TOTさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

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NTLive『フリーバッグ』(2019年製作の映画)

3.5

ドラマ版途中放置中だけど、時間がちょうど良かったから久々のNTLiveへ。
崖っぷち女の矢継ぎ早の赤裸々トーク。
すべての言葉はファックユー。
自虐も他虐も下ネタも動物ネタもフェミニズムも曝け出しまく
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白昼の誘拐劇(2017年製作の映画)

3.0

犯人と洗脳の恐ろしさに尽きるけど、実録ドキュメンタリーものとして強度を下げてるのは、両親へのツッコミの甘さ。
特に2度目の誘拐時の母親の行動を掘り下げなかったこと。

娘は戦場で生まれた(2019年製作の映画)

-

スコアがつけづらい。
凄惨な生き死にの、救いはないけど希望はあり、私的で政治的な記録映像。
極限の状況の不屈でとりとめもない映像をまとめきった編集者の手腕すごい。

レ・ミゼラブル(2019年製作の映画)

3.8

カメラは臨場感溢れ、展開も緊張感溢れるんだけども。
冒頭の現代、普遍に到る結びの一節。
レミゼラブルとリンクさせようとして、よくある話のように陳腐化した部分があるような。
力を持つ成人男性は右往左往し
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

3.5

「アラバマ物語」誕生の地で起こる、黒人差別。
実在。
ハーブのパートで、人権の不平等な社会で法制度が履行された場合、死刑がいかに恐ろしくて問題のあるシステムであるかを強烈に考えさせられる。
しかしとに
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名もなき生涯(2019年製作の映画)

3.7

名もなく静かに抵抗し続けた男の生涯が、キリストの受難に重なる。
テレンス・マリック作品の中でもかなりストーリーが追いやすいが、何作みても絶対どっかで寝てしまう。
微睡んでたらスーナールツさん出てきて夢
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ダンサー そして私たちは踊った(2019年製作の映画)

3.9

‪恋を知り未来を変える青年の官能的な変容。
保守的な社会のホモフォビア、新たな世界、夢への七転八倒。
恋の性急さやダンスの身体性が、台詞や説明の少なさを凌駕する。
‪熱が上昇し続けるまま終わるような高
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1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

3.5

こんなに湿った物語なのに、からっからにドライな手法。
泣いているのに乾いている。
たまに英国俳優を入れ込むところが、王者の風格。
ワンカット風は別にどうでもよいけど、ドイツとイギリスの塹壕の違いや、よ
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影裏(2020年製作の映画)

3.0

その火を飛び越して来たら

と、思うのよ。

人を見るなら光当たる場所より影を。
でも、その影の形で、光の形だって変わるのよ。
心乱されて期待して、盛大な思い過ごしだったとしても、自分が見たいように見
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ハスラーズ(2019年製作の映画)

3.9

素晴らしき女×女♾。
毛皮の庇護で成長するコンスタンス・ウーを見守るJ.Loの慈愛。
っていうか、愛。
金融危機が性差や人種、貧富による搾取構造を揺さぶり、奪われていた側が奪う側に回る。
逆襲のシスタ
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ロニートとエスティ 彼女たちの選択(2017年製作の映画)

3.3

痩せた脚本、間延びするエンプティショット&クローズアップ。
『ナチュラル・ウーマン』でイマジナリーカットを際立たせた台詞の少なさが、今作ではマイナスに働いてる。
女性2人の選択を強調するなら、ユダヤ社
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トガニ 幼き瞳の告発(2011年製作の映画)

3.7

『パラサイト』が韓国初アジア初のアカデミー賞作品賞ほか3部門受賞という快挙を成し遂げた。
やっぱり韓国映画の社会や政治への批評性すばらしいよね…と、内容からずっと観るの避けてたけど観ることにした。
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彼らは生きていた/ゼイ・シャル・ノット・グロウ・オールド(2018年製作の映画)

3.9

想像するだけで気の遠くなるような色彩処理を経て蘇る第一次世界大戦の塹壕戦。
歳をとることの無かった者たちの命を、残された者たちが語り継ぐための記録。
生々しい写真と映像、無数のボイスオーバーが奥行きを
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

3.0

女性が最高で、女性が疑問の映画。
イーストウッド御大の演出うなり、キャシー・ベイツが快演する。
息子が英雄になった歓喜と、一転して容疑者となった日々の狼狽、あの会見の震えと詰まり。
あんなに演じきれる
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his(2020年製作の映画)

2.5

ゲイ差別、ゲイカップルへの好奇の目、働く女性の子育ての苦悩、大雑把に盛り込んで大雑把に終わる。
踏み込まない描写と台詞の貧相さを埋めるように、間延びした編集。
渚と迅の会話を切り返しながら過去の渚と玲
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エクスプローディング・ガール(2009年製作の映画)

4.0

‪ある理由から主体的になれない、羽ばたけない女の子の夏。
冒頭のうたた寝ショットに引き込まれ、もやもやとした弛緩を経て、爆発の(または寸止めの)瞬間に高揚する。
まどろんで、怖がって、それでも私は手を
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本当に僕じゃない!(2008年製作の映画)

4.0

僕は白い石の中の黒い石。
首を吊っても神に届かず、母は消えて、自転車でどこまでも行けると思ったけど、あの子は中指を立てた。
全部を壊しながら、神が額に触れることを願っていた少年の奮闘。
自意識の冒険が
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フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

3.7

ホモソ、ときどき妻子。
妻は刺身のツマかってくらいのお飾りっぷりにびっくり仰天。
カーレース激アツ胸アツ。
チャンべは引き出しが多いな〜。

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

2.5

笑いと明るさで吹き飛ばそうにも、既に知る歴史は重すぎる。
子供とイマジナリーフレンドの冗長なユーモアを前面に、ナチスドイツの虐殺も兵士のPTSDも愛情も友情もクィアネスもステレオタイプにかい摘んで散り
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Tongues Untied(原題)(1989年製作の映画)

4.0

‬ ‪「ブラザー・トゥ・ブラザー」
「黒人男性が黒人男性を愛するのは革命的行動」
アメリカで黒人でゲイ。
差別と同性愛嫌悪とエイズ危機を矢継ぎ早に伝える言葉と映像のパワー&リズム。
今作の時代と今、彼
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.4

面白かった。
テンポよく加速して(弛緩もして)、拍子抜けするほどのコメディタッチ。
完璧な狂いのリズム。
笑いと叫びはよく似ていて、喜劇と悲劇は紙一重。
経済格差も就職難も男尊女卑も有毒な男性性の苦し
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ウォッチメン(2009年製作の映画)

3.0

ドラマ前の予習。
セックスの絶頂で発射!みたいなアホ演出も、原作準拠なのか、それを真面目にやるのがスナイダーなのか。
アホアホ展開もロールシャッハのミソジニーさもなんだかなと思いつつ、意外と楽しかった
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ベイビーブラザー(2010年製作の映画)

2.5

トーマス・ザングスター目当てで観た(そんなんばっか)。
父親の違う三兄弟のロードムービー。
守られることで失われたものを求める子供たちの、どうしたっていつか終わる日々。
役者も題材も惹かれるけれど、い
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92歳のパリジェンヌ(2015年製作の映画)

3.5

尊厳死を望む92歳の母と、残される家族の日々。
フランスらしい人権意識。
生きる自由と死ぬ自由。
母の願いによって最初はギクシャクしていた親子関係は次第に変化して、母が娘のことをマシェリって呼ぶたびに
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アニエスによるヴァルダ(2019年製作の映画)

3.8

ヴァルダによる制作裏話。
感謝と驚きと寂しさと。
愛と思想と映画書法と。
名監督ならぬ名人間の言葉と最後の姿に目頭が熱くなってハイスコア。
JRやっぱ、いいヤツ。

ダゲール街の人々(1976年製作の映画)

3.8

ダゲレオ通りで生きる人々の、色んな顔の肖像画。
ダゲレオタイプのダゲレオタイプ。
肉屋、美容院、雑貨屋、仕立屋。
それぞれの人生、それぞれの絵をモンタージュして大きな一枚絵にするヴァルダ。
対象をただ
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ラ・ポワント・クールト(1955年製作の映画)

3.6

構図、動き、編集、とにかく絵が決まってる。
漁業取締りに揺れる漁村の日常をリアリズモ的に切り取りつつ、夫婦の機微を凝った構図で散りばめて、悲喜交交なんとなく大団円。
そのドライな包容力がヴァルダだな〜
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2人のローマ教皇(2019年製作の映画)

3.8

ジョナサン・プライスとアンソニー・ホプキンスのおじさん萌えが甚だしい。
ピアノ、ピザ、サッカー観戦、2人の教皇の知られざる交流。
慈愛と敬意に満ちた姿にほっこりほっこり。
壮麗な建物や礼服とともに、ロ
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スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け(2019年製作の映画)

3.5

亡き人のための物語、または放蕩息子の○○。
EP8のTLJの無茶ぶりをなんとかソフトランディングさせるJJの手腕。
もしもカイロ・レンがアダム・ドライバーじゃなかったらスクリーンにトマトを投げつけたく
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ラスト・クリスマス(2019年製作の映画)

3.3

エミリア・クラークとヘンリー・ゴールディングの個性、何よりジョージ・マイケルの歌の魅力。
クリスマスムービーのクリシェに移民問題とブレグジットを絡めたことが、どうにも白人至上主義的な目配せにしか見えな
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

3.8

Amazonなどネットショッピングによる宅配事情の苛烈さ、法や契約ではなく個人の情で縛る就労時間など、現代日本こそ身につまされるようなイギリスの労働環境と男性性の有毒。
いつまでも映画によって問題を提
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マリッジ・ストーリー(2019年製作の映画)

3.5

愛情と才能、家族の絆と個人のエゴ。
手紙になら書ける相手への気持ち。
ファーストカットで心掴まれ、水平移動するカメラやバストアップの切り返しなど、バームバックの名映画への憧憬と意思を感じるカット編集に
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グローリー(1989年製作の映画)

3.0

デンゼル・ワシントンといえば『グローリー』

と、長いこと思っている印象的なシーンがあり、久しぶりに見直したら意外と序盤だった。
南北戦争に実在したアメリカ初の黒人部隊と白人指揮官の物語。
マシュー・
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波高(2019年製作の映画)

3.5

‪男と猪が跋扈する離島の村社会で、辛さを抱えた少女二人のシスターフッドが漁火の如く輝く。
島だからこそのスリル、島だからこその景色と人間模様を調子外れにずらすカメラ。
暗闇に溶ける演歌な哀愁。‬
‪そ
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ファヴェーラの娘(2019年製作の映画)

3.7

‪おっす!俺、元麻薬密売ボス!
ファヴェーラ生まれ、暴力育ち!
出所して14年ぶりの娑婆で静かに暮らしたいのに急に現れた娘は懐いてくるし、弟は面倒かけてくるし、現ボスは喧嘩売ってくるし!
俺どうなっち
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MONOS 猿と呼ばれし者たち(2019年製作の映画)

4.2

‪南米少年少女ゲリラ版「蝿の王」「地獄の黙示録」または山岳ベース事件。
組織の管理下、米国人博士を拉致していた彼らの生活は徐々に混沌とし、スリリングなサバイバル劇を呈する。
権力、裏切り、性愛、殺戮。
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