Omizu

わが街のOmizuのレビュー・感想・評価

わが街(1991年製作の映画)
3.1
【第42回ベルリン映画祭 金熊賞】
『スター・ウォーズ』シリーズの脚本家として知られるローレンス・カスダン監督作品。ケヴィン・クライン、ダニー・グローヴァー、スティーヴ・マーティンなどが出演する群像劇で、アカデミー脚本賞にもノミネートされた。

一番連想したのはポール・ハギス『クラッシュ』だった。人種差別、不倫などを描き、全てが微妙に繋がっている。原題は「グランドキャニオン」であり、オチと繋がってくる。

まあまあかな。中盤の飛翔シーンが印象に残っている程度で、差別を扱いながらもソフトな着地をするタイプのよく出来た群像劇という感じ。

同じ年のベルリンコンペだと『ロアン・リンユィ』やロメール『冬物語』、クローネンバーグ『裸のランチ』など。それらを超える作品だとはあまり思えない。

登場人物としてはオーティスが一番キーになると思う。黒人街のギャングから離れられない青年で、終盤明らかな差別に遭う。ただ、最後に何かされた部分を描いてくれないのでつまらない。

不倫する男や足を撃たれた映画監督、異人種間の交流などにあまり興味を持てず。表層的な印象。テーマは重い割に軽い描き方だなという…

いい映画だとは思うが、なぜこれを金熊賞に選んだのかが謎。悪くはないが傑作ではないと思う。良くも悪くもローレンス・カスダンらしい作品とは言える。
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