ゆず塩

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のゆず塩のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

物語としては結構シンプルだと思う。

【あらすじ】
時は1971年。舞台は、ワシントン・ポストという地方新聞社。
キャサリン・グラハムは、この会社の責任者であるが元々は祖父が経営していた。
祖父が亡くなった後は夫が経営していたが、自殺してしまう。
そこから経営を引き継いだキャサリンだったが、自信はあまりなく委縮しがちであった。
会社を株式に上場した同時期、会社ではアメリカの機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」のスクープを手に入れる。
文書の内容は、アメリカ政府が国民に嘘をついてベトナム戦争を推し進めていた。
しかし、スクープを報道すれば刑務所に入れられる可能性が高い。
自分の身や会社を切り捨てる覚悟でスクープを暴くか、スクープを取り下げるか決断を迫られ、キャサリンは国民に真実を伝える決断をする。
スクープは新聞に掲載され、政府から脅しもされるが他の出版社もワシントン・ポストに続く。
スクープに関する裁判でも勝訴。
そして時代は「ウォーターゲート事件」へと続く。

【感想】
かなりの上から目線だけれど、スピルバーグ監督じゃなかったら「凡作だなぁ」って思ったかも。というのも「スピルバーグ監督すごい!」というフィルターがかかっちゃうからなのですが。
あと最近見た映画が、『ラ・ジュテ』と『哀れなるものたち』なのですが。どちらも独特の演出だったので、今作の安定した画面にとても安心しました。奇をてらわずにカッコいい画面、って言うのは素晴らしいなぁと改めて思った。

メリル・ストリープ演じるキャサリンがどう成長していくのか、時代の中で女性がどのような立場であったのか、そうした点をしっかり映していてよかった。というか、すごくしっかり演出されているというか。ほぼほぼ、女性の立場が弱いとかそう云う事は劇中でいう事はないんだけど、キャサリンと彼女を取り巻く環境を見ていれば全部わかる。セリフで説明してないのに、スピルバーグ監督が演出したせいか分かりやすすぎるけど!メリル・ストリープは、本当すごいねぇ。今回は、かなり普通のおばさんっぽい感じなんですが。気が少し弱い感じとかが、しっかり表現できていて。

セリフ回しも、クセがあって好き(吹き替えで見てます)。
前半で、ニューヨークタイムズの記者に記事を渡したとき「歩くなよ」って言ってて。「急げ!」とかじゃないんだよね。
スクープ系だと、『スポットライト 世紀のスクープ』が見た事あるのですが。『スポットライト』は、みんな自然な演技といいますか。多種多様な人たちが出ているのが魅力的なんだけど。『ペンタゴン』は、メインのメリル・ストリープとかトム・ハンクスが目立ってたかなぁ、って思ったり。個性的な俳優さんがたくさん出てた気はするけど。でも、メリル・ストリープの成長や女性の活躍とかそこらへんに焦点当ててた印象。
演出とか、キャラクターの見せ方がそれぞれ違いがあっていいですね。

にしても、ドラマになる人がいたものだ。よく見つけたものだ。

関係ないけど、フリッツ・ビーブ役のトレイシー・レッツが好きかもしれない。ガタイが良いのに、妙に優しい感じがする良いおじさん。他の出演作は『レディ・バード』『若草物語』『フォードvsフェラーリ』とかで見ているが……もっと他で見た事ある様な……。
あ、わかった。多分ジョン・ファブロー監督と勘違いしている。(自己完結)
ゆず塩

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