マさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.3

女性が生きる社会のシステムへの絶望感を滲み出しながらも、それでも前向きに力強くフェミニズムを描こうとしてる 楽観的というわけでもないけど...
性犯罪を恐れず人を信用することすらも「自己責任」と判断さ
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アウトレイジ 最終章(2017年製作の映画)

4.4

全員疲れ気味

やっぱり、商業大作とは思えないくらい冷たくて静かで虚無感の強い作品だと思う。みんな全体的にお爺さんになってて呂律も回ってないし、俯きがちにボソボソしゃべる 音楽も大事なところでしか流れ
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アウトレイジ ビヨンド(2012年製作の映画)

4.2

序盤から状況説明の為の会話で構成されてて、バイオレンスもあまり見せない(ドリルで顔に穴を開けても血は出ない)。たけしは「もう自分の時代じゃない」と言いながらも(小日向文世にコントロールされながら)仕方>>続きを読む

アウトレイジ(2010年製作の映画)

3.9

キャラクターの半分がコメディリリーフ
この作品だけだともう自分の時代は終わってる という切なさが残る(北野武映画は大体そう)
けど、実際は北野武の映画や監督としての存在はここから大きく変化するから面白
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ハイ・ライズ(2015年製作の映画)

4.0

J・G・バラード作品の丁寧な実写化をトム・ヒルドストン主演でやる←どういう流れで?
でも何一つ気を抜いてないから充分楽しく観れる

わが青春に悔なし(1946年製作の映画)

4.5

原節子の冷めた表情と、終盤の河野秋武(糸川)に対する微笑みだけが絶望的な社会の中で唯一のリアル。序盤、原節子が野毛の話を聞いた後、徐々に感情を失っていくシーンは本当に尖ってる

ロブスター(2015年製作の映画)

4.2

全体主義はどう頑張っても人間を破壊するということで...
思えばもう「近未来」でも無い

Dogtoothよりは全然好きだけど、スベってる「奇をてらった」演出はちょくちょくある(タイトルの ロブスター
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ニモーナ(2023年製作の映画)

4.9

ゲイフォビア、トランスフォビア、ゼノフォビア、言い出したらキリがないけどそれらが無限に溢れる絶望的な社会の中で ただそれを的確に見つめ、その絶望を味わってきた/味わいながらも作品を描き、丁寧に切実に苦>>続きを読む

Kids Return キッズ・リターン(1996年製作の映画)

3.9

兎に角パワーバランスの逆転、からの逆転、入れ替わりを楽しく怖く描くのが上手い

ボトムス ~最底で最強?な私たち~(2023年製作の映画)

4.4

Charli XCXが主題歌の映画を配信スルーにすんな!(Bodies Bodies Bodiesに続いて2度目)

ブックスマートに続く青春映画の新時代というか、笑えないけど笑える超マヌケに象徴化さ
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マトリックス レザレクションズ(2021年製作の映画)

4.5

再鑑賞

スパイダーマンNWH、アクロス・ザ・スパイダーバース、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3、EEAAO、ニモーナ、スコット・ピルグリム テイクスオフ... マトリックスレザレクショ
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スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団(2010年製作の映画)

4.4

多くの映画が恋愛は苦痛と唱える中、恋愛を崇拝するエドガーライト 純粋過ぎる。
でもやっぱスコットピルグリムは甘やかされ過ぎ。まぁ最後のドアの先に多くの作家が描きたがる地獄があるんだろうけど→「テイクス
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Mank/マンク(2020年製作の映画)

4.4

表現者として間違えた事はしたくないというデヴィッド・フィンチャーの想いと、それを貫き通したマンクへのリスペクトが詰まってる。莫大なリサーチをした上で慎重にゾディアックを撮ったり、タイラーダーデンの与え>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.5

ファイトクラブのタイラーダーデンが作品の意図していない形で単純に象徴化され、(本来はエドワード・ノートンがそれを乗り越える話なのに)その加害性をインセルやミソジニストに称えられてるのはもうお馴染みにな>>続きを読む

L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)

4.5

80年代(現代の視点からのノスタルジック的なものも含む)ポップさで逃げることを許さない最後の最後が怖すぎる。当時観たって今観たって50年後に観たってオチには絶望しか無い。

ブラッドシンプル ザ・スリラー(1999年製作の映画)

4.1

コーエン兄弟の「50年代アメリカの肥満系白人中年男性」の原型がちゃんとある

野火(2014年製作の映画)

4.4

問答無用で観る人を無理やりライドさせる勢いと密度とテンションの高さは他のどんな映画にも無いと思う
「安っぽい質感だな〜」とかその辺の感情は開始1分で(文字通り)ビンタを喰らって吹っ飛ぶから凄い

ビューティフル・デイ(2017年製作の映画)

3.6

2010年代的「スタイリッシュ」「奇抜」「オシャレ」映画の優等生みたいな作品。ジョニーグリーンウッドの存在感がいちばん強い(最高)

正直 幼少期の虐待や退役軍人をテーマにするならカルチャー顔してない
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ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖(1973年製作の映画)

4.6

ロメロが戦争映画を撮ったらとんでもないものが出来上がった。博士の異常な愛情への(隠してもない)オマージュを中心に描かれるアメリカの戦争犯罪や、戦争のツケを払わされる一般市民たち 市街地や戦い方がゲリラ>>続きを読む

姿三四郎(1943年製作の映画)

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短縮版 人間と柔道モンスターの間で揺れ動き、正しくその道を歩もうとする

シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

4.3

冷笑や露悪に逃げ切らず、セラピーとして作ってていいね。例え幻想であろうとも、心の底から「生きたい」と叫んで終わるエンディングには計り知れない優しさを感じる。

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.7

3時間で抜け切っていた気が最後の最後で引き締まり切った、久しぶりに映画観た直後に何も考えられなくなって泣いた。"お前がこの3時間観たものはカスの娯楽で、ここからが現実です"と本人が直接言ってしまう真剣>>続きを読む

ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド ゾンビの誕生(1968年製作の映画)

4.4

暴力に対しての純粋な恐怖 ゾンビも怖いけどサバイバー達も怖い ドーン・オブ・ザ・デッドではあからさまな略奪者が出てくるけど、こっちでは特にそういう訳でもないからより現実的で嫌。ロメロ作品において主人公>>続きを読む

ブラインド 視線のエロス(2014年製作の映画)

4.3

映画を観れば登場人物の見ていない(見ないようにしている)モノをこっちから俯瞰することが出来る。勿論クリエイターは視聴者に向け それを見越した罠として設置することもできるけど、映画の登場人物にとっても現>>続きを読む

アジアの天使(2021年製作の映画)

4.1

一見地味だし薄いけど石井監督の一直線な熱意と人間性への信頼だけは変わらなく強くてオモロい

アマデウス ディレクターズ・カット(2002年製作の映画)

4.4

オタクはなんでも「アマデウス」のサリエリとモーツァルトに当てはめたがる。けど確かに「ただ頑張って登りつめた人」とそれをあっさり踏み越えてしまう「天才」の関係を綺麗に分かりやすく描いてる。結局音楽でも映>>続きを読む

コード・アンノウン(2000年製作の映画)

4.3

正当に面白いけどオッサンがニヤニヤしながら作ってるのも丸わかりで面白い
ミヒャエル・ハネケもミシェル・フランコもリューベン・オストルンドも、先ずは自分と社会に絶望してから みたいなとこがある

目立つ
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柔道龍虎房(2004年製作の映画)

4.6

数多くある青春をテーマにした作品の中でも、かなり完璧に近い。わかりやすい巨悪や説明臭さ、表面的(男性の加害的でキモイ視点だらけ)な"ヒロイン"とか、色々な青春作品の中で見られる悪い部分を綺麗に削ぎ落と>>続きを読む