otomisanさんの映画レビュー・感想・評価 - 28ページ目

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カルメン故郷に帰る(1951年製作の映画)

4.1

 何しろ戦後6年目だから。建前上、民主で自由で女性も解放でと称揚されるものの、昔から嗜み徳目とされた事はやすやすとは揺るがないし、みんなの心もそんな簡単に開かれるもんじゃない。そんな事は街場でも田舎で>>続きを読む

楢山節考(1958年製作の映画)

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 歌舞伎の舞台仕立てのこの映画。何をわざわざ劇中劇を組むかと不思議に思ったが、楢山行きの件まで来て、その遠回しにしたい、絵空事と割り切りたい気分が分かる気がした。こんな事ではないにせよ親をみおくること>>続きを読む

大地(1930年製作の映画)

4.1

 奇妙な映画だ。ドラマとして解りづらいし、劇映画でなく、動画で劇を構成したような雰囲気の何が狙いかよく分らない出来に面白いやら戸惑うやらだ。いや、セミヨン爺さんが大地に還るというなら納得だ。いいのがい>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.3

 いろんなことに目を奪われて映画の肝をつかみ損ねそうなひと品。
 そもそも名誉革命後、王位に就いたアンのスペイン継承戦争への取り組みが本筋の話なんだが、このアンに女官の、といっても王の金庫番である、マ
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大統領の陰謀(1976年製作の映画)

4.1

 TVで見たのだが当時も話題の映画だった。話自体はさして面白くなかった。なにせ、報道と官邸との攻防目覚ましいわけでも内通者の危機一髪があるわけでも無いので。むしろ打てば響く感じ、社内の空気の生っぽさや>>続きを読む

突然の訪問者(1972年製作の映画)

4.0

 何でこれを撮ろうと思ったか?誰が見たがるだろう。と言いながら見てしまったのはやはりエリア・カザンだから。
 マフィア相手なら証人保護とか受けられるんだろうが、弁護士さえ住所を教えてしまうのか。軽く教
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ハート・ロッカー(2008年製作の映画)

4.6

 評判の悪いアカデミー賞作品。なぜかと思ったら、一大国事、それどころか世界的大問題イラク戦争を変わり者の一米兵が私物化しているのがいかんと言うらしい。
 なるほど、変わり者ジェームズ軍曹はベテランの爆
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テルマ(2017年製作の映画)

4.2

 気味の悪い話で、強く願うとそのことが叶ってしまうと言う。勿論他人だから気味悪いので、俺がそうなら願ったり叶ったりだ。
 これを見て面白いと思ったのは、昔々の小説「ファイアスターター」と言うやつとの比
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シド・アンド・ナンシー(1986年製作の映画)

4.1

 昔は毛嫌いしてたものだ。音楽などとおこがましい。地震波と同列の迷惑物であった。ナンシーの後を追って死んだような話は耳にしていたが愚の骨頂と顧みた事も無かったのだが。
 年を取るとは不思議な効果がある
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皆殺しの天使(1962年製作の映画)

4.2

 敷居が跨げないシンドローム。上流人士から伝染る?
 ふつうの流れでそこまで行くと自然に譲り合ったり、ためらったり、呼び止められたり、話し込んだり、何かで気後れたりして、その先へ進めないのが、そこに見
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殺人の追憶(2003年製作の映画)

4.1

 英語の話なら人間こんなもんだよみたいな感じだったかもしれないが、韓国語だとことさら国辱的に強烈に感じられる。当時地元での受けはどんなだったろう?結局迷宮入りのこの一連の事件そのものよりも事件捜査のほ>>続きを読む

シビル・アクション(1999年製作の映画)

4.5

 今ひとつ帰趨のはっきりしない感じが気持ち悪いんだが、環境汚染が招いた病気で死ぬのは殺人にはならない訳だ。遺族は原因の当事者に謝れというが、元々それで済む問題なのか?発がん性物質の不正投棄不正処理自体>>続きを読む

EVE/イヴ(1991年製作の映画)

3.9

 突っ込みどころ満載にみんなおカンムリ。と言いたいところだが結構楽しんでしまえるのが映画のいいところ。で、こちらもご多分に漏れず外野の騒動多発な一件。思えば軍もコケにされたもんだ。
 とはいえ、アメリ
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タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら(2010年製作の映画)

4.1

 BRに入れたら、ビリディアナの隣りになって妙に気持ち悪い感じがしたが後の祭り。何でと言われると窮するが、映画はおもしろい。こうなると、登場人物の何人かはバカ死になんだが決して無駄では無いと慰めること>>続きを読む

ビリディアナ(1960年製作の映画)

4.1

 救いも様々で、生命保険は俺が死んでから発効、遺族が泣いて喜んで俺は救われる。で、どんちゃん騒ぎは記憶が無くなるまで120%有効、救われ感は人さまざまだろうが、翌日トラ箱で真っ青ならまだしも、落命すれ>>続きを読む

ホテル・ニューハンプシャー(1984年製作の映画)

4.4

 近年の朝ドラのようなというか、軽妙なのりというかそうで無いというか、高電圧低電流というか。冷涼な田舎の避暑地風の景色を背景に8人家族+犬が暮らしてましたとさ。背景の寒々に比べ、やけに熱量高めの面々が>>続きを読む

リービング・ラスベガス(1995年製作の映画)

4.4

 死人に鞭打つのも何だが、このアル中というのが気に食わん。死んどらんと治さんかい。治ったら治ったでスコア-1かもな。
 酔っ払いニコラスの信号無視にも動じないエリザベス。いつでも死ねる?酒に討たれ死ぬ
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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男(2017年製作の映画)

4.2

 たのしいチャーチルを通して、これがイギリスだと説いている観がある。「チャーチル ノルマンディーの決断」と合わせて見る事で、EU離脱で馬鹿か利口か知れない感じのイギリスについて、外野の諸君は百年のち如>>続きを読む

アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

4.1

 やれやれ。思った通りの食い詰め者。セレブの周辺にたむろしていれば、いつか何か良い事が転がり込んでくると夢見てる類のヤツの夢うつつ物語。かと見えて笑ってたのだが、最後はなんだ?向かいの家でヒモにでもな>>続きを読む

ハイエナ・ロード(2015年製作の映画)

4.2

 これは、軍師と前線の兵との判断のせめぎ合いについての話。コンピューター・探査・情報・通信技術の支えで後方の指揮指令が戦闘現場に常時介入できる事の良し悪しと現場に下駄を預けられなくなった戦闘の厄介さ>>続きを読む

シャーキーズ・マシーン(1982年製作の映画)

4.0

 音楽がいい。80年代だぜと、Japan is No.1だぜと、でも映画はハリウッドだなと、バート R.はさすがに日本じゃ無理だなと。
 ピーチツリーセンターがピチピチしてるアメリカは犯罪の宝庫で、麻
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それでも夜は明ける(2013年製作の映画)

4.3

 自由黒人といえば、わしらの世代では「ルーツ」の闘鶏名人チキン・ジョージに決まってる。こちらは一代の快男児。闘鶏師の才能と運で解放と富を得てクンタ・キンテの一族の命運の転回を図る。だから自由黒人とは「>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

4.0

 エヴァの運命やいかに。
 ろくでなし二人とエヴァの低体温的ぶらぶら行が、気の短い奴なら5分に編集してしまうところを90分まで展ばされた。ところがのびて薄まった余白にウィリーのだんまりやエディーの謎の
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ほえる犬は噛まない(2000年製作の映画)

4.1

 ずいぶん嫌味をかましたもんで、心当たりの学長やマンション管理人が赤面したろう。
 形態論?オーバードクターはどこでも問題だ。髪結いの亭主とはやり切れまいし、まして御犬様御用係ではな。とはいえ、ああや
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母なる証明(2009年製作の映画)

4.2

 踊って笑って忘れちゃいましたなんて映画だとは思いたくないし、忘れちゃえる人間を描いてもおるまいし、何をしようとドッコイ生きてるなんてしゃあしゃあとした者を扱ってはいないと思うしな。いつか然るべき時に>>続きを読む

モンスターズ/新種襲来(2014年製作の映画)

4.2

 アメリカの政治的課題の中で中東のイスラム原理主義組織の壊滅ならびに、地球外モンスター掃討は共に最大の重要性があり、派遣軍の行動は常に両者へ同時的かつ適切に即応する事が必要である。このため、作戦時の兵>>続きを読む

モンスターズ/地球外生命体(2010年製作の映画)

4.0

 人類一強が破れた時代のラブストーリー。タコの交接に触発されるようになるんだなあ。それとも、いわゆる馬鹿っプルならではの特異的共感なのか? いい絡みっぷりだ。
 もっとも、二人は愛を打ち明け合ったこの
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インドへの道(1984年製作の映画)

4.3

 けったいな話だ。インドの炎暑の中で言葉も通じない風習も違う大勢の人の中で一握りの英国人が現地人スタッフを従えて、現地政府を運営して特権的生活を送っている。そこへ司法官の婚約者としてアデルがやってきて>>続きを読む

HUNGER ハンガー(2008年製作の映画)

4.4

 刑務官レイモンドの昼食、アルミホイルを伸ばして畳んでまた畳む所作に、これがレイモンドの地かと偲ばれる。この人物もほどなくIRAのテロで死ぬ。話中、彼が我々に最も近い人物に感じる。レイモンドを殺害対象>>続きを読む

ロスト・マネー 偽りの報酬(2018年製作の映画)

4.1

 どこの選挙でも実弾が飛び交う。選挙事務所はいいカモだ。で、映画冒頭、盗んだ選挙資金を映画の終わりにまた盗み返して... 簡単に言えばこんな映画。ふつう痛快炸裂泣き笑い活劇仕立てのはずだが、盗み返すの>>続きを読む

ベニスに死す(1971年製作の映画)

4.9

 ベニスと言う言葉に夢物語の舞台、狭霧の向こうの波打ち際の都会を想像してしまった。そう、昔はベネツィアなどと生々しい呼び方はしなかった。
 作曲家でなく教授と呼ばれるGvA。調和を求めて平凡と非難され
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必死剣 鳥刺し(2010年製作の映画)

4.2

 殿を殺さなかったのは、(T-1)手が届かなかったから。(T-2)もともと側室刺殺の件での勘気を偽る事がなかったから。家老を刺したのは、(K-1)手が届く範囲内だから。(K-2)別家殺害の逆臣として討>>続きを読む

巴里の屋根の下(1930年製作の映画)

4.5

 誰かが東京の屋根の下に住む若い僕らは幸せ者と謳ってたが、巴里の屋根の下に住む若いアルべールは終始悲しげな表情で幸せばかりではない。映画全編を眺めるとそんな感じだが、中盤にかかってポーラを見初めた晩の>>続きを読む

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(2017年製作の映画)

4.1

 W紙が首都の地元紙から賞獲得を常に目指すような高級紙に躍進するきっかけとなった経緯がよくわかる。鵜呑みにしていいのなら。たとえば、トム・Hがメリル・Sに国防長官からペンタゴン・ペーパーズを入手すべく>>続きを読む

約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯(2012年製作の映画)

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 名張事件の再審請求で行きつ戻りつする裁判所の判断について、司法は何を狙っているのかと締めくくるが、東海テレビもそろそろその答えを示す番組作りに取り掛かってもよくないか? いろいろな冤罪事件の報道に触>>続きを読む

トリコ・トリ: ハッピー・ハロウィン(2018年製作の映画)

3.9

  煮物をこさえながら見てて、化けて出る深刻さの無いのにホーと思った。年取って情がベタベタつきすぎるのも考えもんだ。若いのもいいなー