しずるさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

3.0

実は『ヘヴィ・トリップ』と梯子鑑賞だったのだが、コメディは笑いのセンスが合うか合わないかが肝要というのが、クッキリと表れてしまった。
こちらの笑いは私には合わなかった。あくまで個人的嗜好なのでご容赦。
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ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!(2018年製作の映画)

4.0

これを他国が作ったら少々鼻につくものになったかも知れないが、メタル大国フィンランドにやられてしまっては、降参せざるをえないというか。
てんこ盛りのメタル愛とロック魂に、自虐なのか地元自慢か、トナカイや
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THE UPSIDE 最強のふたり/人生の動かし方(2017年製作の映画)

3.5

フランス映画「最強のふたり」のハリウッドリメイク作品。
シチュエーションや話の大筋は殆ど変わらないが、舞台がアメリカに変わった事で、細かいキャラクター設定や結末が、それに即したものになっている。

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この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.5

前作『この世界の片隅に』に40分近いシーンを加増した、言わば完全版。これから見てみようかなとお思いの方は、敢えて見比べたいのでなければ、是非こちらを。

元々、何気ない日常の短いエピソードを一つ一つ継
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.5

「ブレッドウィナー」「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」「再会の夏」。今月は、戦時下に於いて人間の尊厳が失われる作品をいくつも見てきた。が、平和に見える日常生活の中で、このような形で失われていく人>>続きを読む

アイリッシュマン(2019年製作の映画)

3.4

マフィアものヤクザものが苦手なので、不得意ジャンルで3時間半はキツイかな~と懸念しながらの鑑賞だったが、ケネディ暗殺などの歴史事件と絡めて進んでいくので、意外に興味深く見られた。私は当時のアメリカの情>>続きを読む

ブレッドウィナー/生きのびるために(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

数十年前、タリバン政権下のアフガニスタンを舞台にしたアニメーション作品。

タリバンは、イスラム教義の極端な解釈により、女性の権利や行動を厳しく制限し、逆らう者を激しく弾圧した。
教師であった父親がタ
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ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)

2.9

ごく定番のハートフルラブストーリー。後半に大きなどんでん返しがあるが、それもさして目新しい展開ではない。
ライトなエンタメ映画にありがちな、深い意味無く、受け狙いや下ネタをぶっこんでくる感じが苦手。
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2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

4.5

前教皇ベネディクト16世は、度重なるバチカンの不祥事などにより、異例の生前退位を表明、名誉教皇となった。その後任が現フランシスコ教皇。現在バチカンには2人の教皇が存在する。
これは、実際にあった2人の
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再会の夏(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

粗筋から思い描いていたようなミステリー要素はあまり無い。
勲章を犬に与えて、国家侮辱罪に問われた兵士。その理由もすんなり自身が語っているし、その件について軍判事が聞き込みを行うのだが、周囲の人々に話を
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シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢(2018年製作の映画)

3.8

この奇怪な建築物は、フランスの田舎町に実在するらしい。
建築の知識も経験も無い一介の郵便配達員が、絵葉書や新聞の写真からインスピレーションを得、33年間を費やして、仕事の傍ら、一人で無国籍な石造りの宮
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私のちいさなお葬式(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

夫に先立たれ、田舎街で独り暮らしの元教師・キャシー先生。心臓の不調で、いつ心停止してもおかしくないと告知される。一人息子は都会で仕事に追われ、5年に1度帰省するかどうか。手を煩わせない為に、自分の葬式>>続きを読む

マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.7

まず、タイトルが秀逸。離婚を決意した夫婦が、カウンセラーの勧めで、互いの長所をリスト化していくシーンから物語が始まる。タイトルからぼんやり思い描いていた『結婚』から、一足飛びに『離婚』に吹っ飛ばされて>>続きを読む

ライフ・イットセルフ 未来に続く物語(2018年製作の映画)

3.6

映画の醸し出す雰囲気に、『マイ・ブックショップ』『ガーンジー島の読書会の秘密』と似た感触を感じた。
2作のような、【本】をテーマにした物語ではないのだが、章立てしたり、語り部のナレーションが挟まったり
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HUMAN LOST 人間失格(2019年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

【あの太宰の名作をSF化】みたいな煽り文句には、余り期待をし過ぎない方がいい。
キャラクターやシチュエーションなど『人間失格』要素の取り入れ方、例えば、ヨシ子が人を疑わないあまり強姦事件にあって無垢性
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アナと雪の女王2(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

前作を見逃していて、先日TV放映でようやく見る機会を得た。
お好きな方には申し訳ないのだけれど、なんでこの映画あんなに大ヒットしたんだ?と思った。
つまらなくはないけど、普通。むしろちょっと不満。自分
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テルアビブ・オン・ファイア(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

パレスチナ人、イスラエル人、どちらにも大人気のTVドラマ『テルアビブ・オン・ファイア』。主役のパレスチナ人女スパイの恋のお相手は、同志の活動家と、イスラエル軍の将軍。どちらの陣営も勝手な期待を抱いてド>>続きを読む

映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

私は絵本が好き。子供用おもちゃが好き。子供向けアニメも好き。教育TVの子供向け番組も好き。

子供に戻った気分で、というよりは、絵本を読んでもらっている子供になった気分で、ワクワクと鑑賞してきた。とい
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盲目のメロディ~インド式殺人狂騒曲~(2018年製作の映画)

3.8

芸術的インスピレーションの為に盲目を装うピアニスト、アーカーシュ。ある日死体を目撃してしまう。アーカーシュの目の前で死体工作を目論む犯人。見えない振りで何とかその場を凌ぐが…。

嘘から生まれた意図し
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ひとよ(2019年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

暴力を振るう父親を殺めた母は、15年後、約束通り残された兄妹の元に帰ってきた。帰還を喜ぶ者、母を恨む者、感情の整理がつけられない者。崩壊した家族の行く末は…。

家族のかたちを問う物語であるのは確かだ
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キング(2019年製作の映画)

4.4

シェイクスピアの『ヘンリー5世』を下敷きにしているが、大分オリジナルな設定や解釈をしているので、歴史背景だけ押さえた全く別の物語として見て差し支えない。
若干愛国的な香りのする原作に比べ、国家というも
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真実(2019年製作の映画)

3.9

国民的大女優ファビエンヌと、脚本家の娘リュミール。母の自伝出版祝いに、家族を連れて帰省した娘。母娘のすれ違いや拗れ、嫉妬やプライドなどの感情を、二人を取り囲む人間模様を交えて描き出す。

この作品は、
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アダムズ・アップル(2005年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

年配のお客様に「どんな映画?」と聞かれた上映館のスタッフさんが、「ちょっとブラックなヒューマンドラマです」と答えていた。説明と勧め所の難しい、このような作品は大変だな。

狂気あり、暴力あり、笑いあり
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ガリーボーイ(2018年製作の映画)

3.8

独特の歌やダンスで特徴付けられるインド映画が、ラップとこんなに親和するとは驚いた。黒人の差別や貧困の歴史が、インドの根深いカースト構造に重なり、ラップの持つ怒りや反骨の側面が、力強くクローズアップされ>>続きを読む

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

多分、予備知識無しで見るのが一番面白い作品。
未鑑賞の方は自己責任で回避をよろしくどうぞ。





グロとかショッキングというコメントを目にして、ビクビクしながら挑んだのだが、思った程の嫌悪感も、価
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

数多くの傑作を産み出し、世界に絶賛され、愛され、富と栄誉を手にしたアーティストがいた。今、何故か彼らは世界に忘れ去られ、自分の記憶にだけその作品が残っている。さて、あなたはどうする…?
おそらく、さも
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英雄は嘘がお好き(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

来た来た、これぞフレンチコメディ!
男は女に滅法弱く、格好つけながらも情けない。女は気位高く欲張りで逞しい。何よりもまずは色恋、たっぷりのエスプリと軽妙な会話、どんな時にも洒落を忘れず、人生への温かく
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ジョーカー(2019年製作の映画)

3.7

キャラクターの予備知識なく、なんかアメコミのヴィランの人でしょ?位の軽いノリで見に行ったら、思いの外しんどめのヤツだった…。

バットマン知らん勢から見ても、充分良くできたサイコホラー作品として楽しめ
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おいしい家族(2019年製作の映画)

2.5

演出、編集、構成、カット割りなどの映像面、音の使い方が全く好みに合わなかった。
お洒落でポップな絵を見せたいのか、ナチュラルで等身大の人間像を見せたいのか、心情を掘り下げたいのか…。バラバラで印象がも
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シンクロ・ダンディーズ!(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

おっちゃんシンクロ第2段。フランス版『シンク・オア・スイム』に続き、元ネタを同じくするイギリス版である。

大まかな流れは同じ。家庭や仕事に問題を抱える中年男性が、成り行きで参加したシンクロチームに共
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今さら言えない小さな秘密(2018年製作の映画)

3.7

絵本売り場は誘惑に満ちている。カラフルな表紙、大きな字で解りやすく記された文、日常と不思議が当たり前の顔をして混在する物語。時間を忘れて、あれも、これもと手に取ってしまう。大人だって絵本が大好きだ。>>続きを読む

ディリリとパリの時間旅行(2018年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

上映前に、作品とコラボしたユニセフのプロモーションが流れた。望まない早すぎる結婚、強いられる労働で、少女達の未来が不当に奪われている、という内容。
本作の主題は正にこれである。ストレートに、これでもか
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僕たちのラストステージ(2018年製作の映画)

3.5

かつての人気コメディコンビの晩年を描いたバディもの。
大元を知らなかったので、特別な感慨は無く。人気に陰りの見えたシニアコンビのツアーの行く末を追っていくだけの前半は余り起伏なく、やや退屈に感じた。
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ある船頭の話(2019年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

山、海、人の手の及び切れない領域は、かつて異界であった。川もまた、異界であり境界である。
多くのものが、こちらからあちらへ、あちらからこちらへ、通り過ぎるが、留まる事はない。様々な人の人生が、一時小
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ラスト・ムービースター(2017年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

私は古典名作映画には全く詳しくないし、どちらかというと物語の筋や役柄に注目してしまって、俳優の名前と顔をなかなか覚えない性質。
バート・レイノルズに関しても殆ど知らないし、ワンス・アポン・ア・タイム・
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ガーンジー島の読書会の秘密(2018年製作の映画)

3.6

邦題長いなーと思っていたら、原題はもっと長かった(笑)

少し前にも『マイ・ブックショップ』という、本をテーマにした作品を見た。傾向は大分違うが、同じく、本を愛し、『物語』を必要とする人々の物語である
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