パトラ

クロスロードのパトラのレビュー・感想・評価

クロスロード(2015年製作の映画)
3.4
縁があって鑑賞。

海外協力隊のプロモーション映画感はもちろん感じたけど、一本の映画としてなかなか良かったと思う。

良い点
・主人公の沢田と同期キャラ羽村の対比はとても良かった。

ボランティアとしての志が高すぎるあまり、ちょっと空回りしている感のある羽村が良いキャラしてた。
ドジョウ養殖始めようとして、全然村民から注目してもらえないとこで、ちゃんと羽村の思いを汲み取った村長が出てくるところは名シーン。

逆に、ボランティアとしての志は低い沢田のほうが、村民たちとは打ち解けやすく、それが羽村からしたら羨ましいっていうのは、なるほどと思った。

それを通して、活動の終盤に羽村がパートナーの夕食に参加するっていうのは、とても良い流れだった。


良くない点
・『ボランティアなんて偽善だ』と主張する主人公沢田のキャラがイマイチふわっとしていたかな。

というか、羽村との対比を描きたいあまり、ちょっとこの沢田が嫌なやつ過ぎた笑
『そんなボランティアに嫌悪感って、人にいちいち噛みついてくる人間が、そもそも海外協力隊に来るわけないやろ』と突っ込むしかない。

フィリピンの少年が強盗されているところから、フィリピンの暮らしの問題点を見つめていくのは流れとして良かったのだけど、それが『ボランティアは偽善なのか、ボランティアとは何か』っていうテーマのところには繋がらなかった印象。


ちょっと、映画の中で起きていることよりも、テーマが先行してしまっているかな。
沢田が、海外協力隊としてではなく、ただの観光や放浪みたいな感じでやってきて、フィリピンで羽村との出会いや貧しい姉弟との出会いを通して、海外協力隊に参加を決意する…みたいな流れならスゴく綺麗だったと思うのだが🤔
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