モモモ

貴公子のモモモのレビュー・感想・評価

貴公子(2023年製作の映画)
3.9
骨太ノワールかと思って観にきたら自身のパク・フンジョン自ら歴代監督(脚本)作を相対化するようなブラックコメディ映画で意表を突かれましたね。
この手のノワール物を解体する「元も子もない」展開と収束が面白い。
アクションのキレは相変わらずで(特に最終盤の銃撃戦)、三つ巴四つ巴に展開していくキャラクター相関図も魅力的。
そんなキレのある世界観の中で輝くのは何処か抜けた瞬間(コメディな瞬間)のある王道外し的展開と小言ばかり言うキャラクター達。
悪党達はだし抜かれ、小物じみた発言を繰り返し、元も子もない顛末の中で死んでいく。
「思ってたのと違う」が心地よい作品だが、それが本作をハイコンテクストな作品にしてしまっている一面も。
財閥はクソ、ハーフの苦難、だけど諸々勘違いで丸く収まるのでハッピーな1作です。
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