生まれた時から両親より虐待をうけていた舞は、虐待によってつけられた心の傷を埋める様に夜の東京での男遊びに耽っていた。
そんな遊びの最中でとあるトラブルに出会し、巷で話題になっているコスプレ殺人鬼と出会うのだった...
とんでもなく面白かった！！！！
国内インディーズ界隈に降り立った紛れもない傑作。
久々に体内を電ノコでかき混ぜられた様な衝撃を見事に喰らってしまい、これには参ったというしかない、完膚なきまでに叩きのめされてしまった。
絶対に理解できないものが好きで、見えない傷を負った2人が惹かれ合う中に""殺し""が深く関わっているビビットさが内面的な複雑さを加えてくれていて良い。
死と生を通して伝わる、殺しと愛の深いマリアージュ。
生きるために殺しを行う者を変えていく愛の描き方が凄く良かった。
お互い想いを馳せる為に傷を付け合う行為がとても良かったし、傷を付け合うシーンが他作品のベッドシーンより深く印象的で官能的。
初感としてはインディーズで深く響くメッセージ性を持った作品と出会えた喜びがとにかく大きい。
インディーズでもしっかり自分の表現を出しながら、観客に寄り添った細かい配慮が行き届いている巧さ、その制約の中で表現を最大限し切っていて、監督自身の人となりがよく伝わってくる内容だった様に感じられた。
実際、イベントで監督本人とお話しする機会があったのだが、かなり優しい方で丁寧に目線を合わせて喋ってくださる方でした。
この社会に潜む、弱者が搾取される構造や、個人個人が持つ理不尽な歪みと加害性に激しい怒りを表現した作品だった。それと同時に、歪な物でも許容する優しさも感じられる、曖昧さをしっかり表現しきったものだった。本当に良かった....
