激重の作品でした。
152分…疲れたわい。
瀧内公美さん演じる由宇子は制作会社のプロデューサー。あらぬ噂により死者が出た「ある事件」を報道の立場から追っている。
その事件で身内を亡くした遺族に取材し、彼らの声を番組に…というわけだ。
しかし、由宇子の“正義”は、番組制作側の意図とことごとく対立する。
由宇子の父親(光石研)は、学習塾をしていて、由宇子も講師として手伝っている。学生たちと由宇子の信頼関係が見て取れていい感じ。
由宇子は、仕事に、実家の塾の講師にと忙しい毎日を送っていた。
そんなある日、自身に降り掛かった父の不祥事。正義を全うしたい由宇子。しかし、世間が、社会が許さないのは、仕事をしてきて痛いほど知っている。
社会は残酷なのだ。
でも父の行いは、そのバチを受けて十分な程、他者を傷付けている。
由宇子の最後の選択は、黙ってれば切り抜けられるのに、黙っていられなかった彼女の真っ当さというか、正義がそうさせた。
曖昧なまま、不義を通すことを良しとしない由宇子の生き方は、時間が経てば経つほど、本人に「これで良かったのだ」と晴れ晴れとした感情を残すに違いない。