みーちゃん

模仿犯のみーちゃんのレビュー・感想・評価

模仿犯(2023年製作のドラマ)
4.0
宮部みゆきの小説から約25年が経過したのに驚き。夢中になって読んだのを覚えてる。

台湾ドラマが初めてネトフリ世界視聴ランキング入りしたというのに興味があって見た。ジャケットの印象は軽めだけど、それとは裏腹に、1話目の引き込む力に制作陣の並々ならぬ本気度を感じた(実際、脚本だけで2年、撮影に1年以上かけたというのだから、原作を充分に研究し、リソースも満を持しているのが分かる)。

時代設定を改変せず、90年代後半にしたのが良い。起きていることは今も続いていて、いや、もっと悪化していて全く昔の事件ではなく、インターネット、スマホ、SNS等が出てこないのが逆に新鮮で、より本質にフォーカスできる気がする。だから、今これをドラマ化する意味を感じた。 

アレンジには賛否両論や好き嫌いがあるかもしれないが、如何なる社会や個人の背景があるにせよ、この犯人像の薄っぺらさと、それを乗り越える人間の力を信じさせてくれる、絶妙なバランスを体現できたのは、やはり主演のウー・カンレンが大きい。お疲れ様でした、と言いたくなる。

あと被害者の祖父を演じたチェン・ポージェンに感銘を受けた。演技だと分かっているのに涙が出ちゃう。私が知らないだけで、きっと有名な役者に違いない。今後の台湾ドラマにも注目したいと思う。