Rさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

2.5

上昇と落下を繰り返す作劇スタイルはいつものポール・キングだけどアクションが突き抜けない。その抑制が俺にはよく分からなかった。ミュージカル場面もつまらなかったな。閉じ込められたキャラー・レインを解放する>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

4.0

独り身で職と家を持たない主人公の旅映画で『オールド・ジョイ』と共通する部分が多い。いくつも荷物を抱えて移動する姿や印象的な焚き火も。貧困を題材に爪や下着に染み付いた汚れまで細かく演出しながら、間違って>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.5

独り身で職も帰る家もなく奔放に暮らすウィル・オールダムは相当に身軽なはずだが、そのファースショットは保冷ボックスを担ぎテレビを乗せた台車を引きずり歩く姿で、それがずっと頭に残る。焚き火の前でなんとか伝>>続きを読む

劇場版 ほんとにあった!呪いのビデオ100(2023年製作の映画)

3.5

最後のところでわざわざ画面を覗き込ませなくても、とは思った。ファーストショットから異質な存在として撮っていた(映り込んだ)隣人を陰から登場させたのならそれで十分。施設での面会が面白かった

Pearl パール(2022年製作の映画)

2.0

オープニングで滑った分を取り戻そうとして空回り、そのまま終幕の104分。オーディションでの妄想ミュージカルが弱すぎて萎える。抑制の無い脳内でさえこの表現だから、結局ミア・ゴスが自分の才能を信じきれてい>>続きを読む

街のあかり(2006年製作の映画)

4.0

孤独な夜間警備員が不相応な女に惚れたことでどんどん立場を悪くする物語。好き。
孤独で付き合いも悪く周囲の視線ばかり集めてしまうなか、映画館で彼女の横顔を夢中になって見つめる一方的な視線のバカバカしさが
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過去のない男(2002年製作の映画)

4.0

再見。殴られてもないのにほぼ記憶になかった。マルック・ペルトラの木材を掴むアクションに呼応して浮浪者たちがわらわらと現れるショットは何度見てもグッとくる

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

4.0

奇天烈な格好をした売れないバンドの緩やかなロードムービー。棺桶代わりの木箱からご丁寧に遺体のリーゼントとギター、靴の尖ったつま先部分を突き出して見せる可笑しさ。
車の購入が交渉成立した次のカットで尖っ
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(2023年製作の映画)

4.0

でんでん太鼓は持ち手部分を何度も回転させて音を鳴らす。振った分だけかえってくる。笑いと暴力も同じ。首を奪って得た人生の転機を同じく首を手にすることで失う中村獅童もそう。
刀で饅頭を刺して遠藤憲一の口に
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ナイト・オン・ザ・プラネット(1991年製作の映画)

4.0

ニューヨークとローマのパートで腹抱えて笑った。
基本的に車内だから、車から降りてのアクション(荷物を運ぶ、取っ組み合う、引き摺る)や窓から物を投げ捨てる瞬間に惹かれる。
後部座席と助手席から差し出され
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ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

3.5

スクリーミン・ジェイ・ホーキンスの着ているスーツが真っ赤。工藤夕貴の口紅より印象的な赤だった。あと回し飲み

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

4.5

再見。サーフィンに興味を持った二人組の男が真木蔵人と大島弘子をきっかけに始めたもんだから移動する時のサーフボードの持ち方まで忠実に真似てしまいカップルとして撮られるギャグに爆笑した。
男が前を歩き女は
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3-4x10月(1990年製作の映画)

5.0

再見。ダンカン萌え映画。石田ゆり子もべらぼうに可愛いがダンカンもそれにタメ張れる。
ダンカンのなんともいえない歌唱力のカラオケをバックにビール瓶とパンチでブン殴る暴力を360度パンのなかおかわりするト
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その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

4.5

再見。ビートたけしがめちゃくちゃ歩く映画。あと暴力。兎にも角にも暴力。
ビートたけしとの印象的な横並びを見せる平泉成や川上麻衣子の最期が宙吊りや地べたを這う姿であることからも北野武が並び立つことや歩く
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ダークグラス(2021年製作の映画)

3.5

序盤の日蝕を見上げる引きのショットが好き。中国人少年の自宅から逃げる際にいきなりババアが出てきて叫び叱りつけるんだけど、俺が前後を見落としたかなと疑うくらい脈絡がなくて笑った。向かってくる車と仁王立ち>>続きを読む

ドリーム・ホース(2020年製作の映画)

3.5

組合の人数はあっさりと揃い、初めてのレースが電話一本で決まるテンポの良さ。馬の瞳、特に正面からのショットにグッとくる。というかふつうに泣いた

死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.0

蹴ったボールが暗がりから返ってくるカットに『E.T.』かと心躍ったが期待外れな展開で残念。ジェームズ・ワン『死霊館 エンフィールド事件』のテントを見てないってことはないと思うんだけど

何がジェーンに起ったか?(1962年製作の映画)

-

-3.5。インコを愛しているので。
ベティ・デイヴィスの精神異常演技も凄まじいけどそれを受けるジョーン・クロフォードの顔芸にも圧倒される。
閉鎖空間から開放的な砂浜に場面転換して、より恐怖が増す

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.5

デンゼル・ワシントンの一宿一飯モノ。
住民を脅すための見せしめに車椅子を破壊し老人を吊るす落下の暴力と、屈することなく打ち上がる花火をじっと見つめる人々との落下と上昇の真っ向勝負

イコライザー(2014年製作の映画)

3.5

再見。眉さえ微動だにしない不動の眼差しがおっかないデンゼル・ワシントン。ロシアンマフィアと会話しながら机にある髑髏のオブジェクトをきちんと並べるところが病的に几帳面で、これはなんかヤバいぞと思わせる。>>続きを読む

見えない恐怖(1971年製作の映画)

4.0

盲目のミア・ファローが死体に気付くことなく広い家の中を歩き回る映画。コワっ。彼女を思いやり常に視線を向ける親戚のショットというのが基本にあって、親戚が殺され視線が宙ぶらりんになってからはカメラが彼女を>>続きを読む

明治侠客伝 三代目襲名(1965年製作の映画)

4.0

吹き戻しを咥えた汐路章のルックスがカメレオンのように見える。暴力を予感させる彼の目つきが獲物となる嵐寛寿郎を捉えることで喧嘩祭りの賑わいが明後日の方向に高まっていくオープニングに引き込まれる。
戯けて
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ションベン・ライダー(1983年製作の映画)

4.0

これでもかと気合の入ったショットが多い。遠景撮影や長回しに、水死体とそれを橋の上から見下ろす野次馬のショットとか。
投げるアクションも多め。遠景ショットの3人でのキャッチボールはどこまでも自由が広がっ
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学校の怪談2(1996年製作の映画)

4.5

序盤から野菜を投げつけ合う画面にニヤニヤする。超楽しい。折角お墓があるんだから肝試しをやろうとかいう台詞もヤバくて笑う。
岸田今日子の首より伸ばす時の腕の動きに違和感があって怖かった。
太田翔平が笛で
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.5

アクションが超楽しい。
二度目の封鎖宣言に反抗して射出されるレーザー銃をきっかけに暴動が起き、昂り加速する情動がキスやジェットパックの噴射へと繋がる愛すべきドタバタ劇。連鎖するアクションにワクワクする
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ダージリン急行(2007年製作の映画)

5.0

再見。死と喪失が色濃く、哀しくも愛おしい。また好きになった。
客室乗務員に途中下車するよう迫られたオーウェン・ウィルソンは賄賂で対処しようとするも紙幣はたちまちくしゃくしゃに握り潰され投げ捨てられてし
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エドワード・ヤンの恋愛時代 4K レストア版(1994年製作の映画)

4.0

再見。昔渋谷のTSUTAYAでエドワード・ヤンのVHSをレンタルして浴びるほど見ていた。ラストのエレベーターだけは強烈に覚えてる。
今見ると当時は気にもしなかったコンビショットに徹した画面構成・人物配
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ミンナのウタ(2023年製作の映画)

4.5

中務裕太視点の高谷邸での左下→右上の反復と差異がマジで怖い。劇場でも悲鳴が上がり泣いてる人もちらほら。それだけでもう映画体験として大満足。
終盤のホテルで半透明のカーテン越しに再度登場した時には勘弁し
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ザ・バニシング-消失-(1988年製作の映画)

3.5

異常というほど派手にトチ狂ってるわけでもない普通から少しはみ出した人間の行動を、淡々と撮るのが恐ろしかった。安っぽくない狂気が見れる