ミサホ

アンジップトのミサホのレビュー・感想・評価

アンジップト(1994年製作の映画)
3.7
大阪 四天王寺では今、青空古本祭が行われている(毎年、春と秋に開催)。本はもちろん、CD、DVD、ポストカード、映画パンフなんかもあり、東西南北のエリアごとにスタンプラリーもある。

各テントを回ってお宝探しだ。

今年はすでに3回足を運んだけれど、毎回リュックがぱんぱんになって、くたくたになるのにとても楽しい。

そんな古本祭で見つけたのが、90年代のいわゆるスーパーモデル全盛期のファッション・ドキュメンタリー作品。

ジャケットはモデルたちにスポットを当てているようだけど、実のところ中身はデザイナーのアイザック・ミズラヒのショーに向けての準備を追った作品。

スーパーモデルを餌に釣ってますね。
商業主義のいやらしさが出てます。
アイザックに失礼ですよ。

アイザックのデザインする服は、あんまり好きではない(あんたも失礼やね)。でも、人としてのアイザックは喜怒哀楽がはっきりしてるし、どちらかというと明るくて楽天的な人物かな。それでも世間の評価をとても気にする辺りは人間らしい。

ナオミ・キャンベルとのフィッティングで、ナオミの細いチェーンがついたへそピアス(インドっぽい感じの?)をアイザックが「私物は外して」って言ったのに対し、外したくなくて「いや見えへんやん」とかあーだこーだ言い訳するナオミ可愛かったな。

あと、リンダ・エヴァンジェリスタは多分、面倒くさいやつ。カーラ・ブルーニはお嬢様だけあって余裕と品格がある。それにケイト・モスは小柄でキュートなのに退廃的な魅力もあって目を引く。

それから、90年代のモデルの中で異質でコアな人気を誇った(たぶん)、イヴが見られたのは収穫!彼女、坊主頭のサイドに大きなタトゥーが入っていて、パンキッシュな外見がめちゃ格好良いな…と当時思っていたのだけど、とてもシャイなようで可愛らしかった。残念ながら、アイザックのショーには採用されなかったみたいだけど。

おっと。
うっかりモデルの話ばっかしてもうた。

この時のアイザックのショーは、バックステージが透けて見える演出。つまりモデル達が次の服に着替えるドタバタっぷりが客席から見えるのだ。

それがウケて、評価も上々。

賞賛する記事が載った新聞📰を嬉しそうに読んでるアイザックが可愛かった。川久保玲や山本耀司、カール・ラガーフェルドなんかとはその辺りの反応とは真逆なのかな〜と思ったり。

本作自体は、モノクロ主体で進んでいくけど、それがたまにカラーになったりする編集もよかった。

スーパーモデルのバックステージや懐かしいモデルの面々も見られて、なかなかおもしろかった。
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