泡沫

隋唐演義 〜集いし46人の英雄と滅びゆく帝国〜の泡沫のレビュー・感想・評価

4.0
隋の繁栄から、皇帝・楊広の悪政に憤った英雄たちが手を結びそれを打ち倒し、最終的に李世民の元に再結集する。個性的すぎる人物が大義のために集まってきて、じつに水滸伝みたいだがこちらの方が目的がハッキリしてる。香港映画でよく見た徐少強が嫌~な宰相を演じていたり、とにかく登場人物が多いので把握に時間かかるもぽろぽろと離脱していくころにはそれぞれに愛着わいてしまい悲しくてならない。でも悪役の宇文成都一番よかったね、天下無双と評されまた彼自身誠実な人柄でありながら父の思惑や報われない恋に悶え苦しむという、かなり人間みあふれる人物で壮絶な最期もよかった(むしろ味方側のはずの王宝強のがアラレちゃんみたいなヤバさがあり怖かった)し、驚くほどあっさりした宇文化及や楊広の死もとても腑に落ちた。李世民がりっぱすぎるけど、そうじゃないと兄弟たちの死も受け入れられないよ。最後王世充との戦いを経て唐の天下統一が果たされるも、「完璧な君主なんてどこにいるんだ」という言葉は現代人にも刺さる。英雄の出現がまたれる。
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