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ゴジラxコング 新たなる帝国のモモモのレビュー・感想・評価

3.8
ゴジラVSコングからウィンガード監督続投でモンスターバースは更に荒唐無稽にまっしぐら。
リアルスティックな作劇だった1作目、東宝産怪獣を増量して神話的ケレンで怪作へと進んだ2作目、そんな2作を懐かしく思ってしまう「細え事は気にすんな!!スピードバトル!!怪獣プロレス!ガハハハ!」がVSと本作だ。
劇伴の一貫性の無さが監督の続投で初めて統一された点が1番嬉しいですね。
欲を言えば伊福部音楽で統一して欲しかった物ですが。
ギャレス版から10年近い時間が経ったとは言え同一世界線の「ゴジラ」がこの系統の作品になってしまうなんて、ハリウッドは魔境です。
フィギア画像で隠し球の怪獣は知っていたけど、蓋を開けてみたらビックラポン。デザインがデザインなのに「別にゴジラに因縁がある訳じゃない」んですから。
なんか亜種的なね、そんなデザインじゃないですか。ただただ2対2を際立たせる為だとは思わないじゃないですか。
「悪のコング」1点勝負のスカーキング、僕はかなり好きになってしまいましたね。
カリスマ性は一切ない、ただただ力で周囲を支配する王様。コング族達は痩せ細り毛も疎らで「虐げる」と言う言葉の擬人化(擬猿化?)ですよ。
ヴォルデモート的な肝の小ささと言うかね。倒され方の因果応報にザマァミロ・ガッツポーズ。
ミニコング・ヌンチャクと言い、ゴジラ×コング猛ダッシュと言い、楽しんで作ったんだろうな…感にニッコリ。
前作から更に強調される怪獣の(というかゴジラの)スピード感と「人間的」なアニメーションのお陰で無声映画的と言うか、怪獣達による「台詞に頼らないドラマ」が成立している事には素直な驚きと称賛を送りたい。
その代わり、人間側のドラマが説明一辺倒で参ってしまうんですが。
「てめぇ!誰の許可得て地上に出てきた!!」みたいなゴジラがパワーアップ・コングパンチでちょっと気を失ったのちょっとふざけ過ぎで面白いし、その後モスラに説得されたら速攻でコングと最高にコンビネーションを見せるのも更に面白い。
とにかく実証主義とは正反対なグリングリン動くカメラワークと怪獣の撮り方も、ラストバトルくらいまで振り切ってくれるのなら個人的にはアリですね。
「ゴジラのねっせんは、つよい」みたいな元も子もない戦闘描写、前作から一貫してますよね。
怪獣プロレスって言う割にはプロレス技使ってなくね?俺はやっちゃうけどね!も良かったなぁ。
個人的にはギャレス版の路線の発展系をハリウッド版でも観たいんですが、無理そうですね。
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