現代だからこそできる心霊アベンジャーズともいえる手法で（心霊）フェイクドキュメンタリーのジャンルを新たに開拓したエポックメイキングな1作目、そして1作目の設定や利点を生かしつつ、バカバカしくも楽しい、それでいて嘘くさくならないギリギリのラインを攻めた傑作2作目。
そして、本作「EYE」は、心霊マスターテープと冠しているがスタッフ基本は一新されており毛色は違う。
後々この世界が我々のいる世界（心霊マスターテープの世界）と同一だと分かるが、主人公格の人物がはっきりとフィクションの中の人物であり、物語もいわゆる普通のドラマ的な面白さに舵を切っている。
だから、シリーズものとして見ると少し肩透かしは食らうがこれはこれで面白い。
題材は今回も大ネタで見れば呪われる動画。その背景にイジメが絡むのもいかにもフィクションっぽく、エンタメとして王道感がある。
と言っても個人的にいじめをそのような（いじめられっ子がいじめっ子を呪う）扱いをするのに違和感を覚えるタチなのだが、本作ははっきりと加害者を「最低」と断罪している上、彼らの成長を促すために「カメラには映らないものもある」というまさに心霊動画そのものを思わせるセリフもあって、非常に好感を持てた（というかある種の感動すら覚えた）。
とまあウダウダ書いたが、ホラーとして大変楽しい、きみの悪い演出が多々あり、今回もなかなかの良作だった。
