KAIRIさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

空白(2021年製作の映画)

4.1

それは、同じ道の上にある地獄


正しさなんてどこにもなくて、出てくる人みんな嫌なところがある

だけどこの世の中にダメなところ一つもない聖人君子なんていないし、だからこそのリアリティが映画を観ている
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ビルド・ア・ガール(2019年製作の映画)

3.5

"作っては壊すの、何度でもね"

ビーニーフェルドスタイン演じる16歳のジョアンナが、悶々とした日々を変えるために自らの妄想力と文才をフル活用して辛口音楽評論家として自分を作っていく

青春ど真ん中"
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護られなかった者たちへ(2021年製作の映画)

3.9

"この世界は思うよりも広く、あなたを気にかけてくれる人が存在します"


東日本大震災、生活保護の闇をテーマに宮城を舞台に描かれる社会派ミステリー

序盤はミステリー要素強めだけれど、段々と社会派人間
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

3.7

妻の描く不倫漫画は真実なのか?

漫画と現実が交錯し、嘘と本音、復讐と愛が入り混じる...

頼りない夫と本音の見えない妻、二人のやりとりに翻弄されながら進む物語。サスペンスやホラーの要素もありながら
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.2

"僕は、正しく傷つくべきだった"


演劇の舞台と赤い車SAAB900turboの中で流れるように紡がれる物語

凄い、という言葉が合っているかはわからないけれど、確かに何かを自分に受け渡してくれる作
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鳩の撃退法(2021年製作の映画)

3.5

"閏年。余計な一日があると、余計な事が起こる"


主人公、津田が書き記すその小説は果たして虚構か現実か...

ミステリー小説の構造をそのまま映像化しました、みたいな映画でした。
前半からあらゆる場
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君は永遠にそいつらより若い(2021年製作の映画)

3.7

"人ってさ、朝起きて歯を磨くみたいにスッと死ねるんだよ"


大学生から社会人へと移行しようという時期のどこかで繰り広げられているだろう日常とコンプレックス
代えることの出来ない存在との出会いや別れ、
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アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.8

"この国のひとは飲んだくればかりだもの"


哲学者 フィン・スコルドゥールが提唱した「人間は血中アルコール濃度が0.05%足りない状態でいる」という理論から生まれた仮説をうだつの上がらない高校教師4
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うみべの女の子(2021年製作の映画)

3.7

暗くて、鮮やかでも華やかでもない、湿度の高い青春の物語

原作の浅野いにお作品の持つ、形容しがたい仄暗い何かが物語全体に覆い被さっているようなあの空気感。それをそのまま形にしたようで、だからこそ好き嫌
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孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.0

"なんもかんもぶっ壊れりゃええんじゃ!!"


これは警察対ヤクザ、正義と悪の闘いなんかじゃなくて

狂気と凶気のぶつかり合い

タイトルの通りバイオレンスさをはじめ前作から映画のレベルがぶち上がっ
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サイレント・トーキョー(2020年製作の映画)

3.2

"勘違いするなよ これは戦争だ"

渋谷の爆破シーンなどひとつひとつのシーンは凄いこだわりがあって丁寧に作ってる感じがする

けど全体で見ると少し雑な感じも否めない

観ていて思ったのは

恵比寿で
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コーヒーが冷めないうちに(2018年製作の映画)

3.5

"たったコーヒー1杯分の時間でも、心は変わる"


とある喫茶店でコーヒーを飲みきるまでの束の間の時間、そのあいだだけ時間を飛び越えることが出来るというタイムリープもの
タイムリープで過去を見つめなお
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ぼくらの7日間戦争(2019年製作の映画)

3.2

ぼくらの7日間戦争

夏休みに観るのにはちょうど良い爽やかさの映画

テンポ感は良いけれど、ちょっと話が急展開すぎてついていけなくなりそうになるところもあるけれど、クライマックスのシーンは綺麗だし、ひ
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べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.0

"ははーん、これちょっとヤバいやつだな"

女の子2人の"日常系"殺し屋映画
ふわっふわにゆるくて、最高にクール

ストーリーパートを日常系の漫画家さんが担当した格闘ゲームみたいな映画で、ガンアクショ
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フリー・ガイ(2021年製作の映画)

4.0

"いい日ではなく、素晴らしい日に!"


ライアンレイノルズ演じる銀行窓口係の"ガイ"はオンラインゲームのNPC。ドラクエでいうところの村人A、つまりモブキャラ。
毎日毎時間、銀行強盗に襲われる平凡な
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サイダーのように言葉が湧き上がる(2020年製作の映画)

3.6

葉を紡ぐ ハジける泡と 花が咲く


俳句×レコード×青春 映画!

コミュ障な俳句好きな少年チェリーと矯正器具を隠すためずっとマスクをつけている少女スマイル
ふたりと個性的な仲間たちが織りなす、ひた
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東京リベンジャーズ(2021年製作の映画)

3.9

日和ってる奴いる?いねえよなぁ!


原作未読!アニメも未視聴!
キャラの名前を一人も知らない!

そんな状態で見たはずなのに、なぜか「吉沢亮はハマり役」と思ってしまいました

そして映画としてシンプ
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ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.8

“It's true./私を信じて"

言わずとしれた、怪獣の王が対決する映画。もう始まりから終わりまでずっとワクワクさせてくれます。

原始の人間がコングなのだとしたら、ゴジラが神話的存在で、メカゴ
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共謀家族(2019年製作の映画)

3.8

"映画を1000本も見れば、世界に分からないことなどない"と言う父親
vs
"1000の事件を研究すれば分からないことなどない"と言う警察局長

暴行をして撮った動画をネタに脅迫にやってきた加害者の少
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ザ・ファブル 殺さない殺し屋(2021年製作の映画)

3.9

仕事をする(殺す)ことを禁じられた最強の殺し屋ファブルの映画第二弾!

敵も違うし、基本の設定だけ知っておけば今作から見ても楽しめる!
だからナンバリングされてないのかも

タイトルの出し方からカッコ
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

-

「いい焼肉屋は、白いお肉が美味しいんだよ」


売れないフリーカメラマンと被写体になった女の子のサブカル青春キラキラ恋愛映画をポスターなどから想像していました

キラキラはしてなかった、かな

田中ユ
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夏への扉 ―キミのいる未来へ―(2021年製作の映画)

3.7

古典名作SF小説を映画化した作品

それゆえか、めちゃくちゃ真っ直ぐにSFしてる映画でした

物語の意外性みたいなのは少ない気がしたけれど、SFと聞いて「難しそう」ってイメージを持つ人でも素直に楽しめ
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Arc アーク(2021年製作の映画)

3.8

この映画では宇宙でのバトルもないしデロリアンにも乗らないしスーパーヒーローも出てきません。
宇宙やタイムマシンが出るようなド派手なSFとはかけ離れているかもしれないけど、これから歩いていく先に地続きに
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キャラクター(2021年製作の映画)

3.9

マンガをテーマにしたサイコサスペンス映画

面白かった!
Fukaseのサイコキラーの演技が想像以上によくて、初演技とは思えないほど!

ストーリー自体は予想できる部分はありつつも、ベタな展開には決し
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.0

極上のエンタメ体験がここから始まる


舞台装飾は客席側を除く三方を囲う鎖のカーテンのみでグレー一色というミニマルなステージ
グレーのシャツにセットアップで揃えた煌びやかさの対極にあるような衣装

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クルエラ(2021年製作の映画)

4.0

"私は生まれつき最高で 最悪"

70'sロンドンのお洒落な空気感を醸し出す美術
クールな音楽!テンション上がる衣装!
そして、ひりつくような感性と技術での殴り合い!


「101匹わんちゃん」の
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裏ゾッキ(2021年製作の映画)

3.9

「裏ゾッキ」これは映画「ゾッキ」制作の裏側を描いた、ドタバタドキュメンタリー映画

...なんかじゃなかった


もちろんゾッキを作る上で直面したさまざまな問題やそれを乗り越える様子、撮影地蒲郡市がど
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明日の食卓(2021年製作の映画)

3.6

"石橋ユウ"という同じ名前の子どもを持つ、3人の母親と家族の物語

描かれる家族の情景は三者三様
共通しているのは、子どもをたまらなく愛しているということ。だけど、その気持ちをちゃんと伝えられずにいる
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ファーザー(2020年製作の映画)

3.7

変わりゆく自分を自覚出来ないのは、どれほどの恐怖なのだろう


この映画はどこまでを伝えていいのかの線引きが難しい気がする
ネタバレを書くつもりはないですけど、映画を楽しみたいひとはレビューなんて読ん
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いのちの停車場(2021年製作の映画)

3.4

在宅医療の現場で紡がれるいくつかの命の物語

在宅医療と一言でいっても、そこにある物語は多様で、治療の選択、幸せな見送り方、小児医療、そして終末医療まで...

「命は誰のもの?」という大きくも強い問
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映画大好きポンポさん(2021年製作の映画)

3.9

「"普通"なんてつまらない言葉使ってんじゃないわよ」

映画プロデューサーである銀幕の申し子ポンポさんと映画オタクで監督デビューのジーンくん、新人女優のナタリー...たくさんの魅力的なキャラたちが織り
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.8

If anything happens I love you.
愛してるって言っておくね

セリフのない世界観で際立つ「音」

12分という短い時間で描かれる喪失と絶望、そして再起の物語

隔たる世界の2人(2020年製作の映画)

-

繰り返される死

人種差別の問題をループものとして描いた30分ほどの映画

全てはエンディングへと収束しメッセージを伝えるための手法のようだけど、問題提起の仕方としてこの表現は合ってるのかなって疑問は
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ミッチェル家とマシンの反乱(2020年製作の映画)

3.9

「ヘンテコ上等!!」

人工知能の反乱に立ち向かうのは、唯一反乱の手から逃げたヘンテコ家族!?
という、日本人には馴染み深い春日部の彼らみたいな座組みの家族が主人公

nyancatにTEMPURA
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