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本気のしるしのペインのレビュー・感想・評価

本気のしるし(2019年製作のドラマ)
5.0
『淵に立つ』『よこがお』と深田晃司監督作はこれまでも面白く観てきたつもりではいるけれど、本作『本気のしるし』は圧倒的。

最新作『LOVE LIFE』も公開中に観とかなくてはという気にさせられたけれど、『本気のしるし』は現状の最高傑作ではないか?

一昨年、もしカンヌが開催されていたら『ドライブ・マイ・カー』より1年先に大きく騒がせていたのではないか…などとも思ったり🤔

本作、観ていてとにかくイライラするとの反響が大きいみたいだけれど、その"共感性がまるでない"ということが最後には結果として最たる共感、感動を生み出しているようにも思う。たしかにダメ男とダメ女の大博覧会映画には違いないのだが(笑)

まず主演二人のキャスティングがあまりにも絶妙で、主人公の辻は森崎ウィン自身の優等生イメージをある種そのまま逆手にとったような配役で説得力しかないし、ヒロインの浮世は土村芳の決してTHE美人というわけではないけれどそれ故に醸し出される妙な色っぽさと素朴さが魅惑的。

エドワード・ヤンに接近したようなショットもあり、また深田版『寝ても覚めても』等と言われるのもわかる。個人的には70年代邦画(主にATG)を観ている時の感覚にも接近しているなと。
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