小雨さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

小雨

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涙するまで、生きる(2014年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

すこし前に観て記憶があいまいだったので、再度。
未読なのでどの程度カミュの原作に沿った作品になっているのか不明だけれど、荒涼とした景色がずっと眺めていたくなる美しさで、その中で、ひとびとの心のやりとり
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グリーンブック(2018年製作の映画)

4.2

マハーシャラ・アリがとてもいい。
この映画に対する批判があることも、その言い分も理解できるのだけど、とにかくマハーシャラ・アリが好きで、好きなひとがにこにこしていると嬉しくて、終わり頃たくさん泣いた。
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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

ワリエワのあたらしいFSがこの映画の音楽で、そもそもそんなもの悲しげな作品なんですかと思って観ようとしていたところ、クリストス・ニクが『林檎とポラロイド』の対談のなかでちょうどこの映画の話をしていたの>>続きを読む

ラン・ローラ・ラン(1998年製作の映画)

3.4

高校生のころ、映画好きの英語教師が授業中におもしろかったと言っていたのをなぜだかずっと覚えていた。
何となく忘れないことってある。
言葉でも。景色でも。

つくりのおもしろい映画ではある。
物語性をた
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戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

4.0

いいとかわるいとか、おもしろいとかおもしろくないとかじゃない。
「Merry Christmas, Mr. Lawrence」の旋律だけは永遠にわすれない。思いだすたびに、この映画のかわいた景色が浮か
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殺し屋たちの挽歌(1984年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

裏切った相手に引き渡されるべくつれてゆかれるウィリー・パーカーを演じるテレンス・スタンプの恬淡とした雰囲気にこころ惹かれるものがある。
かれが明るい表情で口にする以下のせりふが印象的。

「死は…」
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

3.5

わたしがデニス・ホッパーを知ったのはBJCの曲からで、かれらの楽曲のなかでもとくべつにあの作品が好きなんだけど、実際にふきとばされたのはピーター・フォンダであるという、ね。
みんなデニス・ホッパーがだ
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パレルモ・シューティング(2008年製作の映画)

3.3

デニス・ホッパーを確認したくて二回観ました。まんぞく。

カモン カモン(2021年製作の映画)

3.8

こどもを中心とした映画が苦手だ。
根本的にこどもの相手をするのが苦手で、あまり好きじゃないからというところなんだけど、たとえば『小さな恋のメロディ』みたいなときとして理不尽な大人たちの世界のいっさいの
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レオン 完全版(1994年製作の映画)

3.9

ジャン・レノの恰好よさ、ナタリー・ポートマンのかわいさ、スティングのお歌、もちろん作品としての完成度、やっぱりおもしろい映画だと思う。
いろんな部分でてきせつでなくても好きだよ。

彼女のいない部屋(2021年製作の映画)

3.2

うまく作られている作品なのだと思う。
でも好きな映画ではなかった。
マチュー・アマルリックは大好きなんだけれど。

コロンバス(2017年製作の映画)

3.7

建築と人間を描く作品として、とてもよい。
けれどもよいだけに登場人物の設定や描写のいちいちがすこし鼻につくところがあって、それは現実としての人間をうまく描けているということなのだろうが、わたしはどうし
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.0

この質感の映画をきらいなひとなんているだろうか。
ケリー・ライカートの作品は初めてだけれど、最初の数秒できらいな訳がないとわかる。
静かで、過剰なものはひとつもない。
必要以上に優しさや温かさを讃美し
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アフター・ヤン(2021年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

AI型ロボットになりたい。
ほんとうはそうじゃなくて、ヤンみたいな精神性を持ったいきものになりたいという気持ちなのだと思う。たぶん。
永遠には生きつづけない人工生命として、じぶんの役割に不満はなくて、
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キャラバン(1999年製作の映画)

3.5

じっと眺めてしまう映画。物語していないから、ある意味では観やすい。
ヤクがかわいい。

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018年製作の映画)

3.6

世界にはたくさんの人間が生きていて、一定の、孤独を生きるひとがいる。
天涯孤独であるとかお友達ができないとかそういうのとはすこし異なる、ひとと交わることができない質のひと。作家の堀辰雄とか、映画の登場
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

作品そのものもさることながら、特典映像の対談でケイト・ブランシェットが話していた以下のことばが印象深かった。

「本作が描いているのは──
多くの人がこの1年間 考えてきたことよ
“誰か私を覚えてる?
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つめたく冷えた月(1991年製作の映画)

3.3

ブコウスキーを読んでいないんだけど、まあこういう感じだろうと思う。
よさはわかる。そう感じられるか否かはともかく。

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

これは、こういうものだと思わずに観たわたしが悪い。
非常にアジアらしい湿度の高いノワール作品。まさか首が飛ぶとは思わなくて、おかしな声が出てしまった。

テス(1979年製作の映画)

3.0

ポランスキーは肌にあわない。
けど、これが合わないのは原作とその時代によるところが大きいかもしれない。
ナスターシャ・キンスキーはそれはそれは美しく、中でも終盤、最愛の夫と再会する場面、着飾って階段か
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シンプルな情熱(2020年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

ポルーニンが出演しているから観たのだけれど、徹頭徹尾はだに合わなかった。
ポルーニンだけがひたすら美しい。かれの目のかたちは本当にきれいだな、と思って眺めた99分。
このひとを撮影したいがための作品な
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マーティン・エデン(2019年製作の映画)

3.3

思ったより面白かった。
こういう作品のどこが苦手って、けっきょく愛を獲得するか否かということが終着点になる辺り。その点では、ひねた感じがちょうどうまく作用したかもしれない。
原作未読。時間を見つけて読
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狩人(1977年製作の映画)

3.9

やっぱりアンゲロプロスの長回しによる時間の描きかたとひっそりと重たい空気感が好き。
三時間はちょっと長いけれども。
眠気のなかで眺めたので、もう一度ちゃんと観たい。

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

つらい。
みているあいだ、ずっと息苦しくて、憂鬱で、じっとしているしかない。
その先の破綻をわかっているから、全てのことにさいわいを見いだせない。その上、さまざまな不幸や不運、それはかれ自身のおこない
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イブラヒムおじさんとコーランの花たち(2003年製作の映画)

3.3

悲惨さをあまり感じさせない描き方がなされているので、穏やかなやさしいお話にみえるけど、主人公の置かれている状況はぜんぜん笑えない。
映画において、親なんだからこども最優先で、なんて話はしたくないけれど
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セブン・イヤーズ・イン・チベット(1997年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

出来たひとに弱い。
まだ幼いと言っていい年齢のダライ・ラマが、時おり無邪気さを見せつつ、だれより世界の本質を理解していることに胸が詰まる。こんな美しいひとがいるんだろうか、と思うような。
礼節を忘れず
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