泡沫

孫子兵法の泡沫のレビュー・感想・評価

孫子兵法(2008年製作のドラマ)
3.5
若き孫武が才能を開花させ、祖国を離れ呉を勝利に導く、といっても戦のことばかりに終始してない。おおこれが百戦危うからずのアレかとか思いながらも楽しめるし、故事成語の生まれた背景も見られていい。日本だとどうもビジネスに活かそう(婉曲)としかされない兵法だけど、そういういやらしさも無い。古代ものならではの荒々しさ、無骨な武器なんかも趣深かった。勾践が盛り返すとこまで見たかったなー。

2024/05/02追記
項目ないからここに書いとくけど、この後で見た「孫子兵法大伝(原題・孫子大伝)」の方が歴史ものとしても人間ドラマとしても格段によい出来だった。孫武はまず兵法十三篇を書き終え名を知られるようになるが、その兵法によって惨たらしい戦が繰り返される様を見、また2人の女性たちとの出会いから「戦わずして勝つ」の境地に至る。ラスト近くはかなり厭戦的で納得の結論。重要人物となる2人の女性もかなりいい。とくに霊越姫、というには女帝の風格なのだがこの人が非常に賢くまた超怖くて、戦で死んだ人々の代弁者として孫武を責め立てる。そういう葛藤は「孫子兵法(兵聖)」には無かったが、配信で見られるのはそちらなのだった…很可惜。最後フワフワした話になったが、やはり兵法というのは金もうけに使う(直接的表現)とかでない、大局を見るためのものであるということなのだろう、たぶん。
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