この映画がアメリカ西部から始まるところにクリント・イーストウッドを重ねてしまう。
所謂、PTSDを描いた作品ではあるものの、クリス・カイルの人生に自身を投影させた、イーストウッドの反省を振り返る自己>>続きを読む
『GotG』シリーズの集大成、来たる三作目でジェームズ・ガンが我々に送ったメッセージは"ありのままを受け入れる"こと。
これまで執拗に過去を明かしてこなかったロケットの出自を冒頭から丁寧に語っていく>>続きを読む
POV視点とナレーションを主軸に進んでいく奇妙な語り口の裏には、手持ちカメラでのロケ撮影、ジャンプカットなどのヌーヴェル・ヴァーグで確立された手法が目立ちます。フランスで起きた革命は上海にまで波及して>>続きを読む
淡々と過ぎていく物語、情事という題材、ゆっくりと流れるようなカメラワーク、あらゆる要素が、成熟した2人の俳優を演出する。トニー・レオンとマギー・チャンの平行線を辿る視線がもどかしくも愛おしい。優しい映>>続きを読む
4Kのクリアな映像とフィルムのザラザラとした質感が同居する、黄金比率の作品。兎にも角にもトニー・レオン、いやはやフェイ・ウォンも捨てがたい。カリフォルニアよりも香港に行きたい。そんな一本。
2023>>続きを読む
以前観た時よりも断然に観やすい、2回目だからか、いやこれが4Kの力量か。金城武映画であり、すれ違う男女を内包する都市ムービー。
コンバースのタンは折って履こう。
2023/04/15 1回目
【2>>続きを読む
ウォン・カーウァイと岩井俊二を繋げる浅野忠信という共通点。
2023/04/15 1回目
【2023年70本目】
ウォン・カーウァイの60年代香港3部作を一気通貫する一作。60年代と近未来を行き来する語り口は相当クセが強いが、愛も変わらず俳優達をこれほどまでに魅力的にフィルムに焼き付けてしまうのは監督の性。
堕>>続きを読む
ウォン・カーウァイの作家性が成熟した傑作。
作品の登場人物に心奪われることは少なくないが、トニー・レオンとマギー・チャン両者に恋してしまう特異な映画体験になってしまいました。今作の撮影監督は長年の付き>>続きを読む
『ブエノスアイレス』のカットシーンと製作者達のインタビューで繋ぐドキュメンタリー。これを観ると相当数のシーンがカットされていることがわかる。監督はそれほどまでに90分という上映時間にこだわりがあるのか>>続きを読む
ウォン・カーウァイが今作に想いを託したのは、香港返還に揺れる当時の香港。
辺境の地に暮らす青年2人は、故郷に戻れない苛立ちを互いぶつけ合うしかない。この不毛に見えるやり取りこそ『ブエノスアイレス』を>>続きを読む
こんな続編ならずっと観ていたい。製作ペースをもう少し落としても良いので、プログラムピクチャーとしてこれから先何十年も観続けたい。
『BAD BOYS2』の邦題にオマージュを捧げた今作は、主人公2人よ>>続きを読む
舞台原作の作品は、『おとなのけんか』にしても『ファーザー』にしてもワンシチュエーションの会話劇となるのが常です。今作も例に漏れず、”会話”という感情のぶつけ合いを我々は目撃する事になります。『白鯨』と>>続きを読む
久々に心が奮い立つ映画に出会ったかもしれない。
ずっと見ていられる。トニー・レオン。
2023/04/06 1回目 レストア版
【2023年63本目】
60年代の香港、群像劇。
ラスト、突然現れるトニー・レオン。
同じ時間に起こる幾多の出来事。
2023/04/04 1回目
【2023年62本目】
今年29になる私が過ごした幼少期はちょうど『仮面ライダーBLACK RX』〜『仮面ライダークウガ』の空白期。そんな私のヒーローはVHSの中にいた歴代昭和ライダー、キカイダー、ロボット刑事K、イナズマン>>続きを読む
主演ミシェル・ヨーと助演キー・ホイ・クァンのキャリアを一新する超意欲作。マルチバース、無限に広がる宇宙が、ごくありふれた母と娘の個人的な話に収斂していく意外性。なんでもありな設定を使って描くにはあまり>>続きを読む
言わずと知れた巨匠スティーブン・スピルバーグの過去の記憶の映像化。半自伝的回顧録。
だがしかし、物語の進む先に監督の栄枯盛衰が描かれることはなく、”母との関係性”にフォーカスを当てた至極個人的な、そし>>続きを読む
1人の政治家の人生を皮肉たっぷりに描く、汚職警官ものならぬ汚職政治家もの。
2023/3/4 1回目
【2023年58本目】
アルコール中毒の主人公は、酒に溺れ兄と約束した休暇を反故にしてしまう。その名も「失われた週末」。秀逸な邦題。
2023/2/28 1回目
【2023年57本目】
1970年代。
ボリウッド、香港映画、ハリウッドのブロックバスター大作。考えるより感じる映画。
2023/2/26 1回目
【2023年56本目】
『インファナルアフェア』のスコセッシによるリメイク作品。警察内部に忍び込むマフィアとマフィアに潜入捜査する警官、男2人の戦いは『ヒート』を彷彿とさせる。
2023/2/23 1回目
【2023年53>>続きを読む
映画監督でありパイロットであり実業家でもあるハワード・ヒューズ、栄枯盛衰の半生。主人公を遠くから見つめる冷めた視線は、平常運転のスコセッシ。
2023/2/26 1回目
【2023年55本目】
共にスコセッシ作品を彩ってきたデ・ニーロとディカプリオがスコセッシの新作の主演を取り合うという、メタな設定が微笑ましい。
2023/2/24 1回目
【2023年54本目】
60年代の超大作、第一次世界大戦下のT・E・ロレンスによるアラビア独立運動を描く。CG一才なしの圧巻の砂漠景。アカバ攻略、ロレンスの失墜の二篇からなる。
数千のラクダに乗って攻め入るアカバ攻略シーン>>続きを読む
ハリウッド業界内のクリシェ、新発見。
2023/2/20 1回目
【2023年51本目】
カザンツァキスの同名小説の映画化。本作が他の宗教映画と異なるのは聖書や福音書ではなく、あくまで小説の映画化だというところにあります。
マーティン・スコセッシと聞いて思い浮かぶのはマフィア映画、それと>>続きを読む
稀代のドキュメンタリー作家・原一男の傑作。第二次世界大戦で起こったある事件の真相に迫る奥崎謙三。
鬼気迫る、緊張感のあるこの映像はドキュメンタリーならではのもの。(いや、ドキュメンタリー作品でも中々>>続きを読む
ルカ・グァダニーノのアメリカ進出となった今作は、80年代のアメリカ中西部を巡る自分探しのロードムービー。このテーマを決してファンタジックに染めることなく、あくまでリアリズムに徹して作っているところが私>>続きを読む
ハリウッドの黄金期前夜、サイレントからトーキーへの過渡期にふるいにかけられた映画人達の鎮魂歌。いや、ハリウッドの100年を貫くハリウッド讃歌。
映画史を語る時、通常トーキーの始まりは『ジャズ・シンガ>>続きを読む
監督ペイトン・リードが続投、脚本に『リック&モーティ』のジェフ・ラブネスを迎え(シュレディンガーの猫の映像化は彼のアイデアなのでしょうか?良かった)、来たるアントマンの三作目はフェーズ5の幕開け。イン>>続きを読む
1969〜1979年。
全世界で同時多発的に起きる自己同一性をテーマにした作品。とにかく過激で刺激的な映画の宝庫。
日本からは原一男のドキュメンタリーがピックアップされ、カサヴェテスやパゾリーニと並べ>>続きを読む
ジェームズ・ステュアートが若い。イノセントな役が本当に似合う。牛タン戦法なる議事妨害を行うクライマックス、実質40分くらいあるのですが、却ってそれが隣席する議員達と同じ気持ちにさせてきて良い。
20>>続きを読む
ベルリンの有名ホテル、グランドホテル。通常交わるはずのない者同士の宿泊客達が交差する群像劇。この手の作品が所謂、"グランドホテル方式"と呼ばれている通り、このジャンルの草分け的作品。
2023/2/>>続きを読む
無声映画時代のスターの没落と無名女優の隆盛が交差する"スタア誕生"型ボーイミーツガール。
階段描写が印象的な本作、ジャン・デュジャルダンは降りることしかないし、ベレニス・ベジョは駆け上がることしかな>>続きを読む
実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの自伝をスコセッシ、シュレイダー、デ・ニーロの『タクシードライバー』組で映画化。
全編にわたる美しいメロディが物語の暴力性をより引き立てる、スコセッシならではの対位>>続きを読む