TOTさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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サブライム 初恋の歌(2022年製作の映画)

3.8

良かった。
どこにも行けないと思った男友達への感情がどこかに行き着くまで。
昼は不安定なバンド練習と歌詞、夜は夢の中に紛れて醸成する「好き」の強度。
淡くて覚束なくて調子っぱずれで途切れがちに弱いのに
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.2

PTAうめぇなぁ〜〜って思いっぱなしの134分。

アラナとゲイリーの
バディのような恋のような
惹かれて拒んで弾けて跳ねる
紆余曲折のパワーバランスの変化。

一筋縄ではいかない物語が二人の疾走によ
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

3.5

ヨアキム・トリアーにしてはふるわないっていうか、ゆるいっていうか、普通っていうか。
もっと得意なテーマあっただろうよ。

フェミニズムや、生理とか老いとか女性特有の描写が割とこれ見よがしで、男性のシー
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トップガン(1986年製作の映画)

3.0

マーヴェリック観るために復習しました。
子供の頃観た時は若トムが空っぽすぎて苦手で、調子こいたアメリカ映画だなぁと他人事のように観てたけど、若トムかわいいなとは思えたけど、相変わらずそんなに激らなかっ
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トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

3.8

トム・クルーズをトム・クルーズにした作品群の中のひとつによる、トム・クルーズ神話の再構築。
ミッションインポッシブルシリーズがあったからこそ出来たであろう復活。
いかにトム・クルーズになんの感情も無い
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マリー・ミー(2022年製作の映画)

3.5

JLO渾身の王道ラブコメ。
なんの不安もなく見れる上に、JLOの全力セレブふりと高クオリティな楽曲で嫌味なくキュートで楽しい作品。
世の中にはこの手の作品でしか摂れない滋養がある。たぶん。

カモン カモン(2021年製作の映画)

4.0

マイク・ミルズ作品の良さを素直に受け入れられない傾向にある私。
今までで一番響いた気がする。

録音と通話を通して他者に自分の領域を解放する大人と子供。

録音は平凡なものを不滅にする。

辛く孤独で
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チェリまほ THE MOVIE 30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい(2022年製作の映画)

2.1

安達の成長、黒沢の脆弱性、同性婚。
魔法が消えた世界で生きていく2人を見れた。
そして、ドラマでかけられた私の魔法も消えた。

ドラマ最終回の魔法喪失をご破算にする長崎転勤の前半と、長崎後の後半。
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アネット(2021年製作の映画)

3.9

アダム•ドライバーがだんだんカラックスに見えてくる、自己破壊する愛のダークファンタジーロックオペラ。
自在なカメラワーク、セット、パペット。
舞台に生きる男女を描いて、どこまでも映画。
映画らしい幸福
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TITANE/チタン(2021年製作の映画)

3.5

痛い映画だなと思ったらRAWの監督じゃん!(遅)
目を背けたくなる画面が続いて猟奇的だけどユーモラスな前半と、隊長との出会いから徐々に変容するアレクシアの心身をゆっくり描く後半とで、印象が変わる。
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コーダ あいのうた(2021年製作の映画)

3.8

フェルディアウォルシュピーロ目当てで観たいなと思いながら過ぎていたけれどオスカー受賞記念で鑑賞。
直球いい映画。
父ちゃんと兄ちゃんがいい味出してる。
シングストリートを劇場でアホほど観た人間なので、
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THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

2.9

青白い顔にデカい図体した思春期のティーンエイジャーみたいな青年が、黒いアイシャドウ塗ってニルヴァーナ響かせて刑事をバディに探偵稼業するよ。

汚くて湿って暗いゴッサムシティの映像は惹かれたし、ダークな
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自分の事ばかりで情けなくなるよ(2013年製作の映画)

1.0

『ちょっと思い出しただけ』観た記念。
前から機会があったら観たかったのでU-NEXT加入。
機会があったら観たかったと思うくらい後回しにしてたとおり。
男の独りよがりの自分語りの前に女は黙して。
語り
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.7

同じ時間、でも今は違う場所で生きる二人。
コロナ禍の現在から6年間を逆に進む、愛が消えた日、生まれた日。
違う年の同じ一日の出来事を思い出すように描き、描かれない思い出さない日々や在ったかもしれない出
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スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年製作の映画)

3.8

そういえば観てたわ記録アゲイン。

スパイダーマンシリーズ総括せよ!的な贖罪と救済の重荷を、ヒーローとはいえ高校生に惜しげもなく負わせるのは、あまりにも罪と罰。あまりにもキリスト教的愛。

歴代ヴィラ
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決戦は日曜日(2022年製作の映画)

3.3

そういえば観てたわ記録。

新人女性政治家と男性秘書の風変わりなバディ。
今の日本の政治の風刺がありつつ、勧善懲悪もご破算もできず、スタートラインに立って終わるとこが日本ぽい。

当初の構想で男性だっ
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劇場版ポルノグラファー プレイバック(2021年製作の映画)

3.0

更にパワーアップしたクズクズな木島の性格をオブラートに包む竹財さんの声。
いやぁ、相変わらずいい声ですね。
劇場版だからエロ増し増しにするのかと思ったけど、そうでもなかった。
セックスシーンより城戸の
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NO CALL NO LIFE(2021年製作の映画)

2.3

消せないトラウマを抱えた少年と少女のちょっぴりフシギなボーイミーツガール。救いなし。
フワリ浮遊感のある設定の割に映像はベタッと地を這うよう。
犬飼貴丈目当てで観たので特に期待もしてなかったけど、もう
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劇場版 きのう何食べた?(2021年製作の映画)

3.2

そういえば観てたわ記録。
原作読んでたらわかる筋運びと安定のキャストアンサンブルで食べる前から美味しいとわかってる類の作品。
京都旅行の2人のイチャコラをドラマのオープニング同様に納めたムービーが流れ
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べネシアフレニア(2021年製作の映画)

3.0

アレックス・デ・ラ・イグレシア監督オーバーツーリズムスラッシャースリラー映画。
70年代ジャッロ映画オマージュ満載なんとなく懐かしの土ワイ風。
祭りだ祭りだ血肉を飛ばすぞわっしょいわっしょい。
爆速で
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クレーン・ランタン(2021年製作の映画)

1.5

ドラマは無いが詩はあり、構図は決まってるが運動は冴えず、断続的な止め絵を連続させる編集はただ場面と場面を繋ぐだけで、抑揚のないセリフと脚本と画面を無理矢理奮起させるためか鳴り止まない劇伴がうるさい。>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

4.5

主人公の不可思議な音体験を追っていたら、いつのまにかコロンビアに抱かれている美しい微睡みの旅。
土着と外来の人の記憶の残留思念が音になり、自然と人体と映画の境界を震わせて、遂には溶け合わせて、幽玄の世
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瀑布(2021年製作の映画)

3.5

COVIDの感染拡大と重なる女性の心の揺れ、母娘の葛藤。
破壊と回復、怖さとおかしみを織りまぜて、不安定さを消し切らない展開に救いを願って見つめる。
ラストは、逆に作品の不安定さを安定させてしまうよう
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ(2019年製作の映画)

3.5

スペクターで終わるはずだったダニクレボンドのボーナストラックと思うことにした。
荒唐無稽とシリアスに引き裂かれて、サフィンとMはどっちつかず、パロマやノーミやQの魅力が光る。
旧時代的なセクシズムを持
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トムボーイ(2011年製作の映画)

4.0

良かったな。
長編デビュー作『水の中のつぼみ』の時に監督が、観客は主人公を同性愛者と考えるか、それとも思春期の一時的な感情と考えるかについて、クレバーな回答をしていたけれど、今作にもそんな真摯なクレバ
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シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年製作の映画)

3.8

物語を奥さん大好き男の狂った行動で牽引するに足るトニー・レオンの説得力。
悲しみを讃えた眉と濡れた瞳で見つめられたら「そうか、そうか、そういう人なんだね」って納得しちゃうでしょう。そうでしょう。
アク
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シクロ(1995年製作の映画)

3.7

90年代ベトナム・ホーチミン。
血はペンキに。
思い出の写真は紙幣に。
思いは歌に。
爆竹は銃声に。
囚われの魚は死に。

繰り返し置き換えられては循環するイメージたちから、貧困と暴力の中でも残る純粋
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彼女は夢で踊る(2019年製作の映画)

3.6

失われた恋と時代の物語をリアルにする場所と名曲「クリープ」の痛み。
広島第一劇場の古びた建物、キスマークで覆われた壁、ミラーボール、回転盆。

虚構のラブストーリーを、実在した場所の匂い立つような細部
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GOZEN 純恋の剣(2019年製作の映画)

2.0

シグルイじゃん!?
でも、ハラワタと男の筋肉と性交が無いじゃん!?
じゃあ何を楽しみに見れば???
いや、これそもそもシグルイじゃないから
と混乱しつつ、犬飼貴丈見たさで最後まで見ました。

冒頭と最
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妖怪大戦争 ガーディアンズ(2021年製作の映画)

2.5

CGじゃない筋肉と発声が凄くて、妖怪よりも妖怪っぽかった大沢たかお。

天邪鬼もよかったな。卑怯かわいい。
パンフによると天邪鬼のキャスティングが最も難航して、演技力と年齢から仮面ライダーシリーズ出演
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.0

どこにも行きつかない物語たちの始まり。

よくできてるんだけど、洗練されまくった後期作を先に観たせいか、インディーズっぷりにノレませんでした。

ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

4.3

ケリー・ライカート4本観た中ではこれがベスト(でも一番好きなのは『オールドジョイ』)。
またもや印象的な横移動始め、洗練されたカメラ、ミニマムな脚本。
もやもやとした不安を抱えてジリジリ進んだのに、ど
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アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

4.3

今年ベスト級


と、3週間前に鑑賞した私の下書きが残ってました。
ハドソンシアターで生で観れた人たちに羨ましさしかないわ。
様々な人種国籍性別の人間がワイヤレスに躍動して、今ここから紡ぐ逆さまのアメ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

3.7

選曲良し、衣装美術良し、演者良し。
最悪なレイプカルチャーを良エンターテイメント作品に昇華してるけど、女がああいう形でしか復讐できないストーリーを楽しむことへの拒絶感が強い。
加害者(傍観者も含めて)
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.9

500ドルの所持金で職を求めてアラスカに向かうウェンディと愛犬ルーシー。
オレゴンで足止めを喰らい、自分の一部をもぎ取られるように少しずつ失っていく彼女。
息詰まるような瞬間も、悲しい瞬間も、印象的な
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.2

今年観た映画の中で1、2番に好き。
もうすぐ父親になる男と、自由な生活を続ける男、友人である2人の最後かもしれないドライブ。
山間を流れる水音、絡まない視線、身体的な圧迫。
受け流されて軽んじられて来
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