ふっかー

ニトラム/NITRAMのふっかーのレビュー・感想・評価

ニトラム/NITRAM(2021年製作の映画)
4.3
1996年にオーストラリアで起きた銃乱射事件。事実を基に映画化。主人公は知的障害者の"ニトラム"ことマーティン。

誰だって一度は違う自分、なりたい誰かに憧れますよね。有名な俳優さんだったりプロスポーツ選手だったり。マーティンは"僕以外の人"。みんなと同じ普通の人になりたかった。「とろい」とか「ノロマ」とか「ニトラム」とか言われない人に...。彼の思いが伝わってくるシーンが切ないです。

そのマーティンをケイレブ・ランドリー・ジョーンズが演じています。素晴らしかった。違和感なしです。

どうしたらあの事件を防げたのか。
家族を含めた周囲の人はどう接すればよかったのか。もし自分に子供がいて手に負えなくなったら。どこで、どのタイミングで。どんどん悪くなっていく状況...。考えてしまいました。

昼間観るには深く重い作品です。途中で退席する人も。それでも、事件の犯人だけが悪ではないこと。人間関係や暴力、お金や銃社会などについても考えるきっかけになればと思います。
ふっかー

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