パトラ

名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)のパトラのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

コナン、服部、キッドの3人が上手いこと絡み合いながら動き続け、見せ場がけっこうあって面白かった。
サブキャラ含めて、見せ場が1人に限られることも、誰かが空気になることもなく、キャラクターたちがイキイキと動き回っていた。

今回は服部とキッドが完全に主役って感じで、コナンと蘭姉ちゃんが綺麗なアシスト役みたいになってて、これはこれで良い。蘭姉ちゃんは完全にラブコメの友人枠みたいなポジションで、それが妙にハマっていたな。
蘭姉ちゃんはメインヒロインやるより、あれくらいのポジションの方が魅力的になるな…笑

服部の魅力がよく出てた。
刀を使ったバトルに長けてる戦闘力も、新一と蘭の関係性に刺激される恋愛要素も、突然現れたイケメン医学部に噛みつく年相応の幼さがあるところも、観ていて応援したくなるキャラクターだった。

テンポも非常に良く、場面がサクサク変わり、どんどん新しい事実やヒントが明らかになっていくから、退屈するヒマがない。
博士のなぞなぞコーナーがあまりにも唐突&瞬殺だったのは笑った。

不満を挙げるとするならば、メインの軸になるはずの殺人事件や犯人の行動原理のショボさ。

容疑者の選択肢が無さすぎるから、特に証拠も推理もなく、消去法で犯人の予想がつくし、なんか殺人事件や終盤の騒動に至った動機や経緯もピンと来なかった。
函館山を爆発してどうすんねん笑
そしたらたくさんの無関係な人が死ぬに決まってるやん…せめてお宝がなんなのか目で確かめてから行動するやろ…

コナン映画のことだから、お宝は金塊とかじゃなくて、誰かのために残したその人だけの宝物で、だからキッドも手につけずに去っていく…みたいなオチだと予想していたのだけど、戦時中の暗号機ってなんやんねん…
知らんわ笑

殺人事件の調査というよりも、隠されたお宝を探し求める探索パートが完全にメインになっていて、色んなキャラが色んな角度からヒントをくれるので、そこが面白い。
紅葉とか園子とか、外野にいるキャラがしっかり機能しているのもいいね。
紅葉はコナンたちのアシストもしつつ、服部の邪魔もしているのが絶妙なバランス。
邪魔だけしているとヘイトが向いてしまうので、これくらいの役回りがちょうどいい。

いっそのこと殺人事件とか毎度の爆発騒動とか、そういうのを0にして隠されたお宝探しに全振りした方が良かったのではと思った。
まぁそこはコナン映画のルールみたいのが多分あるから、必ず殺人事件と爆発騒動を入れなければいけないのだろうけど、今回の映画のはそこが足を引っ張っていた印象。(今作に限らず、コナン映画はちょくちょくそういうのある)

新一とキッドが従兄弟だったっていうのは、さすがに後付けやろと思わなくはなかったけど、それはそれで受け入れられるしワクワクしてしまうのは、コナンシリーズのキャラクターたちの魅力ゆえかな。
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