モモモ

猿の惑星/キングダムのモモモのレビュー・感想・評価

猿の惑星/キングダム(2024年製作の映画)
3.9
猿の惑星・新章。
ここまでコテコテの「3部作の1作目です」な作りだとは。
何だか懐かしいハリウッド映画を観ている気持ちになりましたね。
曖昧な態度を取らずに「前回の3部作の続きです」と宣言する開幕が良い。
「創世記」を観た時は僕も中学生でしたから。感慨深いですねぇ。
今となってはシーザーは「かつて」の物語で、立派な聖典の一つとなった訳です。
メイズランナー1作目の時も感じたが、ウェス監督は良い意味で「TVゲームっぽい」映像演出が多くて良いですね。
鳥の卵チャレンジなんかね、見えましたもん崖登りのR2ボタンと鉄パイプゲットの×ボタンが。
物語自体はシンプル。
復讐譚で、成人の義を済ませる成長の物語で、支配への抵抗で、行きて帰りし王道のロードムービー。
鷹に拒まれた少年が、覚悟と哲学を持った事で認められるあの瞬間。
「やはり人間は醜い」と擦り倒す同族殺しと道具による暴力性の発露。
初代、創世記と言った「1作目」を最も世襲していたのは「言葉を喋った瞬間の驚き」を再現した事じゃないですかね。
最終盤での「そういう世界設定なのね」と言う驚きも本作を堂々たる「猿の惑星」にしているのではないでしょうか。
あとはなんと言っても映像表現ですよね。
アバター2と同じ事してんだもん。そりゃ凄い映像の連続ですよ。
猿の毛並み。水。表情。虚構が虚構を超えてしまうような、SFを本当に撮影してしまったような実在感。ロケ撮影の強さ。
これこそ「ハリウッド映画」と思える贅沢な瞬間の連続。
続き、ちゃんと観たいですね。
敵対して、連鎖して、憎み合って欲しい。
モモモ

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