T太郎

ザ・シスト/凶悪性新怪物のT太郎のレビュー・感想・評価

ザ・シスト/凶悪性新怪物(2020年製作の映画)
3.1
947
低予算ホラーだ。
なんと1時間ちょいの上映時間である。

なんの事前情報も仕入れず、なんの期待感もなく鑑賞したのだが、意外と楽しめた。

誤解なきよう再度お断りしておくが、かなりの低予算映画である。
ストーリーの緻密さとか緊迫感とかカタルシスとかを期待してはいけない。

無だ。
無心、無我の境地で観るのです。
必ずやあなたに福音が訪れるでしょう。

物語はとある病院内で展開される。
おでき専門病院だ。
患者は皆、巨大なおできに悩まされている。
顔と同じくらいのおできが首にできたりするのだ。
ギュッとしたら白い膿がピューっと出るのである。

Dr.ガイはおでき専門医だ。
おでき治療マシーンを開発し、特許を取ろうと必死なのだ。

彼は後輩医師を実験台にしてマシーンのお披露目をする。
そのために後輩医師の背中に無理矢理おできを作るのだが、これが素晴らしい造形なのである。

みなさんは“たまひも”という居酒屋メニューをご存知だろうか。
まだ排卵前の鶏の卵を調理したものだ。
弾力のある歯ごたえが特徴の実に美味しいお料理である。

それに似ているのだ。

あの美味しいお料理が、気色の悪いおできになるなんて!
(ちょっと違うよ)

このたまひも君がDr.ガイのマシーンによって生命を宿すのだ。
宿主を離れ人々に襲いかかる。

更に物置に閉じ込められたかと思うと、巨大化して襲いかかってくるのだ。

たまひも君がスーモ君になったのだ。
そう、あの物件数ナンバーワンのスーモ君である。

果たして、人々は生き延びる事ができるのか。

そんな物語である。

いちいち「なんで?」とか言わないでもらいたい。
無の境地で観るのです。
そうすれば、きっと楽しめるのです。
私を信じるのです。

実は少々笑えた作品だ。
コメディ要素もあるのだ。
コメディ部分以外でも笑える箇所は多々あった。

主人公はベテランナースなのだが、演じている女優さんが実にいいのだ。
熱演である。
普通のホラー映画であれば、最高のヒロインだと言えるだろう。

だが、今回の相手はたまひも君とスーモ君である。
彼女の熱演とのギャップが妙なおかしみを生むのだ。

       閑話休題

私は阪神タイガースファンだ。
レビューを書きながらも“あれ”が気になって仕方ないのだ。
今回はサンテレビを見ながらの、ながらレビューなのである。

このレビューに不適切な表現があったとすれば、それは全てサンテレビの責任である。
どうか、ご容赦願いたい。
T太郎

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