夕さんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

Helpless(1996年製作の映画)

3.7

確かにこの人たちは少なくともこの映画においてはなにも成し遂げられないしどこにも行けないんやろうなっていう風に感じる
その濃厚な無力感の漂いがダイニングにとどまったタバコの煙に重ねられる
初っ端のレスト
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スモーク(1995年製作の映画)

4.1

やっぱオーギーの語るあるクリスマスのエピソードが持ってっちゃう
でも、短編でこのエピソードだけ読んだ時も確かに良かったんやけど、こうやって映画になってもたらされたいくつかのエピソードやタバコ屋とマンハ
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21グラム(2003年製作の映画)

5.0

筋の並べ変え方に何度か鳥肌立ってしまった
life goes onねぇ、、、たった21グラムの何かが抜けたり入ったりするだけで、取り返しのつかない変化が起こってしまうlife、、なんでこんなことになっ
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トニー滝谷(2004年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

紙芝居みたいな映画やったな
静かさは好きやった、唯一、宮沢りえの泣く演技だけがどうしてもそぐわないもののように見えたと言うか聞こえたけど
ラストシーンの電話をかけるところ蛇足な気がするなあ、でも父親の
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第三の男(1949年製作の映画)

4.7

話の筋は今でこそ王道かもしれんけど、影の効果とかアングルのこだわってる感じなんかに表れる演出の妙にめちゃ見入ってしまったな
随所に非常にいい塩梅にちらばめられるコメディも笑えるし、セリフそのもののテン
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アンソニーのハッピー・モーテル(1996年製作の映画)

4.6

アホみたいに笑った、、
ディグナン、最後本当に大きくなった感じがめちゃくちゃよかった
ファミレスでアンソニーが話聞かんとイネスが馬乗ってる絵描いてるところ腹よじれるかとおもった

大脱走(1963年製作の映画)

3.6

辛気臭くないのは良かったな
かっ飛ばすとこはかっ飛ばすしソロソロいくところはソロソロいく
実話を元にって言うけど、もはやその前説必要か?ってくらいフィクションやったのでなかなか戸惑いっぱなしやった
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晩春(1949年製作の映画)

4.7

作中、娘の世代のことを「今どきの若い人」とか「〜は旧式なのよ」みたいにいうセリフがちらほらあったけども、そういう謂わばガワみたいな要素が、この親子が協同する生活においてなんら実際的な問題でないように思>>続きを読む

ハードエイト(1996年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

開幕から漂う不吉な予感、その根源たる″裏表のない親切″がどこに向かっていくのか、意外性を求めてたわけじゃないけど、若干構え過ぎたようでラストは少し消化不良な感じがする
全員俺はバカじゃないって口々に言
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

4.3

この映画に端的にマイノリティ称揚的な価値観を見出すことも難しくないと思うけど(アンチ聖書、トランプ当選、主人公の見た目的な部分から)、そこにエリーと交わされた詩やエッセイに関する表現のあり方の会話も埋>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

いろいろ伏線的に意味を持たせられそうな設定や展開が多いのにそのほとんどが一面的な使い捨て
そのおかげで何がやりたかったのかもぼんやりしてる、物語に締まりがない
火事の中お父さんが、屋根から仲良くぶら下
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

4.1

映像の質感がいいなあ
気取り過ぎず嘘くさくない、嫌味のない等身大さ加減のおかげで、作中の登場人物たちに気付いたら感情移入してしまってる
それでいてみんな決して手放しで幸せって言えない状況なのにも関わら
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ジ、エクストリーム、スキヤキ(2013年製作の映画)

3.9

お芝居がみんな上手かつおしゃべりの特徴がキャストとすごいピッタリきてたから、彼らの会話に対して、「腹割ってる感出しつつもそれ建前ですよね」、ってこう素直にキャラそのものにツッコミたくなるようなむず痒い>>続きを読む

ハンターキラー 潜航せよ(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

脳筋映画やったな…
ロシア大統領、スーツ脱いだら威厳消え失せてた
潜水艦の重量感良かったけど、ほんまにあんなクイクイ移動できるものなの?
特殊部隊パート結構あっさりな気がして勿体無かったな、ロシア将校
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アメリカン・ビューティー(1999年製作の映画)

4.0

ケヴィンスペイシー、最初はすげえ情けなくて元々俳優としてこうやったっけ?とか思っちゃうくらいやったのに中盤以降のタフな彼はファッションはもちろん派手な変化なんて特にないのにも関わらず、完全に見違えるよ>>続きを読む

レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う(1994年製作の映画)

3.8

うーむ、全体的になんとなくギクシャクしてる感じしたな
ヒゲモジャで顔がよくわからんからてのもあるかもやけど、この監督の作品のただでさえ乏しい表情が、今作は確実に作品に影を落とすレベルで乏かった気がする
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ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)

4.2

児童売買が行われる社会的背景とか薄暗い景気事情、無責任な若者たちみたいなところに説教くさかったり、ひけらかすようなクローズ、アンサーがなかったのが良かった、あくまでそれらは舞台装置であって、他にはっき>>続きを読む

ミスティック・リバー(2003年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

過去に向き合った男と過去を居直った男がパレードを見守る中、過去に囚われた男が独り、冷たい川の中に沈んでいる…
もしもあの時、って会話が何度も出てくるけど正直、暴力的なまでにこの結末が揺るぎないもののよ
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理由なき反抗(1955年製作の映画)

4.5

父親の首絞めるシーンめちゃくちゃ良かった
ジェームスディーン、子供らで集まってる時は頼れそうな感じするのに大人がいる場ではすごく脆そうに見える、その二面性が魅力的
バズいいキャラやったからも少し深掘り
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

天安門事件のニュースにクローズしてる時点でコメディは控えめなんやろなとおもてたけど、想像以上にシリアスなお話やった
植物園のユリ?の花が枯れてるシーンはセリフなしでカットのみやのに迫力あったな…
可愛
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アメリカン・サイコ(2000年製作の映画)

3.8

僕からみたら表も裏も両方狂気って感じやったけどな
探偵さんは妄想狂のバッドサイドを担ってただけやったのか、なにかしら意味を持ってたのかがいまいちよく分からなかった
あと秘書の役割もなんかこうピンとこな
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愛しのタチアナ(1994年製作の映画)

4.1

こんなどーしょーもない男どもやのに全く不快じゃないどころか、彼らなにもしてないのに何か良い変化が起こるような気がしてしまう不思議(この場合は結果がどうだったかすら問題じゃない)
母性とか田舎とかロック
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街のあかり(2006年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ギャグもシリアスもちょっとベタな感じしたな、めちゃ笑ったけど…
最初にゴーリキとかロシアの作家に対する軽口みたいなところから始まるけど、ここらで示唆されるほんまの愚かしさとか絶望みたいな存在を作品の中
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

メキシコでのライブで何となく貫禄みたいなの出ててちょっと感動したな
追っかけのイゴールがあんな狂気じみてたのはなんか意味あんのかな
キーボードの人ほんまおもろい

過去のない男(2002年製作の映画)

4.1

バンドの演奏、あれみんな経験者じゃなきゃちょっと考えられないくらい細かいところがそれっぽかった
やっぱオウティネンの表情良いな…何でこんな目見開いてるのにボーッとしてる感じするんやろ
職にあぶれる映画
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LAMB/ラム(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ヨソの子(?)盗って育てて「これが幸せ」もクソもね〜やろ‼︎
て思いたいところ、弟やテレビの存在が絶妙に客体化されてリアル目線担ってて価値観の置き場が難しい
何かしらの神話、寓話のメタファーなんやろな
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ボーイズ’ン・ザ・フッド(1991年製作の映画)

4.7

物語の中で結構たくさん社会問題的なポイントが出てくるけどそれらに対する処方箋として、序盤に交わされる父親から息子への責任の教育論が終始一貫して意味を持ち続けてたのがすごい好きやったな
結末に向けての展
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ナイブズ・アウト:グラス・オニオン(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

コメディ調の軽いノリ故に物語が深刻になりすぎないことも大事なんやろけど、やっぱアンディに対して懺悔するようなやつが1人も出て来ず、結局自己を解放せよ的な無責任なアジテーションで終わるのはモヤモヤするし>>続きを読む

サイダーハウス・ルール(1999年製作の映画)

5.0

実の親に見捨てられたって生い立ちと、分娩・堕胎手術という命の選択の場面にまだ未成熟な青年であった彼が何度も立ち会っていたってバックグラウンドが、その後主人公に訪れるすべてのシーン(作中で言うところの″>>続きを読む

エクス・マキナ(2015年製作の映画)

3.7

シンギュラリティ前夜的なSF映画なのかなと思ってみたら、すげえ普遍的なフェミニズム映画でガッカリした
皮肉にもネイサンの言う通り、性別の要素を漂白してしまうとこの映画のメッセージは伝わらないやろうなと
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

これこれ!(ニチャア)できるくらいの思い入れと記憶がなかったからか(昔はウルトラマン好きやったはずやのに覚えてない…)、庵野的作劇におなじみの圧倒的極寒風に抗う術がなかった、なので結局、総体として面白>>続きを読む

アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

映画を観る前と後では砂漠の見え方が全然違うのがほんまにすごい
Nothing is writtenもアラブの衣装も何もない砂漠も全部空虚、空っぽに感じる
間違いなく中盤までは魅力的な存在なのに…
冒頭
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8 1/2(1963年製作の映画)

3.8

終始ずーーっとしゃべりっぱなしの映画でかなり疲れた…
結局映画そのものがフェリーニの内向的世界やからなのか、映画内における現実時間(そもそも現実を意識させる存在がほぼ皆無)とグイドの精神世界のスイッチ
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パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

なにこの映画…バケモンや…
「どの男の声も あなたなの」
はちょっとすごすぎる
良すぎる