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地獄楽 第1期のnatsuoのレビュー・感想・評価

地獄楽 第1期(2023年製作のアニメ)
4.6
「厨二心燻るジャンプ×MAPPA」

呪術、チェンソーと話題作を放ち、続いてのジャンプ×MAPPAは地獄楽。ジャンプはMAPPAにつくらせればまず傑作になる、特にアクションシーンは歴史に残る、というような殿堂ができている気もするが、本作も例外ではなかった。やはりやってくれたなMAPPA。

良くも悪くもジャンプっぽさとジャンプっぽくなさが出ている作品(なんて言っている自分はジャンプ全く読んでいないのでイメージです。ごめんなさい)。残酷さや恐ろしさはもちろんだが、チェンソーとは打って変わり華やかさが印象的。正に"花(華)"が劇中で多く用いられる他、美しく気持ち悪い花のバケモノも登場する。また、仏教や儒教、神道など宗教要素も(巧くはないが)盛り込まれ、両者の親和性も高い。新しさや斬新さは別にない(自分は何故かミッドサマーを思い出した)が、興味深いことがたくさんあるので観ていて楽しかった。そして相変わらず人間のデザインとバケモノのデザインが見事なのは言うまでもない。とても魅力的で美しいキャラクターたち(男女問わず、天仙(人間形態)も含む)と、気味悪く得体の知れないバケモノたち(天仙(バケモノ形態)含む)はたまらない。呪術もチェンソーもとても良かったが、本作も負けてない。色気がすごいので男の子(成人済)の自分は平常心で観ていられる訳ではないが、それも魅力ということだよ。しかし特に画眉丸のデザイン好きすぎる(厨二病)し、左切は髪を下ろした状態がめちゃくちゃ好き(厨二病)。みんないい。そして最近は人間味が溢れるキャラが流行っているのだろうか、みんな等身大でとても親しみやすい。デザインもキャラクター性もいいアニメは観ていて退屈しないし好きになるものだな。

そしてやはりアクションでしょう。呪術やチェンソーには劣っている印象も少しあった(この二者は異次元なので仕方がない)が、刀AC、忍術AC、現実離れしたアニメ独特のAC表現がお見事。特に画眉丸の火炎忍術はカッコ良すぎてしょうがない。やっぱ火って怖いけど美しいよね。画眉丸自身が燃え盛る様、相手のバケモノが燃え上がる様、森が炎に包まれる様、全て美しかった。それでいてアクションシーン全体の作画もピカイチ。もちろんありえないことばっかだしツッコミたくもなるが、これこそアニメなのだろうなーと感じる。実写にはできないアニメ表現。それも、MAPPAという強すぎるスタジオの桁違いのレベル。心の中の厨二心が爆上げだった。これからも地獄楽に、MAPPAに期待が持てる。

ただ一つ、「〇〇バージョン」はないでしょう。いくらなんでもそこだけ横文字はダサすぎる。世界観にも合わないしね。結構あの台詞は興醒めしちゃうぞと思いながら観ていた。それ以外の台詞は、もちろん世界観や時代に合わないものは多いが、それでも気にならないのに「バージョン」だけは受け付けなかった。読んでないからわからないが、原作踏襲なのだろう。


シーズン2?第2クール?(←未だに違いがよくわからん)もあるようなので楽しみ。最終話ラストの杠の台詞は割と衝撃だったしなるほどー面白いとも思ったので、続きが気になるばかり。MAPPAさん、(次は呪術だろうが)これからも頑張ってください。
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