垂直落下式サミングさんの映画レビュー・感想・評価 - 46ページ目

垂直落下式サミング

垂直落下式サミング

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校庭に東風吹いて(2016年製作の映画)

3.5

刑事ドラマでお馴染みの沢口靖子が小学校教師を演じる教育映画。彼女は極度の緊張から人前で声が出せなくなってしまう場面緘黙症の少女と、貧困が原因でグレてしまった少年のクラスを受け持つこととなり、彼らに真剣>>続きを読む

女殺油地獄(1992年製作の映画)

4.1

五社英雄監督による近松門左衛門の同名演目の実写映画版。
江戸の油問屋で実際に起きた殺人事件を元に近松門左衛門が脚本化したが、当時の浄瑠璃では評価されなかった演目だ。その演目が約100年後に歌舞伎として
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ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男(2014年製作の映画)

4.0

20世紀最高の天才音楽家ジェームス・ブラウンの伝記映画。JBを演じるチャドウィック・ボーズマンの完コピが素晴らしく、中年期はJBその人にしかみえない。実際のライブ音源のように音が飛んだり割れたりするコ>>続きを読む

大アマゾンの半魚人(1954年製作の映画)

4.3

ユニバーサル製作のクラッシックモンスター。
ラヴクラフトの『インスマスの影』に影響を受けたであろう半魚人間ギルマンの生物感あふれる造形がカッコイイ。日本の『ウルトラQ』の海底原人ラゴンの回なんかは、こ
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吸盤男オクトマン(1971年製作の映画)

2.0

GEOにまた前時代のクズ映画が入荷されてんなと、何のことなく手に取ってみた70年代のモンスターパニック映画。人型水生モンスターの元祖『大アマゾンの半魚人』みたいな感じなのかなと何気なく検索してみたとこ>>続きを読む

チップス先生さようなら(1939年製作の映画)

3.8

英国の全寮制寄宿学校に長年勤めて、生徒たちに「Mr.Chips」と慕われてきたラテン語教師チップス先生の生涯を描く感動作。老いたチップスが自身のキャリアを振り返り、彼の教員生活の思い出が物語となってよ>>続きを読む

モンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル(1975年製作の映画)

4.2

モンティ・パイソンが円卓の騎士の聖杯探索の物語をモチーフに描くコメディ映画。彼らが製作した一連の低予算劇場映画の中でも特に美術が素晴らしく、古代アイルランドの世界がしっかりと時代考証されてる。そのなか>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル(2000年製作の映画)

5.0

クレヨンしんちゃん映画シリーズ第8作目。
監督は『温泉わくわく大決戦』に引き続き原恵一監督が続投している。現在は『河童のクゥと夏休み』や『百日紅~Miss HOKUSAI~』などのアニメ映画から、黒澤
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黒い下着の女 雷魚(1997年製作の映画)

5.0

『アントキノイノチ』や『ロクヨン』などで知られる瀬々敬久監督初期作品。男と女の悲劇とその顛末を描いたエロティックスリラー。
誰からも求められないことの悲しさや醜さを、冷めた視点で冷淡に映し出している。
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ネバー・サレンダー 肉弾凶器(2006年製作の映画)

3.1

ジョン・シナ主演のクライムアクション。
おすすめのシーンはカーチェイスですね。パトカーをボロボロにぶっ壊しながら妻を拐った強盗団を追跡する場面はめちゃくちゃ面白い。『ルーニーテューンズ』を実写で再現し
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天と地と(1990年製作の映画)

4.2

角川春樹神がかり期の終焉を象徴する大作。
膨大な予算を出しきり燃え尽き崩れ落ちた!そんな映画。本作の川中島の決戦は邦画史上屈指のスペクタクルシーンであります。とにかく人数がハンパない。正しい予算の使い
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丹波哲郎の大霊界 死んだらどうなる(1989年製作の映画)

4.4

「人は死んだらどうなるのか?」という疑問に対して、丹波ファミリー総出演で答えを出してくれるアドベンチャー映画。大学に入ったときに宗教勧誘で無理矢理見せられたビデオ映画のような内容で、死んだ人達と共に死>>続きを読む

ビハインド・ザ・コーヴ 捕鯨問題の謎に迫る(2015年製作の映画)

2.2

捕鯨の是非について日本側の主張に肯定的な立場で作られたネイチャードキュメンタリー。題名からも明らかなように反捕鯨ドキュメンタリー映画『ザ・コーヴ』へのアンサー作品だ。世界的な論争となっている捕鯨問題を>>続きを読む

木靴の樹(1978年製作の映画)

5.0

エルマンノ・オルミ監督の新作公開に合わせて、劇場でリバイバル上映されたイタリアの北部に住む小作人たちの生活を描く3時間に及ぶ大作ドラマ。
手作りの粗い映像ながら格調高い気品を放っている。特定のコミュニ
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クリード チャンプを継ぐ男(2015年製作の映画)

5.0

『ロッキー』に『ランボー』といった自身のキャリアを代表する作品に自らの手で終止符を打ち、その後はエクスペンダブルズで後輩に先輩風を吹かし続ける「男のリトマス試験紙」名優スタローン。近年の作品は自らの映>>続きを読む

のぞきめ(2016年製作の映画)

1.5

心霊に覗かれる恐怖を描くJホラーの最新作。感想としてはすごく惜しい作品といいますか…。『のぞきめ』は劇場予告がすごく斬新で良かったじゃないですか。それを観てけっこう期待したんだけど、予告を観た時に脳内>>続きを読む

モンスターズ/新種襲来(2014年製作の映画)

2.0

前作のギャレス・エドワーズ監督が製作総指揮にまわった本作。前作が低予算のロードムービーだったのに対して、今作はモンスターが出現した中東に派遣された兵士の目線でモンスターとの対峙と武装勢力との戦闘を平行>>続きを読む

HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス(2016年製作の映画)

3.5

少年ジャンプで連載されたカルト漫画の実写化作品の第二作目。今回は変態パワーを失った変態仮面がヒーローとしての責務と自己のアイディンティティーの狭間で、一人の人間として揺れ動く続編となっている。
変態仮
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リザとキツネと恋する死者たち(2014年製作の映画)

3.5

日本の昭和歌謡曲とお伽噺に造詣の深い監督が『九尾の狐』をモチーフに描くファンタジーサスペンス作品。ジャポネクスとヨーロピアンの融合により、名状しがたき唯一無二の珍品に仕上がっている。
監督がCMディレ
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ブラック・スキャンダル(2015年製作の映画)

3.6

終身刑2回…どう償うのかわからない刑をくらったボストンの犯罪王ジェームズ・ホワイティ・バルジャーの伝記映画。警察とFBIの身内を味方に付けたバルジャーの犯行は大胆になり、密告者を許さない残忍なギャング>>続きを読む

エージェント・ウルトラ(2015年製作の映画)

2.0

ジェシー・アイゼンバーグ主演の超能力アクションコメディ。
まず、冴えない若者が超能力を手にする系の話なのに能力に目覚めるまではいかに平凡もしくはダメ人間だったのかという描写が弱い。それに自分の特殊な出
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ひなぎく(1966年製作の映画)

4.6

女性監督ヴェラ・ヒティロヴァ監督のチェコ・ヌーヴェルバーグを代表する作品。チェコスロバキアで製作された60年代女の子映画の金字塔だ。
去年みた『クーキー』が気に入ったので何本か意識してチェコの映像作品
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ヒメアノ〜ル(2016年製作の映画)

4.8

『ヒミズ』の古谷実作品の実写映画。
観賞後、震える手足をリラックスさせるためにいつもより大きく伸びをした。そうしなければ席を立つことが叶わなかったからだ。普通に生きていたらまずみることのないであろう不
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残穢 住んではいけない部屋(2016年製作の映画)

4.2

2月に劇場で鑑賞。本編が始まる前の『貞子VS伽耶子』の劇場予告に悲鳴と爆笑が起こるほど劇場内の雰囲気が良くて、観客のビビッドなリアクション込みで大いに楽しめた。やはりホラー映画を観に行くならレディース>>続きを読む

ブリッジ・オブ・スパイ(2015年製作の映画)

4.5

冷戦時代のスパイ交換に奔走したドノヴァン弁護士の活躍を描く。的確な演出でもって的確な方向に画面全体を引き立てる映画作家として円熟したスピルバーグの手腕が冴え渡る。彼が自分の作らなければならない作品と公>>続きを読む

マイケル・ムーアの世界侵略のススメ(2015年製作の映画)

4.5

アメリカってのは「世界の警察」などと呼ばれる巨大な軍事国家でありながら、日本に勝った第二次大戦を最後に戦争でいい思いをしていない。朝鮮、ベトナム、イラク、アフガンと何の得にもならない戦争ばかりだった。>>続きを読む

劇場版 艦これ(2016年製作の映画)

4.1

人気ブラウザゲーム『艦隊これくしょん-艦これ-』のテレビアニメの続編となる劇場版。南方海域の強力な深海棲艦にお馴染みの艦娘たちが立ち向かう。
本作は評判の振るわないTVシリーズの続編として、アニメ版な
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マダム・フローレンス! 夢見るふたり(2016年製作の映画)

3.2

音痴の歌姫として知られるソプラノ歌手フローレンス・フォスター・ジェンキンスと、愛する妻の夢を守るため音楽マスコミや観客を買収していた夫シンクレアを描いたドラマ。小規模なリサイタルで満足していたマダムだ>>続きを読む

彷徨える河(2015年製作の映画)

4.2

アマゾンの奥地に独り暮らす先住民族の生き残りカラマカテ。ある日、不治の病に侵されたドイツ人の民族学者テオドールと、案内人マンドゥカが彼の呪術を頼り訪ねてくる。白人侵略者に恨みを持つカラマカテは一度は拒>>続きを読む

ハウリング(1981年製作の映画)

4.5

実写スラップスティックホラーコメディの快男児ジョー・ダンテ監督作品。去年の最新作『ゾンビガール』も素晴らしく偏差値の低い映画で、いまだにこんな映画を作り続けている彼のことが大好きだ。
この作品は『13
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虹蛇と眠る女(2015年製作の映画)

3.7

子供が失踪する映画でいつも気に食わないのは、親がガキを探すために普通だったら周囲から咎められるようなことを平気でするのに、最終的に「子供見付かって良かったね」と誰もが無条件で彼等を許し事件の解決を祝福>>続きを読む

カルテル・ランド(2015年製作の映画)

3.5

メキシコ麻薬戦争の実態を綴るドキュメンタリー。インドネシアでおこった大虐殺の事実を世界に公表した『アクト・オブ・キリング』とその続編『ルック・オブ・サイレンス』のように、本当にあった不道徳で非情な事件>>続きを読む

劇場版 selector destructed WIXOSS(2016年製作の映画)

3.4

selector spread WIXOSSの劇場版。
正直いってネタバレも何もないダイジェスト劇場映画だが、ダイナミックな新カット等が複数追加されており、テレビ版で敵として登場したイオナと主人公るう
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シマウマ(2016年製作の映画)

1.3

ギャング漫画の実写化。
原作が連載漫画なんだから各キャラを起てなきゃ話は転がらないはずなのに、キャラクターが弱く魅力的でないのが大きな問題点だ。
それに、平成生まれの星である須賀健太くんに唐突に気取っ
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アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

5.0

106歳で亡くなったマノエル・ド・オリヴェイラ監督作品。事実上の遺作と言ってもいいかもしれない。写真を撮るのが趣味の青年イザクが早世した若妻の家族から彼女の写真を撮ってくれと頼まれ、彼が故人にカメラの>>続きを読む

秘密 THE TOP SECRET(2016年製作の映画)

2.2

警察の特殊捜査チームが、連鎖する猟奇事件の真相を追う怪奇SFミステリー。『プラチナデータ』とか『マイノリティリポート』みたいな未来の犯罪捜査を描くSFサスペンスで、捜査チームは死者の脳に残された過去の>>続きを読む