フェティシズム、いわゆる「フェチ」、特殊な細部や部分対象への偏愛を指す概念「倒錯的な性的嗜好」と「生き方」についてがテーマの珍しい作品。
『逃げ恥』で森山みくりを演じていた同一人物とは思えないほど、”死んだ目”をしたガッキーの演技が素晴らしかった。
あんな単語を発してしまったり、ベッドであんなことをしてしまうガッキーにもビックリ。
マジョリティ(多数派)とマイノリティ(少数派)で言うと、僕は明らかにマイノリティ側なので、とても興味深く鑑賞した。
検事として働く寺井(稲垣吾郎)は、不登校となってしまった息子の教育方針をめぐって妻とたびたび衝突していた。
世間との断絶を望んできた販売員の桐生(新垣結衣)は、中学時代の同級生である佐々木(磯村勇斗)が地元に戻ってきたことを知る。
また、イケメンながらも周囲と距離を置く諸橋(佐藤寛太)と、彼を気にする大学の同級生の神戸(東野絢香)。彼らは誰からも理解されないという理由で、生きる意味を失いかけている。
一見、無関係に見える5人の人生は、ある事件をきっかけに交錯していく。といった内容。
作品の中で静と動が上手く融合。
俳優陣はみな、感情を抑えた演技や爆発する演技が素晴らしかった。
普段の死んだ表情から一転、イキイキした動きや表情もフェチに対する喜びを上手く表現していた。
伝わりにくく難しいと思われる、演出もよかった。
ただ、テーマは面白いが、正直フェチの対象がカラダではないので、僕には肝心な葛藤部分があまり共感できず、そこまで入り込めなかったかも。(^^;)
みんな何かしらのフェチはあると思うし、少なからず様々な(誤解を恐れずに言うと)変態的な部分もあるのではないだろうか?
「多様性」という言葉にするとなんだか美しい気がするが、それは個性であり、趣味嗜好、それが生き方にもつながるって全然普通なこと。
ストーリーの根幹部分と直接関係ないが、個人的にYouTubeを5つほど運営しているので(1番多いチャンネルは15万人)、徐々に登録者さんが増えたり高評価をもらえたりする喜びや、コメントをいただくことが原動力になったりする気持ち、苦労も痛いほど理解できる。夫婦間でぶつかるシーンはとてもリアルに感じた。
ゴロちゃんにはバカ呼ばわりされていたが。笑