cozyさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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ヨーロッパ新世紀(2022年製作の映画)

4.5

地味だけどなかなかおもしろい。
ルーマニアの小さな村のコミュニティの中で、パン工場でスリランカ人を雇ったことをきっかけに対立が起こる。話し合いの場では各々が自分の意見を主張するが主人公だけは自分の意見
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ラ・ハウリア(2022年製作の映画)

1.0

コロンビアのことはよく知らないが、大人に虐げられているとはいえ子どもたちも犯罪を犯しているわけで擁護のしようがない。そうしないと生きていけない過酷な状況なんです。と言われてしまえばそれまでだが全くもっ>>続きを読む

アシュカル(2022年製作の映画)

3.0

ジャスミン革命によりベン・アリーによる独裁政権に終止符が打たれた時代。革命直後の不安定な政権に対する社会全体の不安が実体の掴めない犯人というところからも感じられる。舞台の地域はもともと有力者のための土>>続きを読む

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)

4.5

想像の斜め上をきた。
前半は若い男女の恋愛ものとして普通におもしろい。女の子(かわいい)の好きなことをして「とにかく、生きてる」っていう台詞が良かった。しかし時折見え隠れしていたヤバさが顕在化した後半
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1976(2022年製作の映画)

5.0

ピノチェト独裁政権下における日常に潜む恐怖を描きつつ、サスペンス映画としての見応えも抜群。色彩や音響の1つ1つにもこだわりや意図が感じられ、映画という総合芸術として完成度が非常に高い。
ぜひもう一度観
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葬送のカーネーション(2022年製作の映画)

3.0

トルコはヨーロッパで最も難民を受け入れている国であり、今作も自らの故郷に入ろうとした難民が逮捕されたという実際に起きた出来事をもとに制作された映画。
印象的だったのは2シーン。
1つ目は洞穴で夜を越す
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輝かしき灰(2022年製作の映画)

3.0

序盤に顔と名前を一致させられず、話に追いつくのに手こずってしまった。
女性陣の辛抱強さは確かにすごいのだが、それ以上に男たちの身勝手がすぎる。男の自分から見て、情けなく思う。
なんとか振り向いてもらお
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蝶の命は一日限り(2022年製作の映画)

2.5

ダムの建設により沈んだ町の一部が島のように残っていた。そこにイランイラク戦争で亡くなった息子のお墓がある母親は立ち退きを拒絶し、策を尽くして島へ渡ろうとする。
ロケーションや展開は実際の出来事そのまま
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第三次世界大戦(2022年製作の映画)

4.5

「歴史は繰り返さないが、韻を踏む。」
この映画はすごい。
物語前半で散りばめられるボケに笑わされるが、後半では全く笑えない。楽観的な観客を黙らせる演出の妙。
冒頭の犬の話やブレスレットなどの伏線。
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突然に(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

なかなか主人公が過去の話をしないので、そこまではひたすら主人公を見守っていた。耳が聞こえなくなったのは静かなドイツに30年いたからだというのはなるほど思った。
上映後Q&Aにて「故郷を離れても戻ればそ
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ザ・ウォーター(2022年製作の映画)

3.0

三世代で暮らす女性3人の家族。出て行こうとする娘と引き留める母、祖母。こういった珍しくない家族の問題を、代々水になる能力があり、水に好かれて飲み込まれてしまうという言い伝えを絡めて描いている作品。娘は>>続きを読む

ライフ(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

受難の主人公が様々な人との邂逅を経て、報われるお話。ただ彼自身が困難を解決することはなく、待っていれば報われるかのようなまとめ方は少々納得がいかなかった。
それにしても最後のホテルの件は突飛で衝撃的だ
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CURE キュア(1997年製作の映画)

4.0

全編通したジメッとした雰囲気だけでなく、自殺現場の幻覚描写やサブリミナルなどの唐突な演出が怖い。赤いドレスもしっかりと登場。
精神と精神、もしくは自分自身の精神との戦いはオカルトチックだが、この映画で
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マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.5

とてつもない痛みを抱えた主人公に寄り添いつつ、しかし映画として重くなりすぎていない。これには甥であるパトリックの立ち回りが貢献している。リーとの距離感が絶妙で、年齢よりも大人びてみえる登場人物だった。>>続きを読む

リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

4.0

これはおもしろい。今まで知らなかったがハンガリーでは日本人は親戚だと思われているらしく、日本語が通じる人もいるそうだ。
トミー谷は最高だし、ミーツバーガーの店内音楽も好き。
トミー谷はなかなか残酷なや
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エヴォリューション(2015年製作の映画)

2.0

女性たちは新しい生殖方法を模索してヒトデにでも成り代わろうとしていたのか。
逃げられないためには絵を描かせるべきではない気がするし、死体も埋めるべきだと思う、そこらへんのゆるさが気になった。
男の子た
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ナイロビの蜂(2005年製作の映画)

3.5

金のために命まで搾取するのかと言いたくなるが、それを経て開発された薬が出回っているのも事実。自分が抗うとすれば薬を使わないことしかできない。ただその利権に真っ向から立ち向かい、散っていった夫婦の絆には>>続きを読む

暗くなるまで待って(1967年製作の映画)

3.5

オードリーヘプバーン出演作初観賞。
状況を把握した時のスージーの恐怖は想像を絶するものがある。失明したのはたった1年前で、生活も1人ではままならない。それを示す灰皿の件は秀逸だった。
暗闇にすることで
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見えない恐怖(1971年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

死体の一部がさりげなく画面に入っている演出が怖さを助長する。あんだけ死体から血が出てたら匂いで気づくだろとも思ったが、サラが異変に気づく風呂場の状況はかなり怖かったのでよしとした。
犯人の動機が冒頭の
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dot the i ドット・ジ・アイ(2003年製作の映画)

2.0

そりゃプライベートをおもしろがって公的なコンテンツにされてたらキレるのは当たり前の話で、婚約者が殺されるのもそりゃ当然の報い。
ただそれのおかげで真実の愛を見つけちゃいました、できた映画で有名になりま
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林檎とポラロイド(2020年製作の映画)

4.0

クレジットの最初に「コンスタンティノス・ニクの思い出に」とあったから、監督自身の実生活の出来事から生まれた映画なのだろう。
八百屋から林檎は記憶障害を防ぐ役割があると聞いて食べるのをやめたことから、主
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ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)

3.0

親のエゴは子を殺し、人格を歪める。
冒頭から孵化するまで前半部分の展開に無駄がなく、むしろ予告編かのような最低限のシーンで構成されておりテンポが異様に良い。
孵化後は悪いほうへ進んでゆくばかり。
ティ
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フランス(2021年製作の映画)

4.5

変わらないまま変わってゆくかっこよさ。
変わったのは伝え方。物語前半ではキャスターとしてだけでなく演出もこなすなど精力的に仕事をしていた。しかしその出来上がったニュースを人が見ている描写がないようにど
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肉弾鬼中隊(1934年製作の映画)

2.5

初っ端で仲間が撃たれるがそこまでの緊張感の高まりを感じない。その後、死亡フラグを立ててその通りに次々と殺られていく。軍曹は上の立場というのもあり傲慢だという印象を受けたが、そのくらいガツガツしてないと>>続きを読む

デッドロック(1970年製作の映画)

2.0

どこかのタイミングでケースの中身のすり替えやるんだろうなと思ったら、まさかのクライマックスでの展開だったので全体的に想像通りの展開。最後は欲がないものの手に金が渡るのかと思いきやそんなこともない。
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コックと泥棒、その妻と愛人(1989年製作の映画)

4.5

一緒にいても自分のためにならない人っているよななんて思って見てたら、凄まじい夫婦の応酬が始まり一気に見応えが増す。
厨房とトイレシーンは多少の寄り引きがあるもののずっと正面から撮っているので演劇っぽく
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グレイン(2017年製作の映画)

3.5

「息吹か、穀物か?」
仕切られた内側の最先端の現代社会から外の古代をも思わせる自然ある文明的世界、種子を拾い地上から巣へと帰っていく蟻、冒頭の問いに穀物と即答するところから気づき変化していった主人公の
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悪魔の植物人間(1973年製作の映画)

3.0

教授はさも自分の研究が意味ありげに語っていたが、人間が植物の機能を得たとしてもあの見た目で社会生活を送れるわけもない。結局奇形の怪物をつくりたいマッドサイエンティストである。それは生まれつき身体に特徴>>続きを読む

ラビッド・ドッグス(1974年製作の映画)

4.0

「Kidnapped」このタイトルがオチを物語っている。厄介事は全て殺しで解決するのであまりにも命が軽く、なかでも人質を取ってあのまま刺し殺すパターンは初めて見た。ただバンバン死ぬのでテンポも良くむし>>続きを読む

イレブン・ミニッツ(2015年製作の映画)

3.0

互いに関係のない人たちがドラマというほどでもない11分の末に爆発事故に巻き込まれるお話。群像劇であるがすごいことが起こるわけではないので見応えはあまりない。フィルムカメラで撮った写真のようなカットをぶ>>続きを読む

不都合な理想の夫婦(2020年製作の映画)

3.5

ローリーは自身の仕事や家族の形への理想が強いあまり、現実が追いついていないのにそうであるように振る舞う。よくもまああんな堂々としてられる。むしろそれが理想なのだが。
ただ妻に対して「お前も金持ちに憧れ
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