Haruyukiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

Haruyuki

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アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

3.9

美術も素敵で、全体的に素敵な感性だなと思いました。なので、観ているときはいいのだけれど、後味として、なんでだろうと思うところも多数。まあ、題名をはじめ。
全体に、もう少し「辻褄」的なものが欲しいかな。
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こんにちは、母さん(2023年製作の映画)

3.7

楽しく拝見したが、何かもう一つ味付けが、という気もした。日常生活の中で一生懸命やっててもつらいこと、たわいもないけれど幸福なこと、そんな小景を描くのは、この監督のお約束の味わい。それが物足りないと感じ>>続きを読む

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

4.0

大正、といっても震災後なのでほとんど昭和だが、この時代がいま共感されているのかもしれない。災害の後、という意味でなく戦争の前、ということだとしたら嫌なことだとは思うけれど。
 それは共感というより、む
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春に散る(2023年製作の映画)

3.9

物語は予想どおりに展開したが、キャストがそろっていたせいか、感動できるドラマとなっていた。主人公の最後の試合における精神状態は、4年前のWCラグビーで日本がスコットランドと戦った時のことを思わせた。こ>>続きを読む

交換ウソ日記(2023年製作の映画)

3.9

 退屈しなかったのは、物語が古典的な作法によっているからだ。恋愛にいたる人格交流において、言語によるコンタクトとリアルおよびヴィジュアルによるコンタクトの間にある隔たり。これを利用した物語といえる。 >>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.0

宮崎アニメをもう一つ見たいと思っていた人にとっては、「そうそう」「これこれ」という喜びがあった。監督がやりたいことをやりたいようにやる、というコンセプトかと思われるし、それでよかったのだと思う。監督自>>続きを読む

屋根の上のバイオリン弾き(1971年製作の映画)

4.4

ユダヤ人がトラディションに生きているという、その重さ。負わされた運命を受け止めて生きる力のすごさ。世界の価値の変動の中で、人間にとって何が普遍的なものなのか、感じるところが多かった。
ジョン・ウィリア
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

いつもながらの宝探しの大冒険、大いに楽しませていただいた。
物語の現在の設定は1969年くらいになっているのかと思われるが、だとすると、大戦後25年位ということになる。ジョーンズ博士の零落ぶりを描きた
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ルナ・パパ(1999年製作の映画)

3.7

夭折した天才監督の作品だとかで、拝見しました。確かに、凡人には作れないものかな、という感じはありました。

青春ブタ野郎はおでかけシスターの夢を見ない(2023年製作の映画)

4.0

受験や、カウンセリングのリアルが少し足りない感じだったけど、なんか、現代の思春期のリアルはあるような気がした。他者の視線と自我意識、そういうことに自覚的になりながらも、模索を続ける壊れやすい心。

ウエスト・サイド物語(1961年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

アニタを演じたリタ・モレノがアカデミー賞だったという。このドラマの中で一番演じ甲斐がある役なのだから当然でもあろう。この物語では人種、世代、社会、ジェンダー、そして、さまざまな二項対立がふくまれる。ア>>続きを読む

屋根の上のバイオリン弾き物語(2022年製作の映画)

3.9

本編を観たくなりました。ユーゴスラビアでの撮影など、時代を考えさせられる内容でもありました。

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.9

さまざまなルーツを持つスーパーヒーローとその親戚?の大集合。中で悲劇のスーパーウーマンは、どう見ても日本由来の戦闘美少女の系譜(混血)と見た。

リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.8

映画館の罪かもしれないが、どうも画面が暗く、期待したほど美しさを感じなかった。冒頭のアンデルセンの言葉の引用が印象的だったが、物語がそれに答える美しい悲しみを表現できていないのは残念だった。

怪物(2023年製作の映画)

4.3

上質の映画だとおもう。
小学生のリアル、無残かつ美しく描かれていて、素晴らしいと思ったが、さて、本当のところ(リアル)どうなんだろうか?と思ってしまう。
知り合いの小学校教員に連絡し、映画の感想を話し
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銀河鉄道の父(2023年製作の映画)

4.3

映画として素晴らしい、かどうかわからないけれど、宮沢賢治が嫌いでない人間にはよく響く作品なのでは。とりわけ、妹・「とし」がよかった。
 「永訣の朝」は教科書に載っている詩だ。最近はどうかしらないが、大
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仕掛人・藤枝梅安2(2023年製作の映画)

4.1

安定のエンタテイメント。豊川梅安、愛之助ひこさん、悪くない。
それにしても、江戸の人は随分おいしものを食べていたんだな、と思ってしまう。というか、どんな時代も食いしん坊はいたということなのか。要するに
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TAR/ター(2022年製作の映画)

3.9

ついついひきつけられて、3時間近い上映時間を飽きずには見られた。観られたのだけれど、なにしろ、よくわからないことの連続。難解。ドイツ語英語、字幕の出ない部分も多かったように思う。画面も暗い。「?」の連>>続きを読む

パリタクシー(2022年製作の映画)

4.0

パリ周辺の地名を知らず、土地勘がないので何ともいえないのだが、そんないつまでも走っていていいのか?と心配な気持ちになった。でもまあ、とりあえずいいお話しで、満足。
というか、役者の力かもしれないが車内
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聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)

3.8

壮大な物語のBegininng楽しませていただきました。修行の部分がもう一つ物足りない感じでしたが、主人公を日本人が演じる必然があるのか?と疑問にもおもったが、それほどの違和感はなく、健闘であった。

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

3.8

ゲームを全く経験しなかった人間がみるとどうなるか。という興味で鑑賞。感動したり、楽しんだりはあまりできなかったが、何しろいろいろな発見があり、退屈しなかった。ゲームリアリズムとでも言いたくなるような、>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.2

庵野秀明監督、さすがです。日本のサブカルが何を作ってきたのか、はっきりと見せてくれたように思いました。オタク文化といってしまえばそれまでだけれど、言葉、ヴィジュアル、物語、それぞれに庵野監督が「これが>>続きを読む

山海経 霊獣図鑑(2022年製作の映画)

4.0

中国の古典ネタなんだけれど、なんだか自由で変なにおいがしなくて、ともあれ楽しく鑑賞。漢字文化圏で、いろいろ習ったりしていると、「え?それってアレか?」みたいなばっかりだけど、「知ってること」下敷きのネ>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

4.3

本当にジャズが好きで演奏もされたりするかただと、違和感もつところもあったかもしれない。18歳で、という物語の設定に無理を感じることもあったかもしれない。私の場合はジャズはやらないので、今回は純粋に音楽>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.2

アニメは漫画の世界では「戦闘美少女」はすでに定番キャラとなっている。この映画の主人公そうしたキャラクターとは違うようだ。でも、素敵なことはこの上ない。言葉のない主人公を演じきった岸井ユキ、すばらしい。>>続きを読む

仕掛人・藤枝梅安(2023年製作の映画)

4.3

池波正太郎の作品世界の魅力を十分に思い出させてくれた・・・というか、この架空世界を作り出した作家の想像力のすばらしさに改めて脱帽したというべきか。

イニシェリン島の精霊(2022年製作の映画)

4.0

映像が美しく、100年前のアイルランドの離島の暮らしがなんとものどかで美しい。カトリックの国柄はプロテスタントの英国に比べて楽天的で温かさのあるものだと聞いていた。その通りだと感じた。
そこへ、である
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モリコーネ 映画が恋した音楽家(2021年製作の映画)

4.2

音楽は夙に言葉とは結び付いている。歌詞のある歌。しかし、オペラやバレエというビジュアルも含んだ芸術を、モーツァルトをはじめ歴史上の大作曲家が情熱をもって作ってきた。つまり、音楽とビジュアルはすでに結ん>>続きを読む

金の国 水の国(2023年製作の映画)

3.8

 多国籍料理を思わせる美術設定?1000年以上前という仮想空間をつくるにあたり、水のない国、富が流れ込まない国をどう描くか、難題だったかと思われる。どちらかといえば日本料理とか、イタリア料理とか、統一>>続きを読む

かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.1

やはり原作がしっかりしている、ということでしょうか。なるほど、という感じ。
しっかりしている、というより、空想力の大きさ、自由さが心地よいものでした。先日みた「月の満ち欠け」と類似の仕掛けとも思われる
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月の満ち欠け(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

私は結構信じている方です。
 問題は、その記憶は、年齢とともに薄れていくものだ、という現実です。高校生くらいになって、この話くらい明確に記憶がのこっていると、それはちょっとリアルでないし、結局それゆえ
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

3.8

スラムダンクの世界に初見参。
90年代の原作の主人公が桜木花道で、今回2020年代の作品では宮城リョウタが主人公、というのは時代の必然を感じる。
現在の高校にはいわゆる「ツッパリ」や「不良」的に目立つ
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母性(2022年製作の映画)

3.7

「母性」というものを、だれもが普通に持っているものではなく、むしろ不可解なものだという認識は、作家が持つにふさわしいものだ。しかし、その不可解さを描くためには、むしろ共有できるリアリティーが必要だろう>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.3

美しい自然の映像によって「湿地」で生きることの魅力が説得力をもって描かれていた。対照的に陰惨な人間たちの関係(差別・家族)が悲劇の通奏低音になっている。なので、映像の力も感じるのだが、物語のインパクト>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.3

エンターテイメントの原点ということか!3時間超飽きることなく楽しみました。悪い奴はどこまでも悪く、いい者は最初から虐げられる。そして、「?」と思うほど死ななない。死んだと思ったら結局生きていた(らしい>>続きを読む