういう結果的に受け身でもたらされた選択が、その先で必ずある種の生き方
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ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)

4.1

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終盤でナースを残してみんなが用具室を出払った後にジョーがポツンと言うBut you’re still here…がすごくささった
ここまで意識がはっきりしてると、あたかもジョーが違う次元に閉じ込められ
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MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)

4.0

今作も映像めっちゃ綺麗でいい…田舎も良かったけど港町の住居の方は色とかもっと良かった
映画としては主人公の心の傷がいわゆる有毒な男性性や被害者意識やらと結びついて像を成したって感じなんかな
女友達も妊
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ネットワーク(1976年製作の映画)

3.8

この作品を作ったり当時観てた人たちも、半世紀経っても同じテーマが反復されてるとはおもわんやろな
ハワードが神懸かりになったり預言者を招いたり会長が神様になった(ハワードにとって)り、テレビの中、あるい
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さらば冬のかもめ(1973年製作の映画)

3.8

覚えた手旗信号がまさかあんなギャグみたいな形で回収されると思わなかった
ジャックニコルソンのヨーデル煽りおもろかった
外でクソ寒そうにビール飲んでるとことピクニックしてるとこ良かったな、、
日蓮正宗の
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

4.0

あんまり期待せずにつけたけどめっちゃおもろかった
敵も味方もなくあっけなく死んでいくけど、こういうのってドラマ持たせるより逆におっかなくなる時間差で
綿密なクライムシーンはかなり臨場感あってさすがガイ
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青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない(2019年製作の映画)

3.8

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ぼくが生きてる今この瞬間が誰かの夢かもしれないっておもろいな
ほんまキモイこじつけなん承知やけど時間軸や世界線の行き来は村上春樹の「壁抜け」とちょっと似てる展開な気がした
夢と現実の境が徐々に融解して
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生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)

3.6

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駆け出したシーン、そのまま全裸になってたら感心するなと思ったら実際なって良かった
社会生活に難が生ずる類いの心的な病名(あるいは先天的な素質)は最近割と具体的に周知されてるしその相違性も結構多岐にわた
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三度目の殺人(2017年製作の映画)

3.8

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面会室で福山雅治と役所広司の顔がガラス越しに重なる演出が印象的
お互いが持つ父親という側面が(役所広司の方は擬似的やけど)、本来かなり距離のあるはすの二つの人格を交錯させ共感させる
真実(あるいは真実
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怪物(2023年製作の映画)

4.0

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物語の起点である火災の根源的な原因であり、かつ唯一決定的な破滅として描かれるアル中、中村獅童が帰宅の際、手に持っているのはストロング缶のように見える
現代社会における現実逃避のモチーフ的なアイテムであ
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.3

おばあちゃんにはおばあちゃんの曰くがあって孫には孫の曰くがある、ちょこちょこ毒気はあったけどそういう時間の流れが最終的に肯定できてよかった
血縁や慣習をバカバカしいと無碍にする(冒頭のあつし的な物質主
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生きる(1952年製作の映画)

4.4

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あのくだらないお葬式の様子にあれだけ時間と手間を割いてることになんというか、じんわりと暗い思いが広がる
多分何も変わらないんやろうなって予感が絶望的に漂う
息子夫婦の複雑そうな表情も上手いよなあ
公園
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DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

4.0

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メインの役者さん5人とも、訳がわからないまま連れてこられた現実に対して、自身の感情や戸惑いとの距離感を一生懸命に探ろうとしてる感じがはっきり感じられていい演技やなあとおもた、とくにARATAの真顔は良>>続きを読む

ゲッタウェイ(1972年製作の映画)

4.6

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マックィーンカッコ良すぎるマジで…何しててもキマってる
そんでシナリオも悪くないというか、この時代にこのテーマでこんなラストにできるってのがなんか頼もしい、まあ気楽にみてくれよって言われてる気がしてな
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.3「恩讐の彼方に__」(2019年製作の映画)

3.8

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戦闘シーンとチベット風の背景はかなり楽しめた
違和感ある駆け足加減は三部作全てに共通してるからこの際いいとして、ガルシアの野望というか一応″UNの後進組織の長″してるんやから、なんかそれなりの語りが欲
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ヒア アフター(2010年製作の映画)

3.5

死人の声を聞いたところでなんの意味もないみたいなことジョージが言ってたけど、物語が終わってから振り返るとそれぞれの人生にとって意味を持つであろう出会いや別れが、その死者の語る言葉によって導かれる

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)

3.8

見てきたアキカウリスマキ映画の中では1番微妙かも…
ハンバーガー屋さんのシーンで思ったけどこの人の映画、料理にまつわるシーンに独特の良さが宿ってる気がする

劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス(2014年製作の映画)

3.8

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宗教的なシーンや示唆がちょくちょく差し込まれるけど、プロットにほとんど関係しなかったのがもったいない、ゲリラの人やシーアンの人たちの思想や生き方にどれくらい根付いたものなのかもっと描いてもよかった気も>>続きを読む

PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.2「First Guardian」(2019年製作の映画)

3.7

良いテンション感、良い男臭さやったけどテンポが早すぎる
せっかくの劇場版やのになんでこんな駆け足に、、

EUREKA ユリイカ(2000年製作の映画)

5.0

言葉もないくらい良かった
けどこれだけは言っておきたい
バスの中でノックで確かめ合うシーン、くらいすぎて気失うかと思った

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

4.0

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桜花抄の、貴樹が電車で岩舟に向かう場面むちゃくちゃ良かった
写実的な光景と貴樹の心の距離感とがとても繊細というか真摯に表現されてる気がしたし、中学生の情熱と田舎の豪雪はなんとなく相性がいいのかな…とお
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

4.5

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背景・SE・エンディング(曲)はほんまにめちゃくちゃ良かった
秦基博と大江千里のタッグ、全く知らなかったけどかなり良い
のに人間ドラマがやばい…表情も構成もキャラクター性もなんだか貼り付けたような奥行
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PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System Case.1「罪と罰」(2019年製作の映画)

2.5

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えげつなくつまらなかった…
2期で出た問いに対して接近したと思ったら全くアプローチせずに結局ジャンプ漫画の映画版みたいなバトルシーンでお茶濁して終わってもうた
1期では結構ご都合主義と向き合ってた印象
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