otomisanさんの映画レビュー・感想・評価 - 30ページ目

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最後の脱出(1970年製作の映画)

4.4

 カムイ伝と並んで重荷になった。半世紀してまた見ようとは。あの当時親父の言ったことで、アングロサクソンの強みがよく出ていると。強力な国家体制を作れる一方で、危機に至れば、家族や使える者だけで固まって生>>続きを読む

それから(1985年製作の映画)

4.1

 森田芳光の「それから」になってる感じ。かえって漱石の饒舌の愉しみが抜けた呆然さが楽で結構。恋愛譚に止めたのは手堅かった。また、代助の優作の牙をむかないと柴犬のような感じでおかしかった。尾形イッセーを>>続きを読む

ザ・ファン(1996年製作の映画)

4.6

 ピッチャーなら最高のスラッガーと対戦したいものだろうが、こんな形になろうとは。これは野球にまつわる犯罪者、デ・ニーロの軌跡なのだが、凶行のクライマックスで不思議にも共感を覚えてしまう物語である。
 
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散歩する霊柩車(1964年製作の映画)

3.9

 なるほど、生業から外れ「生き仏」を載せて霊柩車が散歩とは。などと笑っていてはいけない。2日で死者5人の大惨事なので。もっとも最初の一人は勝手に死んでくれたのだが。
 もともと、ますみ狸に乗せられて強
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.2

 エクソシストを見たころは生意気盛りで、悪魔なんぞの手借りんでもワシらだけで人類充分滅びるんじゃぁなどと笑いのめしてたもんだ。明る暗い時代でな。その1年後これが撮られた。あの当時見ていたらどんな感想を>>続きを読む

ア・ホーマンス(1986年製作の映画)

3.9

 松田優作でなければ通らない強引さがいい。それだけで3.9

悪い奴ほどよく眠る(1960年製作の映画)

4.0

 野村芳太郎の「最後の切札」を見ていて、こちらを思い出した。
 「切札」の佐田と「悪い」の三船が重なったのだが、映画自体は両者裏表の違いがあって、1960年を印象付ける格好だ。
 佐田が女衒、詐欺師、
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おしゃれキャット(1970年製作の映画)

4.2

 公開当時既にアニメは過去のものと感じていたが、数秒の断片を見た感想を今も覚えている。独特の筆使いと造形がディズニーなのかと思わせた。それから半世紀もして再見となった。
 我が家は専ら犬派の血と見え、
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マリアンヌ(2016年製作の映画)

4.3

 欧州での戦争の敵の近さに緊迫を覚えた。
 航空機で数十分の敵地に工作をかける。ケベック人がパリっ子に扮してモロッコでドイツを騙す。ドイツ人がフランス女と偽ってケベック男と添い遂げる。ロンドンのナニー
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ことの終わり(1999年製作の映画)

4.4

 事実は小説より奇だそうだが、なるほど小説家のベンドリクスがこの不倫行を一番ありきたりに見ていた。もっともサラとヘンリーの二人が普通とは違うのだが。
 小説の中にしかいそうにないサラとヘンリーだが、こ
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ペイルライダー(1985年製作の映画)

4.1

 「知ったら何かが変わるのか」と問われれば、今なら「変わるぞ」の答えが何万何十万も上がるだろう。知れば新開発の糸口やら大儲けの切っ掛けが掴めると言う御仁だろうが、牧師が誰なのか問うたサラは牧師のこの返>>続きを読む

シャフト(2000年製作の映画)

3.9

 孤狼の血と二本立てで見たらえらくリラックスしてしまった。突っ込み処もくすぐりも満載で、あばたもえくぼ。
 感心したのはC.ベイルで憎っくき犯罪坊ちゃんと思いきや、途中随分ないじられようで、終盤の片づ
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孤狼の血(2018年製作の映画)

4.2

 図らずもこれを見る傍らで教皇が広島を訪れた報せを聞いている。戦争は人が起こす事で、終うのも人の手でなしおえねばならない、と報じていた。
 堅気の人を暴力団から守るため暴力団世界に深く根を張るも癒着を
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50年後のボクたちは(2016年製作の映画)

3.3

 直感的に湧いた思いを記したら、これ以上書けなかった。
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"あー"
"未だクソ"

"13歳児は御覧"
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エンドレス・エクソシズム(2018年製作の映画)

3.3

 次回、シェイは映画史上最強エクソシストとして登場するだろう。それが本作で死なず受傷しない理由である。“だれも私を止められない“ 対悪魔的に明るい話題だ。
 ただ、それに反して実に暗い映画で、ボストン
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白い家の少女(1976年製作の映画)

4.6

 年を取るとはこういう事か。ジョディの行状に孫の行く末を慮るような気分になってしまった。一連の酷い事件に動ずる様子もないジョディと、マジック小僧に気を許すジョディが同一人物である事に心が痛む。
 かか
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スパイ・バウンド(2004年製作の映画)

3.1

 虹の戦士号事件の後始末物語と勘違いして見たら、船を沈める以外全く別の話だった。当時は当局の手際の悪さや仏政府の騒動やらが笑いものにされる始末で、更に実行犯の処分(現役スパイが裁判にかかる)にも注目が>>続きを読む

デッド・リミット(1999年製作の映画)

4.0

 驚いたことにU.S.に対する反逆映画であった。細部の作りの問題は措くとして、テロリストを隠れ蓑にした身代金窃取とは。
 驚くのは反逆行為そのものでなく、この事件が追及される事なく物語が終わることに対
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ボーダーライン(2017年製作の映画)

3.3

 やけに短いので受信障害かと思って覗いてみたら、女っ気が無くて何となく納得。一人だけフィリピーナが映ったと思ったら直に海に沈められて、事によると女の出番を全てカットした結果の69分かと。
 なるほど主
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コンビニ・ウォーズ バイトJK VS ミニナチ軍団(2016年製作の映画)

3.8

 「おお、加奈陀」合唱で締めたからと言ってカナダ誉めではあるまい。
 J.デップの親ばか映画の「ヨガ馬鹿」と聞いて、これでデビュー(?)では娘の方はさぞ迷惑だろうと思い面白がって見た。が、どうしてどう
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最後の切札(1960年製作の映画)

4.1

 戦災の余燼を微かに感じる。というと大げさかもしれないが、佐田啓二の裏稼業崖っぷち。やっと引き当てた大きなヤマで敵と刺し違えて、と言うとこれも思い入れが深すぎ。しかし...
1925年 東京神田の裕福
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フリービーとビーン/大乱戦(1974年製作の映画)

3.9

 ふざけた映画と思いきや、妙なピカレスクに腹八分目。
 CSで町山解説の貶してるのか褒めてるのか分らん感じに、なんじゃと思ったが、見て納得。
 主人公二人の苛斂誅求ぶりは実にはた迷惑だが、劇としては中
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夜明けまで離さない(2018年製作の映画)

4.2

 ポルノ映画と思ったら違った。太かおなごの物語。なぜかどこかの方言になってしまう。
 このおなご、美咲(宮地真緒)は店の若いコに警察のイヌと言われても、ねじ込み奥さんが子供のけんかで捻じ込んで来ても、
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しあわせの雨傘(2010年製作の映画)

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「フランスのおっかさん」映画
 ホームドラマと思いきやえらい展開になって、社長夫人(壺)→社長→国会議員とのし上がり、あと1時間あったらドヌーブ大統領になってるのでないか?
 懐も深い。息子の実父が夫
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ブラインドネス(2008年製作の映画)

4.4

 何が起ころうと人の習性は変わらないもんだとしたら?
 急に視力がなくなって、それが感染性で拡大的と疑われ、原因も治療法も分からないとなれば、関係機関による患者の扱いは囚人以下まで落ちるのだ。この点、
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女殺し屋 牝犬(1969年製作の映画)

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雌犬はどこに出てきてどこに消えたやら。

今思うと、同じ時代に峰不二子が現れたわけで、おぉと唸ってしまう。
それで、不二子なら電話で報復を告げない。
愛人、美加は当て落とす。
空港会見室でグラスを取る
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日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)

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 この映画が初めてテレビ放送されたのは1970年代半ばだったと思う。放映の後にゲストとして日本放送協会の館野氏が生出演して語ったことを思い出す。
 その中で氏は、15日早朝放送会館を訪ねた畑中少佐につ
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華氏 451(2018年製作の映画)

2.0

 トリュフォーの頃には文学作品は口伝えで残すしかなかったが、半世紀以上たつと遺伝情報に置き換えてヒヨドリにばら撒かせるのか。いかにも今風だが何か引っかかる。
 引っ掛かると言えば、モンターグは最後どう
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男はつらいよ 寅次郎紅の花(1995年製作の映画)

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 久々のとらやの居間で、寅がりりィの話に釣られて、結婚の2度や3度と口走る。出まかせなのかホントなのか。知りようのない30何年間に妙に気が回ってしまった。そのあとで、ああ、これは作り話なんだっけと正気>>続きを読む

ステラ・ダラス(1925年製作の映画)

4.2

 娘を名門に嫁がせようと言うと、シカゴのりんご売りのおばさんと助け舟を出すギャング達の話を思い出す。欧州貴族の令息を力技で騙しきり、二人を欧州へと見送って娘には二度と会わない覚悟でも、いつもの日々に戻>>続きを読む

悪の法則(2013年製作の映画)

4.2

 どうにも気になるのは弁護士は死ぬのか助かるのかどっちなんだろう。話の終わりで弁護士の下に細君の殺人ビデオディスク(たぶん)が届く。こいつを見て麻薬組織の芯からの共犯者になれ(話半ばでブラピが漏らして>>続きを読む

縞の背広の親分衆(1961年製作の映画)

3.4

 特別ほめる事もないが、くすぐり満載、落語のような侠客もので可笑しかった。下馬評ではえらく不人気そうなのにスコアが3もあって、このちぐはぐさに興味が湧いてしまった。笑いのツボがちがうんだね。
 侠客も
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黄色いさくらんぼ(1960年製作の映画)

3.4

 見るつもりなかったのだが。たまたま古畑任三郎を見ていて、任三はゴールデンハーフのファンクラブメンバーだと聞いて、黄色いサクランボを思い出したところ、なんと翌日当の映画を流すではないか。しかも>>続きを読む

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)

4.5

 死者1名、実弾2発、無法者との対決、流血(ヒル撃退)に野宿ありの小冒険のあと、日曜の早朝の4人の別れ際が良かった。二日前には、いつかおん出てやる田舎が、この時、のちのちここを巣立ったと追懐できる場所>>続きを読む

男はつらいよ 浪花の恋の寅次郎(1981年製作の映画)

4.1

 玄人女相手がなかなか良かった。ただ、慶子は久作の求愛を受けて寅に会いに行くものかな?
 木賃宿で、寅は男気から慶子に背を向けたことは判ってただろうに、そのまま行きずりの恋では済まない気持ちがあったん
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ブルーム・オブ・イエスタディ(2016年製作の映画)

4.6

 敗戦後しばらくはナチズム傾倒を反省する機運は強くなかったらしい。ところがナチス批判が強まるにつれ、元ナチス関係者の子や孫たちが親や祖父母を告発する事が珍しく無くなってしまったという。またナチズムへの>>続きを読む