キョンキョンと土屋さんのナレーションが実に良い。今まであまり興味は無かったが、浅草の劇場にも足を運んで見たくなった。塙さんが草野球のユニフォームに絡み若手を叱り飛ばしているところがツボだった。離婚して>>続きを読む
前作では若干コントのように感じた井浦新の若松監督演技が今回は全く違和感なく完璧だった。焼肉屋での4人のやり取りにはまるで自分もそこに同席しているかのように笑ってしまった。
金本の目つきがいい。彼女が井>>続きを読む
どこまで堕ちれば終わるんだという負の連鎖が実に辛かった。登場人物誰ひとり幸せな瞬間の描写がない究極の絶望劇。唯一主人公が希望を託した息子との再出発をも結果的には自らが無きものにしてしまう容赦なき展開に>>続きを読む
一度は封印した忌まわしい過去に向き合い告発に向けて突き進む主人公を遮る様々な壁が胸糞に悔しい。映画は主人公に完全勝利を与えない。安易に我々をすっきりさせない。それはまるで我々に告発の続きを委ねているか>>続きを読む
当初「これって結局‥」的に身震いする感じのミステリーを想像していただけに中盤からの直接的なホラー感に若干テンションが下がってしまった。横溝正史の世界に突入後のあの人の登場には驚かされたが。ボランティア>>続きを読む
ダイアン•キートンとリチャード•ギアのこんな風に歳を重ねたい大人たちとしての完成度が凄い。元気なスーザン•サランドンも見ていて嬉しくなる。今、劇場でかかっている「テルマ&ルイーズ」で若かりし彼女をチェ>>続きを読む
アカデミー賞受賞作品を後追いする時間があればこの映画を見ろと叫びたくなった。日本映画はゴジラだけじゃないぞ。手に汗握るサイコパス合戦に痺れまくり。序盤の偶然目撃のくだりだけでも充分面白いがほんの入口エ>>続きを読む
最初から最後までどの場面を切り取っても決まりまくる画を坂本龍一のあの独特な音楽が妖麗に運んでくれた160分に酔いしれた。傀儡という言葉は溥儀が教えてくれたと言っても過言では無いが、傀儡状態における彼の>>続きを読む
革命と性愛の描写が作品の主役を譲り合っているかのような消化不良感を覚えてしまった。音楽を使うことなくあの時代の空気感がしっかり伝わってきただけに残念。
恐ろしく退屈な前半2時間と、恐ろしくわくわくさせられた後半1時間だった。タオルで顔ゴシゴシされるのは実に気の毒だった。
ジャニス•ジョプリンの如く全身全霊で生き最盛期の27歳で人生を全うしそうなミソの描かれ方そのものが哀しすぎるミスリードであった。泣けて泣けてしかたなかった。
まずはつい最近2020年までご存命であった事に驚き。そしてあらためて1950年代当時唯一無比の強烈な歌唱法やステージング、セルフプロデュースなど、リトル・リチャードの功績を再認識。本当に凄い人だ。ビー>>続きを読む
無駄を省き手短に且つ大事な事は全て浮かび上がる素晴らしいロードムービーだった。リリー•フランキーが例の如く素晴らしい。木村多江との夫婦役も十数年前のあの映画と地続きのようで違和感なく伝えてくれた。イギ>>続きを読む
裁判ってあんなに人間を浮かび上がらせる場所だったのか。彼女が有罪•無罪それぞれ念頭にこの映画を2回観てみたい。真相そのものよりも結婚生活の残酷が染み渡る。心底独身で良かった。（新宿ピカデリー）
中盤までのわかりやすい展開に楽勝感を覚えて油断してはいけない。斉藤由貴のラスボス感に酔わされた後のあれが辛かった。
フェミ映画なんて言葉が無い時代の作品なのに、現代のどのフェミ映画よりもその本質が刺さる実に頼もしく力強い映画。
タイトルが最も好演。次はポスターの加藤小夏さん。つまり最高の出オチ映画。小野真弓との再会は想定外のボーナス。
夢っていつもこんな感じ。映画館の席を立つ際に夢から覚めた感じ。どんな話だったか思い出そうとしてもみるみるうちに忘れていく感じ。それで良い。（ TOHOシネマズ新宿）
これまでマリーアントワネットの物語の中で描かれたジャンヌが主役として配置された際に生じる視点の拡がりを感じるだけでも価値ある一作。あのキツツキのような高速後ずさりは実在したのだろうか。（キノシネマ新宿>>続きを読む
株に詳しい人もそうでない人も楽しめる実話エンタメの鏡のような映画。弱者が強者を振り回す話は題材がなんであっても面白い。忘れかけていたコロナ禍の頃の雰囲気が身体の隅々から蘇る。そういう意味でも観るなら今>>続きを読む
四半世紀に渡る主人公の容姿と気持ちの変化を見事なまでに演じ分ける高峰秀子の超女優力にいつもながら感服と感動。最高に憎たらしい仲代達也と最高に清々しい佐田啓治を交えた愛憎劇に彼らの子どもたちも絡むドロド>>続きを読む
空気を読むとか同調圧力なんて言葉がなかった約70年前も日本人って本質的に全く今と同じだった事を痛感。実際に静岡県で起こった事件をほぼ一年後くらいに上映する当時の日本映画のスピード感にも驚き。さあ、言い>>続きを読む
どのページをめくっても岡田茉莉子の喜怒哀楽と憂いが横たわる贅沢なスクリーン読書に酔いしれた。なんであんな男に？という問いには絶対に答えが出ない、いや要らない本当にザ•純文学な映画。（神保町シアター）
なんという優しい映画なんだ。とにかく主演ふたりの距離感が最高すぎる。部屋を行き来するようになっても決して男女の関係に進まず、片方の転職によって離れ離れになるところも涙ながらの云々も一切無しのサラサラに>>続きを読む
①は被害者遺族視点。カルーセル麻紀演じる父親は男である事の贖罪からのあの転身か。ラストの叫びが図太く心に突き刺さる。③は被害者視点。前田敦子の彼女即ち三島監督への憑依ぶりが凄まじい。一見関連ないように>>続きを読む
吉高由里子のどんな役にも同化する役者力には毎度感服させられる。特に世間知らずの若きいや幼き頃から、闘争心の塊の成人完成期への変化は魔法のよう。永山瑛太の無念しかない死に様は、同じく彼が重要人物を演じた>>続きを読む
冒頭導入部からのお見合い、どこか不穏な新婚生活、謎の女性登場あたりまでは緊張感に浸れたが、中盤からの何をしたいかわからない迷走感が非常に長く感じてきつかった。橋本愛と仲野太賀はしっかりと素晴らしい仕事>>続きを読む
虐待シーンは今では絶対に映像化出来ない残虐さ。子役たちが皆棒読みなだけに余計に惨さが伝わり息が苦しかった。東京タワーで良子は確実に父親の顔を見た。利一が父親を「知らない」と言ったのは彼を庇ったのではな>>続きを読む
梶芽衣子の美しさに釘付けだった。ほぼ言葉を発しないだけに余計にそれが際立っていた。田村正和とはボニー&クライドのような逃避行で突き進むかと思いきやまさかの途中解散に驚き。細川俊之の全般に渡るあの粘着感>>続きを読む
似たものどうしだから反発しあう。良かれと思って空気読めずにひたすら前に出る母と息子がそれぞれ全く自分の意のままに進んでいない事に気づき落ち込んで初めて放題の状態に。なんと押し付けがましくない家族の歩み>>続きを読む
実にズレ心地よい映画。最初は変な人2名と思いきやあと2人も同列だった。むしろ最初の2名が徐々にまともに見えてくる不思議。ずーっと、あの会話をゆるく浴び続けたい。現時点、誰も代替えできない中島歩に拍手。
犯人探しがゴールではなく、そこから隠れていた人間ドラマが染み渡る東野スタイルに酔いしれた。演劇の多重構造が実に効果的に作用していた。岡山天音のトリッキーな存在感は邦画会の至宝。（ TOHOシネマズ新宿>>続きを読む
劇中何度も発せられる「不死身の杉元」という言葉に説得力を持たせるのに充分過ぎる冒頭の二百三高地における杉元の無双ぶりが凄まじい。これから始まる物語の入口として各キャラの自己紹介的な章であったがまんまと>>続きを読む
桜井よしこさんが戦争に行く行かないで不思議なコメントを出されていたが、そういうご時世だからこそこういう映画がロングラン上映される意味があるのだなと痛感。ファンタジーと言われてもかまわない。もっともっと>>続きを読む
90歳近くになっても達観する事なく、映画の中で自分の分身の情けなくも憎めない物語を繰り返し創り続けるウディ•アレン先生のブレなさに不思議なチカラを貰えた。伝説の映画名人オマージュてんこ盛りのなか我が国>>続きを読む
