だまさんの映画レビュー・感想・評価 - 10ページ目

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殺人鬼から逃げる夜(2020年製作の映画)

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緊張感の連続でシンプルに面白い。不撓不屈という言葉がぴったりの決して諦めない主人公。あまりに可愛くて格好良くて惚れた。殺人鬼から逃げ回る設定に目新しさはないものの。主人公の魅力もあってぐんぐん引きこま>>続きを読む

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)

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良い意味で思ってたのと違った。繊細なテーマを丁寧に誠実に描いた秀作。“ゲイと腐女子”から“純と紗枝”の物語へ。本当は誰だって記号的な肩書きで語れる部分なんてほんの僅かで。大切なのは個としての相手を知ろ>>続きを読む

親愛なる君へ(2020年製作の映画)

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胸が痛くて涙が止まらなかった。主人公と祖母役の俳優さんが素晴らしくて。それぞれの感情が流れ込んできて。激しく心揺さぶられた。主人公はどんな気持ちでふたりと暮らしていたのだろう。息子を包み込む大きな愛と>>続きを読む

ボクたちはみんな大人になれなかった(2021年製作の映画)

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思い出すだけで胸がチクリと痛むような出会いと別れ。そんな痛みを繰り返してみんな大人になっていく。なりたい自分になれなかったとしても。上手く行かないことだらけのつまらない毎日を。それでもみんな精一杯に過>>続きを読む

コレクティブ 国家の嘘(2019年製作の映画)

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現実の重みに押し潰されそう。国家ぐるみの不正。腐りきった組織。内部告発者が示す数々の証拠。メディアの力。それでも変えられない現状。選挙に希望を託しても多くの人は無関心。見知らぬ誰かの苦しみよりも変化を>>続きを読む

パワー・オブ・ザ・ドッグ(2021年製作の映画)

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複雑な感情が絡みあう濃密な人間ドラマ。ローズ、フィル、ピーターと定まらない視点に翻弄される。彼らの心の奥が読み取れない。足元がぐらぐらするような感覚。事実は見えているけれど。その動機は容易に想像できな>>続きを読む

Red(2020年製作の映画)

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幸せな家庭。優しい夫。傍から見れば理想の生活。それでも拭い切れない違和感。塔子の感じている息苦しさが伝わってきて見ているだけで息が詰まる。何を選んでも行き止まりで。男たちのエゴに翻弄され抗えぬ深みへと>>続きを読む

トスカーナの幸せレシピ(2018年製作の映画)

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アスペルガーの青年と口は悪いが腕は一流なシェフとの出会い。無謀に見える料理コンテストへの参加。様々な経験をしてグイドが苦手を克服していく姿がとても微笑ましくて。全力で応援したくなる。影響を与え合って成>>続きを読む

アイの歌声を聴かせて(2021年製作の映画)

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幸せの意味さえ分からないシオンがただひたすらにサトミの幸せを願う。何度も繰り返される“今、幸せ?”の問いかけ。その痛々しいほどの献身に胸が締め付けられて涙が溢れた。シオンがあんな風に無垢なのは託された>>続きを読む

ペトルーニャに祝福を(2019年製作の映画)

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ペトルーニャに投げつけられる心ない言葉の数々。理不尽な仕打ち。誰もが自分のことばかり。彼女と向き合わない。彼女には価値がないとばかりに。胸が痛くて涙が止まらない。彼女を取り巻く社会は変わらない。それで>>続きを読む

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)

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確かにこれはテンション上がるやつ。途中から楽しすぎて笑いが止まらんかった。全く怖くないホラー。細かい突っ込みどころは諸々あれど。あれやこれやで存分に楽しませてくれたので大満足。勇敢すぎる妹と刑事さん最>>続きを読む

アイダよ、何処へ?(2020年製作の映画)

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家族を守るためなりふり構わず奔走するアイダ。あの極限の状況で他人を思いやる余裕などあるはずもない。それほど逼迫していることがひしひしと伝わってくる。人々の恐怖と混乱と絶望が胸をえぐる。なぜ誰も彼らを救>>続きを読む

ミス・マルクス(2020年製作の映画)

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もっと難しい話なのかと思ったら。人間味あふれるひとりの女性の物語に共感しまくり。弱者のために戦う聡明なエリノア。でも金にも女にもだらしない男から離れられない。そんな矛盾が彼女の心を蝕んでいく。情熱を燃>>続きを読む

モーリタニアン 黒塗りの記録(2021年製作の映画)

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錯綜する様々な正義。価値観を激しく揺さぶられ。瞬時に引きこまれた。人々の強い怒りと悲しみが報復を求める。国家による非人道的な行いが正当化される。だがもし彼が本物のテロリストだったら。自分はどう感じただ>>続きを読む

一度死んでみた(2020年製作の映画)

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軽ーい気持ちで見たら思いのほか楽しかった。うっかり2回も泣いてしまった。豪華キャストのムダ遣いをきっちり見せてくれるノリも好き。バカバカしさも満載ながら。割と真面目に“死”について考えさせられたり。最>>続きを読む

Fukushima 50(2019年製作の映画)

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エンタメ作品と割り切ればいいのかもしれませんが。自分には難しかったです。最後まで違和感が拭えませんでした。いまだ終わりの見えない福島原発の廃炉作業。現在も避難生活を強いられている大勢の人々。鑑賞中色ん>>続きを読む

復讐者たち(2020年製作の映画)

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ホロコーストを生き延びたユダヤ人たち。終戦後にも終わらない迫害。想像を絶する痛みや苦しみを味わった彼らに復讐なんて無意味だと言えるだろうか。自分が彼らの立場だったらどうだろうか。それでも復讐が生み出す>>続きを読む

シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018年製作の映画)

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不器用で実直で頑固で愛情深い男の物語。人から馬鹿にされても自分を貫いた彼の愛。彼を理解し寄り添い続けた妻の愛。離れていても父を慕い続けた息子の愛。大きな悲しみを抱えながらも沢山の愛に包まれた彼の人生。>>続きを読む

劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

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シンプルな原作の良さを活かしつつ。生身の俳優だからこそのよりリアルな感情。生きることの喜びや切なさが感じられる。相手を気遣って気持ちを隠したり思いを伝えたり。毎日を丁寧に些細なことを大切に暮らす。その>>続きを読む

由宇子の天秤(2020年製作の映画)

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ゆらゆらと揺れる由宇子の正義。その身勝手さに苛々が募る。でもそれは誰もが抱える弱さ。誰だって自分に都合の良い真実が見たいし。面倒なことからは目を逸らしていたい。正義を口にしながらも何より自分が可愛い。>>続きを読む

子どもたちをよろしく(2019年製作の映画)

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ラストまで見届けるのが辛かった。仮にも先進国と呼ばれるこの国の子どもたちを取り巻く現実。やり切れない。依存症で壊れていく親。自分を守る事で精一杯な親。親達にも助けが必要な現実。ではそんな親を持った子ど>>続きを読む

のさりの島(2020年製作の映画)

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悪意から始まった嘘が優しい嘘に包まれていく。まやかしだけど温もりの感じられる生活。ふたりとも過去の事情も不思議な行動の理由も今の気持ちも言葉では語らない。でも何気ないやり取りに思いが溢れている。静かに>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

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圧巻の映像と音楽を心ゆくまでじっくりと味わう。どこまでも広がる美しく過酷な砂の大地。そこに佇む人々の独特な衣装も素晴らしく。風に翻るその衣装の動きにさえ見惚れた。王道のSF世界でありながらリアルな質感>>続きを読む

サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)(2021年製作の映画)

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ソウルもゴスペルも詳しくないけど。猛烈に心揺さぶられた。スクリーン越しにも伝わってくる圧倒的な熱量と力強い祈り。開催に至る政治的背景など色々あるのかもだけど。あの会場に満ちている特別な瞬間は間違いなく>>続きを読む

ひらいて(2021年製作の映画)

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言葉にならない感情。抑えられない衝動。好きと嫌いの間で揺れる心。あの年頃ゆえの危うさと傲慢さと純粋さ。彼をめぐる三角関係から。彼を通して繋がった少女たちの物語へと続く。痛々しいほどに真っ直ぐな愛の行動>>続きを読む

ONODA 一万夜を越えて(2021年製作の映画)

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命令を守ることに捧げた人生。どんな情報も自分の妄想にあわせて捻じ曲げる。信じぬく力の恐ろしさ。終戦を受け入れることは自分の犯した罪を認めること。だから容易に受け入れられない。国家に洗脳された彼が戦争の>>続きを読む

返校 言葉が消えた日(2019年製作の映画)

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読みたい本を読む。そんな当たり前の自由が奪われた社会。この作品に感じる恐怖はホラー的なそれではなく。仲間の裏切りを疑い追い詰められ国家に殺された彼らの混乱と絶望。その感情を追体験する恐怖だ。小さな自由>>続きを読む

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)

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水俣の人々の闘いはもちろん。ユージン・スミスの再生の物語としても非常に見応えがあった。彼の瞳を通して写し出される人々の怒りと苦しみと悲しみに胸を抉られる。未だに終わらない人々の闘い。世界のどこかで今も>>続きを読む

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

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自分こそ正義と信じる男たちのそれぞれに都合の良い真実。妻の目線で描かれる男たちの身勝手さと愚かさ。同じ場面なのに印象が大きく変わっていく。どこにも逃げ場のない妻の人生。見ているこちらの息が詰まる。容赦>>続きを読む

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY(2020年製作の映画)

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話があっちこっちでテンポはイマイチ。でも男に精神的に依存して生きてきたハーレイがその呪縛から解き放たれていく姿がキラキラしてて好き。屈強な男たち相手に一歩も引かない肉弾戦の容赦の無さが笑えるし気分爽快>>続きを読む

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ(2019年製作の映画)

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主人公が最低のクズ。欲求を満たす為だけに女性たちを辱め殴り挙句に殺す。全てが行き当たりばったり。あまりに滑稽で寧ろ笑えた。だが同情の余地は欠片もない。社会の底辺で辛うじて生きる被害者たち。彼女たちが消>>続きを読む

サイコ・ゴアマン(2020年製作の映画)

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少女ミミの突き抜けた魅力が最高。人に迷惑かけようが何が起ころうが自分のやりたいことを全力でやりきる。超自己中だけどとっても可愛い。兄ルークも可哀想だけどやっぱり可愛い。特撮愛も溢れてて脳みそくんもとっ>>続きを読む

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。(2021年製作の映画)

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正統派オカルトホラーに謎解き要素をプラス。物語のテンポも良いし緩急あってハラハラドキドキを味わえる。後半からは悪魔との闘いよりも人の悪意と善意のぶつかり合いが軸となる。なのでホラー要素は薄めだけども面>>続きを読む

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実(2020年製作の映画)

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めちゃめちゃ面白かった。三島の言葉は非常に分かりやすくて。知識の乏しい私の頭にもすんなり入ってくるので聴き入ってしまった。とても魅力的な人物である事が短時間でも充分に伝わってくる。対する若者たちの初々>>続きを読む

母との約束、250通の手紙(2017年製作の映画)

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ユダヤ系の移民で母子家庭。差別や偏見との闘い。揺るがぬ誇りと確固たる信念。強烈な母の愛は息子を追い詰めたのかもしれない。それでもその愛こそが息子の人生を導いた。卑屈になるな。自分を信じて前へ進めと。他>>続きを読む

DIVOC-12(2021年製作の映画)

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感情がぎゅっと凝縮された10分間。様々なジャンルのそれぞれの個性が楽しめる12の短編。気持ちの振り幅が大きくて忙しない。でもどれも新鮮。それぞれの作品に繋がりはないけれど。どの作品からもクリエイターた>>続きを読む