ゆず塩

劇場版 荒野に希望の灯をともすのゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

「一隅を照らす」
映画の中ではあまり出て来なかったけれど、中村哲さんが好んで使った言葉らしい。

『コテンラジオ』というポッドキャストの番組で“中村哲”さんを知ったことから興味を持ち、地元図書館にDVDがあったので視聴。
中村哲氏のアフガニスタンでの活動をまとめたドキュメンタリー映画。
中村哲さんは、アフガニスタンで人道活動に35年間従事した日本の医師です。

ざっくり活動内容をまとめます(間違いもありそう……)。
以下を読むと完全にネタバレ。

中村哲、1946年9月15日生まれ。
1973年、医学部卒業。
1978年、山岳隊員としてパキスタンへ登山と昆虫観察を楽しみに出発。しかし、医師の居ない現地の状況に直面。診療をやれる範囲で実施。
1984年、中村医師37歳。ペシャワール(パキスタン)の病院に赴任。
現地住民に「一時的な治療」「直ぐに去るのではないか」等、不審に思われるが信頼を段々と得ていく。
アフガニスタンとパキスタンの国境近くであるため、両方の地域で診療を行う。総合病院も開設し、現地の医療体制改善に貢献。
アフガニスタンで、大干ばつが起こり、井戸が干上がる。
医療提供以前に水不足、食糧不足であるため、井戸を掘り起こす活動も実施。
2001年、アメリカ同時多発テロ事件。アメリカがアフガニスタンへの報復攻撃を決定。現地の治安が悪化、帰国。また、“日本のアフガニスタンへの自衛隊派遣反対”のため国会で答弁を行う(しかし、日本は自衛隊をアフガニスタンへ派遣)。
アフガニスタンへ帰国後、干ばつで苦しむ人々のため用水路の建設を計画し始める。独学で土木の勉強を行い、現地の人々を説得。工事に着手する。(工事現場の上空をアメリカ軍のヘリが飛んでいる様な状況)
2010年、25kmの用水路が完成。
その後も、学校の建設や、別の用水路の建設など人道支援を続ける。
一方で、大雨で用水路が土砂に埋もれることも発生。
2019年12月4日、車で移動中何者かに銃撃を受け死亡。

ざっくりこんな活動のドキュメンタリー映画。
間違いなく偉人でしょうね。

医療活動よりも、土木系の活動が印象的でした。
そして、自然に翻弄される人間の姿に「もののけ姫かな」って少し思ったり。
でも、中村さんの経験があるから発せられる言葉は重みが別格。フィクションじゃないからね。ま、ドキュメンタリーも意図的に作られた編集ではあるけれど。胸を打つものが多くありました。

映画として面白いのかは、よく分からない!
でも、自然との闘いや、人間の争い、生活、生き様、色々な物が垣間見れました。同じ日本人で人道的な活動を行い、大勢の命を救った人がいることを知ることが出来て良かったです(感想が浅い……)。

●以下参考
『中村哲医師特別サイト「一隅を照らす」-西日本新聞』
https://specials.nishinippon.co.jp/tetsu_nakamura/
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