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メック・カデッツのShingoのレビュー・感想・評価

メック・カデッツ(2023年製作のアニメ)
4.0
ポリゴン・ピクチュアズの3Dアニメーション最新作。
これはかなり良作と言っていいのでは。全体の作りは「トランスフォーマー」「パシフィック・リム」を混ぜた感じ。
登場するロボのデザインはバンブルビーに似たフォルムで、地球にやってくる外敵はパシフィック・リムのKAIJU(怪獣)に酷似している。
少年少女がロボのパイロットになり、地球外生命体と戦う非常にオーソドックスなアニメだ。

作風は完全に米国の子供向けスタイルであり、いわゆるオタク向けロボットアニメとは一線を画す。主人公がアジア系(中国系)ということもあり、ちょっと「ビッグ・ヒーロー・シックス(ベイマックス)」を思わせる。
時代は2075年の未来、舞台はアリゾナ。主人公のスタンフォードはロボのパイロットになる夢を持ち続けているが、試験に落ちて候補生にもなれない。しかし、ひょんなことからロボに選ばれ、絆を結ぶことになる。
そこの展開は、「僕のヒーローアカデミア」っぽさもある。

ロボに人格があり、彼らとパートナーになるという設定は、昨今話題のAIとの関係性を象徴的に描く。ロボはハイパーテクノロジーで作られているが、本来は戦闘用ではなく武器を持っていないというのも意味がありそうだ。
そして、負傷したロボが「死ぬ」という設定からも、AIをただのプログラムとしては扱っていない。オリヴィアの乗る機体が完全に「兵器」であるのと対照的だ。

日本のロボットアニメを見慣れた層からすれば「どこかで見た設定」「どこかでみた展開」が多いとは思う。しかし、それらを下敷きにしてリファインした「これからのロボットアニメ」の始まりを感じた。
10代の少年少女が主人公のSFジョブナイルとしても楽しめる作品だ。
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