Nasagiさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

Nasagi

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赤い砂漠(1964年製作の映画)

4.0

「不感症」というのが何重もの意味で使われていたように思った

草原の河(2015年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

初チベット映画
こどもの発想ってほんとおもしろいよね〜

「河」は親子の心理的な溝であり、世俗と仏道の世界の境界線であり、あるいはただの子どもから「お姉ちゃん」へと成長する節目でもあり…

その河は雪
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フォンターナ広場 イタリアの陰謀(2012年製作の映画)

3.8

1969年12月にミラノで起きた〈フォンターナ広場爆破事件〉を扱った、むちゃくちゃ硬派な政治ドラマ

・背景
学生運動に触発された労働争議が空前のもりあがりを見せるなか、金融資本の象徴である全国農業銀
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タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

ラストのセッション、来ると予想はしていたけどその何倍も美しい二胡の旋律にやられた。
拍手なしで静かに終わっていくのがまたいい。きっとここで彼らに拍手を送るかどうかは観客に委ねられているんだとおもう。
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Moral(原題)(1982年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

フィリピンの映画で、仲良し4人組の女性それぞれの葛藤をえがく
タイトルのMoralの文字にスラッシュ(亀裂)が入っているのが象徴的

マルコスによる開発独裁、カトリック社会の価値観、若者たちの価値観、
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THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~(2018年製作の映画)

3.6

香港と深セン、2つの世界を越境しながら、一国ニ制度を利用したスマホの密輸ビジネスに身を投じていく女子高生をえがいた作品

大陸に住みながら香港の学校へと通うことを「越境通学」というそうだ。
本作はそれ
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ハーフ(2013年製作の映画)

4.0

日本において「ハーフ」として生きるとは?
オーストラリア、ガーナ、メキシコ、ベネズエラ、韓国
それぞれにルーツを持つ人たちに焦点を当てたドキュメンタリー

昔、大学の授業で一度みた作品で、個人的に思い
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ジプシーのとき(1989年製作の映画)

3.8

観たのけっこう前なんだけど音楽が耳に残りすぎててやばい、ふつうに風呂場で口ずさんでる

観たときは衝撃的でもすぐ忘れちゃう映画もあるし、本当のイメージの強烈さってある程度時間がたたないとわからないもん
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ある子供(2005年製作の映画)

4.0

困窮した生活のなか、子供ができた若いカップルを主人公にした作品。
観たタイミングがタイミングだけに先日の渋谷の殺人事件や、その前に炎上したWeb記事のことが頭に浮かんだ。日本社会の現状はどうだろうか。
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ブレグジット EU離脱(2019年製作の映画)

3.8

―「どっちが勝ったか」はだれもが知ってる。でも「どうやって勝ったか」を知る人は多くない。―

2016年の国民投票にいたるまでの顛末を、脚色をくわえつつドラマ化したテレビ映画。離脱派の立役者の1人ドミ
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あなたになら言える秘密のこと(2005年製作の映画)

3.8

ある秘密を抱えて心を閉ざしている女性ハンナ。勤め先の工場でもあまりに機械的にはたらき続けた結果、同僚には疎まれ、上司には半ばむりやり休暇を取らされる。
しかしバカンスもつかの間、こんどは火災事故の怪我
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裁き(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

人権<<<夏休みという皮肉
一風変わったインドの法廷映画で、個人的に好きなスタイルの作品だった。
反体制的な歌をコンサートで披露していた老人が警察に目をつけられ、逮捕されたことで話ははじまる。その罪状
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ブラックパワーミックステープ〜アメリカの光と影〜(2011年製作の映画)

3.8

ブラック・パワー1967-1975
キング牧師の公民権運動とはまた違う路線だが、まちがいなく今のBLMにも影響を与えている人たち

ストークリー・カーマイケルは「制度的人種差別」の概念をさいしょに提唱
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とうもろこしの島(2014年製作の映画)

4.2

ジョージアからの独立を求めるアブハジア。紛争地帯のただなかを流れる河のちいさなちいさな中洲で、黙々ととうもろこしを育てる老人と孫娘の話。

ひじょうに節制が効いた作り方がされていて、何もない土地に人、
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もうひとりの息子(2012年製作の映画)

3.0

イスラエル人とパレスチナ人の子どもが出生時に病院のミスで取り違えられてしまい、それぞれもう一方の家庭で育てられてしまったら…という設定の話。

「ユダヤ人とはだれか?」問題
イスラエル国籍の2割はアラ
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オレンジと太陽(2010年製作の映画)

3.8

イギリスで1970年まで行われていた政府ぐるみの「児童移民」を題材にしたドラマ。
「移民」とはいっても、親に無断で子どもたちを養護施設から連れ去り、オーストラリアなどの(旧)植民地に組織的に移送すると
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毎日がアルツハイマー(2012年製作の映画)

4.2

とってもラブリーな作品。

認知症である母にたいする、監督の接し方、受け止め方が非常に勉強になった。
あと、これはこのご家族の個性だとおもうのだけど、とにかくみなさんギャグセンスが高い笑
ゴキブリの家
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鉄くず拾いの物語(2013年製作の映画)

4.0

なるほど、たしかにここまで来ればドキュメンタリーかフィクションかなんていう区別はないに等しいですね。

異端の鳥(2019年製作の映画)

4.0

普遍性をもたせるためにエスペラント語で撮るというこだわりがすごいと思う。

全編を通じてほとんど暴力で満たされているがゆえに、赤軍兵士と木の上でうたた寝をする場面などの束の間の安らぎが際立って見えた。
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リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

4.0

ハンガリー産ラブコメディ
昭和の日本人歌手の亡霊だけが唯一の親友という内気な女性のまわりで、次々と人が死にまくっていくという斬新(笑)な設定。
『アメリ』が好きな人はみるべし。

みどりを基調としたポ
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象は静かに座っている(2018年製作の映画)

4.9

すぐれて近視眼的なカメラワークに人物の主観を反映した心象風景、なにより世界に対するひたむきな絶望に心うごかされる

「視力0.1以下だけどだれの顔も見たくないから裸眼で過ごしてる」みたいな、そういう感
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サウナのあるところ(2010年製作の映画)

3.6

フィンランドの作品
サウナと大自然とおっさんと人生。いいじゃん。

音楽の使い方がちょっと好みでなかったが、撮影はとてもきれいだった。水辺のおっさん2人を木陰から捉えたショットがとくに良かった。

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聖者の午後(2012年製作の映画)

4.4

ドンピシャで好きなやつだった
2ヶ月に1回ぐらい定期摂取していきたいタイプの映画

三宅昌との対談記事でこの映画の監督が、いわゆるサザエさん症候群のことを「日曜の夜に観るテレビの実存的な不安」と呼んで
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死霊魂(2018年製作の映画)

-

『鳳鳴』『無言歌』と反右派闘争について撮ってきたワン・ビン監督の集大成。3部構成で約8時間半あり、そのうち7時間ちかくがインタビュー映像で占められている。途中で2回休憩があるとはいえかなり体力的にきつ>>続きを読む

人類遺産(2016年製作の映画)

3.6

世界各国の廃墟をひたすら映し続けるドキュメンタリー作品。
人の姿が一切でてこない映画にHOMO SAPIENSというタイトルをつけてしまうゲイハルター監督の感性がすごいなと思う笑

これはやっぱり「不
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キューティー&ボクサー(2013年製作の映画)

4.2

ニューヨークで暮らす芸術家の篠原うしお&のり子夫妻に密着したドキュメンタリー。
2人の関係性がおもしろすぎて…
途中からもうのり子さんが主人公になってたなー。エンディング・クレジットものり子さんの方が
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娘よ(2014年製作の映画)

3.8

「15歳で結婚した。父方の親族と。それで私の人生の物語は終わり。」

パキスタンの山岳地帯を舞台にした、家父長的な掟に逆らう母娘の旅。
最初と最後のシーンをみるに、娘ザイナブの物語というよりは母アッラ
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100,000年後の安全(2009年製作の映画)

3.8

フィンランドで建設中の放射性廃棄物の最終処分場オンカロ。
地中奥ふかくに廃棄物をうめる超巨大施設で、予定では2100年代に操業を停止、その後は永久に封印される。廃棄物が安全になるまでにかかる期間は10
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ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.8

「スイスに行きたい」って要するにそういうことか!2周目みてる途中でようやく気づいたわ…たぶんヨーロッパの人がみたらすぐに察するんだろうな。
シーンで起きてることの意味がその場で説明されない箇所がけっこ
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散歩する惑星(2000年製作の映画)

3.8

節分の恵方巻き廃棄ならぬ、大聖年のイエス像大量廃棄という罰当たりすぎるアイデア😅
十字架の根っこのとこ掴んでハンマー投げみたくブンブン投げてた笑

反撥(1964年製作の映画)

4.0

写真の使い方に「はえ〜」と感心した。
1回目に出てきたときはあらぬ方向を見つめているように見えて不気味だったが、もう一度映されたときに意味がわかってハッとさせられる。
どこを(何を)見ているかわからな
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SHOAH ショア(1985年製作の映画)

-

DVD買った。インタビューオンリーで9時間半という規格外の作品である。

第二次大戦中のナチスによるユダヤ人大虐殺
ふつう私たちがホロコーストと呼ぶそれを扱った映画に、監督のクロード・ランズマンは『シ
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リベリオン ワルシャワ大攻防戦(2014年製作の映画)

3.2

『ヘイター』を観て今すこし気になっているポーランドのヤン・コマサ監督の作品からもう1本。
1944年8月1日からおよそ2ヶ月に渡って戦われたナチスドイツに対する抵抗運動であるワルシャワ蜂起を題材にした
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ヘイター(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

論文の盗用がバレて大学を1年で除籍処分になった主人公トメク。そんな彼が勤めだしたのは、フェイクアカウントやフェイクニュースを駆使して炎上やデモを扇動し、ターゲットとなる人物の面目を潰す「サービス」を行>>続きを読む