しずるさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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メランコリック(2018年製作の映画)

3.4

生まれたままの姿で水に身を沈める。風呂という場所と『死』は、観念的にとても近い場所にあるように思う。
夜の銭湯で、殺人と死体処理が行われている。一見奇抜に思えるシチュエーションが、観念的にも効率的にも
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ヒンディー・ミディアム(2017年製作の映画)

2.5

インド版お受験映画。
インドも韓国も、勿論日本も。格差問題は、今世界的に深刻なんだなぁと。
深刻な社会問題を、笑いや音楽を交えて、大衆に受け入れ易く描くのが上手いのが、インド映画の良い所。社会への映
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ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

5.0

昔深夜のTVで本作を見て夢中になった。好きな映画を挙げろと言われれば、5つの内には必ず入るであろう作品。それが大スクリーンで見られるとは!

当時最先端のSFXも、大画面で見ると多少の古臭さは否めない
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トールキン 旅のはじまり(2019年製作の映画)

3.7

ファンタジー好きとして、トールキンと聞けば、振り返って「何々、何の話?」と反応せざるを得ない。
本作もタイトルだけでチェックしていたが、上映館がずれていたのか、予告編も見掛けず、「作家トールキンの話」
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おしえて!ドクター・ルース(2019年製作の映画)

3.5

完全にチェック外だったのだが、見掛けた予告編のドクター・ルースが、大変チャーミングだったので…。

戦争に幸せを奪われた少女時代が、その後の彼女の生き方に影響を与えたのは間違いないだろうが、彼女は、幸
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引っ越し大名!(2019年製作の映画)

3.3

最近、時代劇を現代社会に通ずる切り口から描き、親近感を起こさせる作品が多いですね。
本作も、言うなれば時代劇の皮を被ったオフィスドラマ。内容に難解さはないし、歴史用語はナレーションで解説してくれるし、
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アルキメデスの大戦(2019年製作の映画)

3.0

史実を知っている我々としては、山本が反戦派でない事も、大和が建造される事も、戦争が起こる事も、負ける事も、多くを見殺しにし国土が焼かれる事も解ってしまっている訳で、戦争を止めなければという主人公の言葉>>続きを読む

やっぱり契約破棄していいですか!?(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

暗殺依頼が、カタログ有りオプション有りの保険契約状態だったり、暗殺者組合が、事務員有りノルマ有りの企業オフィスだったり。
笑えるし面白いけど、結局ふんわりこの着地かぁ。まあ大円団締めの喜劇っぽくて、こ
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ブラインドスポッティング(2018年製作の映画)

3.9

見終わって暫く、眉間に皺を寄せて、ウーン…と唸ってしまった。
人種差別を扱った作品は多いが、本作は、こじんまりとしていながら、深く鋭く人間の本質に切り込んでいる。痛い所を突かれ、ハッと我が身を振り返さ
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鉄道運転士の花束(2016年製作の映画)

4.0

タイトルだけ見て、『ぽっぽや』みたいなハートフル映画かと思っていた。あらすじ確認してから見に行って良かった!危ない所だった。
強烈なブラックユーモア。運転士と轢死の話である。

冒頭からガツンと殴られ
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KESARI ケサリ 21人の勇者たち(2019年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

うーん、私にはちょっと合わなかった。
パドマーワトは物語として、思想的な部分とは切り離して楽しめたんだが、今作は現実味が強かったからかなぁ。

基本論理が体育会系過ぎて、気持ちがついていけなかった。
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シークレット・スーパースター(2017年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

歌手を夢見る少女が、動画サイトに歌を投稿した事から、世界が変わるシンデレラストーリー。
なんかこういうの最近見たぞ…。「ハーツ・ビート・ラウド」は、夢見がちな父親を現実に向き合わせる娘の話だったけど、
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あなたの名前を呼べたなら(2018年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

ザツクリ纏めてしまえば、定番の身分違い恋愛もの。
都会の高層マンションに住むセレブな青年と、19歳にして未亡人となった若き住み込みメイド。階級制度や女性蔑視が根強く残るインドの田舎街と、近代化による格
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ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

3.0

二つの時間軸が、代わる代わる進められていく。

一つは回想。幼馴染みのティッシュとファニーの、恋愛への心情や関係の変化が、ゆっくり丁寧に描かれていく。
見つめ合う表情、躊躇いながら身体を重ねる様子など
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マイ・ブックショップ(2017年製作の映画)

3.7

まるで本を朗読するように、ナレーションによる人物と状況の説明と共に、冒頭の物語は進んでいく。
その言い回しの、文学的な面白さ、美しさ。本当に読書をしている時のように、物語の世界に引き込まれていく。
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王の預言書(2018年製作の映画)

3.5

韓国版時代劇、ペンは剣より強し、の物語。

韓国映画やドラマを普段あまり見ないので、聞き慣れない名前の羅列と役者の判別に苦心したが、話の筋はそれほど複雑ではない。
李氏朝鮮時代、官吏が私腹を肥やし、民
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アヴリルと奇妙な世界(2015年製作の映画)

3.5

ゲーム『レイトン教授シリーズ』的、くすんだ色合いのペッタリとしたアニメ塗りと、CGの立体感が違和感なく混ざりあっていた。
現実の歴史とは少し違う運命を辿った世界、スチームパンクワールドに至った経緯が、
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天気の子(2019年製作の映画)

3.0

新海監督作品は未鑑賞。

ビジュアルは素晴らしく美麗。あ、あそこだ、とすぐ見当がつくほど、現実をリアルに写した背景、雨や水のテクスチャー。リアルさと空気感はアニメトップクラスで、そこにエモーショナルな
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ロバート・レッドフォードの引退作とい
う事で、ひたすら彼へのリスベクトが詰まった作品。
おじいちゃんになっても、格好良く、ジェントルで、セクシーで、愛嬌がある、魅力たっぷりなロバート・レッドフォード。
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神と共に 第二章:因と縁(2018年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭に、前作の粗筋が入る親切設計。
まさか前作のあの爺さんが今回の重要人物だったとは!と、初っ端から吃驚仰天(笑)

今回は、前作でもキーマンだった弟が主役!…と思いきや、弟は狂言回しのような役回りで
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シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢(2018年製作の映画)

3.3

このレビューはネタバレを含みます

上映前に、瓜二つののイギリス制中年男性シンクロ映画の予告編が流れた。しかも、「ミドルエイジの皆様出番です」みたいなキャッチコピーまでそっくり。元ネタ被りらしいのでわざと揃えてるのか?まあ、お国柄の違い>>続きを読む

COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

3.0


もっと社会問題色の強い映画かと思っていたら、純然たる恋愛映画だった。

祖国ポーランドで出会い、恋に落ちた歌手のズーラとピアニストのヴィクトル。ヴィクトルはパリに亡命し、思い切れなかったズーラはポー
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ゴールデン・リバー(2018年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

ここのレビューなどで、ステレオタイプな西部劇やクライムサスペンスを期待してると肩透かしになるという予備知識は得ていたんだけど、それでも消化不良に終わってしまったなぁ…。

多分、教訓とか深いテーマ性を
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家へ帰ろう(2017年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

この映画の主軸は、二つあるように思われる。

一つは老い。
88歳のアブラハムは、明日には老人ホームへの入居が決まっている。死や痴呆が現実味ある恐怖として目の前に迫った時、過去の記憶と果たせていない約
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ちいさな独裁者(2017年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

唖然としてしまうような話だが、実話ベースの作品なのだそうだ。

一兵卒の脱走兵が、将校の制服に身をやつし、嘘と演技で言い逃れる内に、残虐な指導者へと変貌していく。
恐らく最初は、脱走兵として処分される
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ニューヨーク 最高の訳あり物件(2017年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

アニメーション仕立てのOPが、滅茶苦茶可愛い!インテリア、ファッション、料理、ビジュアル面はどれもがお洒落で、正に女性雑誌の典型のよう。

一人の男を挟んだ二人の女。文学の学位も持ちながら、キャリアを
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ペトラは静かに対峙する(2018年製作の映画)

3.7

話の内容は、かなり濃い目ではあるが王道のサスペンス。
一つの家族とその周辺人物が、嘘や秘密により運命を絡ませ、悲劇的な結末を迎えていく、ごく狭い範囲の愛憎劇。
神話や悲劇の典型とも言える人間の業罪をモ
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ジョナサン ふたつの顔の男(2018年製作の映画)

3.8

彼らはひとつ部屋で暮らしている。
ジョナサンは朝7時に目覚めてランニングの後仕事に行き、夕方までには帰宅、家で食事をとり、眠りにつく。ジョンは夜7時に目を覚まし、夜間の仕事やジムでの運動の後、朝7時ま
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アマンダと僕(2018年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

事件、事故、天災、病。突然に舞い降りて、命を、体を、人生を、奪い去ってゆくもの。
喪失したものが余りに大きすぎて、人々は呆然と立ち竦む。飲み込める筈もない塊を喉に詰まらせたまま、時は過ぎていき、学校に
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バジュランギおじさんと、小さな迷子(2015年製作の映画)

4.5

物語は結構冗長。筋もまあまあ予測できるもので、全体的に力業感がある。
なのに、抗えずに心動かされるのは、何故なのか。

迷子の子役の愛らしさは、もう理屈ではない。台詞のない役を、仕草や表情で力一杯表現
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パッドマン 5億人の女性を救った男(2018年製作の映画)

4.0

インドはこんな映画も作れるのか!と衝撃&尊敬。日本では難しいだろうなー。
女性の体について、日本でもまだまだ公にし辛い風潮や、宗教的に憚る意識、男性の無理解などはあり、異国の話、過去の話としてではなく
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SANJU/サンジュ(2018年製作の映画)

3.9

サンジャイ・ダットについては何の予備知識もなく。最近見たインド映画が面白かったので、こちらも気になって。

スターの栄光と影。酒、薬、性。映画でもありきたりのテーマで、最近大ヒットした「ボヘミアン・ラ
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ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた(2018年製作の映画)

4.0

夢、現実、人生、愛、友情、恋愛、親子、家族。
それら全てに、いつも音楽が寄り添っている。

経済状況、進路、恋愛、親の老化。ごく普通の人生に、誰もが感じている不安や生き辛さが影を落としている。
けれど
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神と共に 第一章:罪と罰(2018年製作の映画)

2.7

レディースディに、何の予備知識もなくふらっと観賞。

初韓国映画だったので、こんなCG盛り盛りエンターテインメントなんだー、と吃驚。俳優さんはスタイル良くて見栄えするし、アクションもかっこいい。
地獄
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